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LAから2時間で熱気球を体験! マリリン・モンローが愛した「パームスプリングス」はアートあふれる隠れスポットだった【ルート66カリフォルニア旅_01】

パームスプリングスで朝の熱気球体験ツアーに参加

ドジャース観戦とセットで満喫したいカリフォルニアの魅力

「アメリカの母なる道」と呼ばれる「ルート66」が2026年で100周年を迎えます。メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手を応援しにカリフォルニアを訪れる日本人が多い今、そこからちょっと足を延ばせば満喫できる、ルート66ゆかりのスポットを巡ってきたのでご紹介。まずは東に向かい、都市文化と大自然が交錯する避寒地、パームスプリングスの町に寄り道です。

まもなく100周年のルート66を巡るカリフォルニアの旅

イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまで、アメリカを東西に貫く全長2347マイル(3755km)の道が「ルート66」(国道66号線)だ。1926年に制定されて以来、アメリカの大動脈としてのみならず、「憧れの西海岸」へと至るアイコニックな道として、映画や音楽などのポップカルチャーでも愛される存在だった。やがて、旧来の国道にかわってインターステート(州間高速道路)が整備されたことで1984年にいったん廃線となったものの、各地で復興運動がまき起こって「Historic Route 66」として復活を果たしている。

かくいう筆者も学生時代に大量の映画、音楽、小説などを通じてルート66への憧憬を刷り込まれてしまったひとり。自動車メディアに携わるようになり、AMWでも佐藤 圭氏による「ルート66旅」連載を担当したりしたものの、自身はLA周辺のクルマイベントなどを取材したことはあっても、ルート66自体は未経験のままだった……。

そんなルート66が2026年に100周年を迎えるということで、現地では道やスポットの整備が進行中で、早くも機運が高まっているという。そこで今回、カリフォルニア観光局のメディア向けプレスツアーに便乗する機会を得て、念願のルート66参りを果たすことになったのだった。

旅の相棒はハーツ・レンタカーのシボレー サバーバン

ロサンゼルス国際空港(LAX)に昼に到着し、旅のメンバーと合流。現地在住でアテンドを担当してくれるAkiraさんが運転してきたのは、ハーツ・レンタカーからレンタルしたシボレー「サバーバン」の最新型だ。現行型で12代目となるアメリカン・フルサイズSUVの定番だが、日本で見かけることはほぼない存在。エンジンはもちろんV8 OHVだ。

この旅の大雑把なルートとしては、カリフォルニアとアリゾナの州境にあるルート66の町「ニードルス」を目指しつつ、その前に絶対に寄り道したい大自然スポット「ジョシュアツリー国立公園」へ。初日はLAXを午後に出発なので、さらに手前にある「パームスプリングス」の町で1泊するというプランだ。

コロナ禍を挟んで数年ぶりに訪れたカリフォルニア。巨躯のサバーバンに6名乗車して東へ走りながら車窓から見えるのは、当たり前ながら、アメ車がいっぱい! ジープ「ラングラー」はもちろん、大型SUVやピックアップトラック、フォードやダッジ、RAMなど日本で売られていないクルマがたくさんいて、いやがうえにもテンションが上がる。

ホンダ「シビック」やトヨタ「スープラ」といった国産車や、日産「ローグ」のような北米専用モデルも多い一方、ヒョンデやキアといった韓国車の比率が大幅に高まっているのも印象的だった。

マリリン・モンローも愛した町、パームスプリングス

LAXからパームスプリングスまではクルマで約2時間。近づいていくと、車窓に風力発電の大きな風車が森のように立ち並ぶ風景が広がる。ここ「ウィンドミル」には約2000基もの風車が密集しているとのことで、サスペンス映画『セブン』のラストシーンが撮影されたスポットでもある(明るいシーンではないけれど)。

市街地に入るとヤシの木(パーム)が並ぶリゾート地といった雰囲気で、元はといえばその名の通り温泉(スプリングス)が多く湧いていて、ネイティブアメリカンたちが使っていたそうだ。やがてLAからほどよい距離の避寒地として、マリリン・モンローはじめハリウッドのセレブリティたちの別荘が数多く建てられた。そのため、ところどころにミッドセンチュリーの建築が残っているのもポイントだ。

そして中心部のダウンタウン・パークには、高さ約8mの巨大なマリリン・モンローの像が。映画『七年目の浮気』の有名なシーンを再現して「フォーエバー・マリリン」と名づけられたこの像、2024年まではパームスプリングス美術館の正門前にあったのだが、「出入りする時にスカートの中がまる見え」との苦情が相次いだため、最近移設されたのだそうだ。

砂漠のアートフェス「デザートX」を見て回ろう

また、パームスプリングスを含むコーチェラ・バレーの地域では2年に1回、砂漠を舞台としたアートフェス「デザートX コーチェラ・バレー(Desert X Coachella Valley)」が行われているのも特色。砂漠の各所にアーティストたちの作品が展示されて、それを巡って鑑賞するのも楽しい。展示プレートに印刷されたQRコードから詳細な情報にアクセスできるのが、今どきだ。

ちょうど2025年は3月8日~5月11日の開催で、今回パームスプリングス付近の数カ所を見て回ることができた。期間終了後も展示されている作品もあるので、パームスプリングスに寄ったらもろもろチェックしてみるといいだろう。

初日の夜はパームスプリングスの隣、カセドラルシティにある「パロマ・リゾート(The Paloma Resort)」に宿泊。大きなプールやスパを備えた施設で、サボテンなどこのエリアの自然を象徴する絵が描かれた部屋が明るく鮮やか。夕食は敷地内のスペイン料理店「ソル・イ・ソンブラ(Sol y Sombra)」でタパスやパエリアを。デーツ(ナツメヤシの実)など、地元の食材を使って鮮やかな味わいだった。

熱気球から見る広大な大地にはプライベート・サーキットも!

2日目は暗いうちに起きて移動開始。早朝の熱気球体験ができるというのだ。集合場所に行くと、シャトル便のフォード「トランジット」が待っていた。4列15人乗りのトランジットに他のお客と乗り合わせて移動するシステムだ。

なぜ、土地なら余るほどあるようなエリアなのにスタート地点に集合しないのか? それは熱気球が風まかせに飛んでいき、その先で安全な場所を見つけて着陸するためだ。空飛ぶ熱気球を地上チームがシャトル車で追いかけて、降りた先でお客を回収して元の集合地点に送り届けるのである。

フライト開始の地点に着くと、トランジットを運転していたおじいさん、スティーブさんが熱気球のパイロットだと知ってびっくり。聞けば、この「ファンタジー・バルーン・フライツ(Fantasy Balloon Flights)」という事業を家族経営でかれこれ40年以上も続けているという超ベテランだった。

巨大なバーナーで中に熱気を送り、熱気球が起き上がると、10人ちょっと入るカゴにお客をのせて浮き上がった。熱気球は初めてだったが、想像と違って揺れはほとんどなく、とても安定した飛行だ。

飛ぶ前に、高度が上がるから上着は必要? と聞いたところ、むしろ暑くなるから薄着推奨とのこと。この日は雲もなく晴れていて日差しが強いこともあったが、なにより、頭上のバーナーが結構な熱を発しているので、ずっと暖かいのだ。

ゆっくり朝のコーチェラ・バレーを飛びながら、眼下には街並みやヤシの木のファーム、小さな飛行場、煙を立てて畑を耕しているトラクター、さらにはプライベート・サーキットまでが流れていく。広大なアメリカに来ているのだと実感する瞬間だった。

スティーブさんの熟練の運転で無事に着陸し、シャンパンで乾杯して解散。

シャトル便で最初の集合地点に戻ったら、そこにある「シールズ・デーツ・ガーデン(Shield’s Date Garden)」で朝食をいただいた。ステーキ&エッグスで朝からガッツリと牛肉。体の細胞も少しずつ、アメリカに順応していく気がした。

腹ごしらえをしたら、いよいよ本格的な砂漠地帯へと出発だ。

■Visit California(カリフォルニア観光局)
https://www.visitcalifornia.com/jp/

■Visit Greater Palm Springs(グレーターパームスプリングス観光局)
https://www.visitgreaterpalmsprings.com

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