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ランボルギーニ「カウンタックLPI800-4」の相場は約2億7180万円から?112人に選ばれなかった人は今が買い!?

190万ドル~240万ドル(邦貨換算約2億7180万円~3億4335万円)で現在も販売中のランボルギーニ「カウンタックLPI800-4」(C)Bonhams

新車価格は3億円!落札されるのはまだまだ厳しいのが現状?

2025年5月3日、ボナムズがアメリカで開催した「The Miami Auction」オークションにおいてランボルギーニ「カウンタックLPI800-4」が出品されました。1971年のジュネーブショーで発表されたLP112(のちのカウンタック)のデビューから50周年を記念して2021年に112台限定で販売されたのが、今回出品されたカウンタック LPI 800-4です。

2021年は「カウンタック登場」から50年

ランボルギーニが、1971年のジュネーブショーでミウラの後継となる新型12気筒ミッドシップの「カウンタック」。そのプロトタイプを公開したときの衝撃は、おそらくは現在では想像もできないものだっただろう。

ちなみにカウンタックとは、イタリアのピエモンテ地方で使われる方言、「クンタッシ」に語源が得られたものである。それは驚きを表す感嘆詞のひとつであるという。

カウンタックはかのマルチェロ・ガンディーニがデザインした、ウェッジシェイプの極みともいえるボディデザイン。くわえて、新たなV型12気筒エンジンの搭載方法を提案するなど、当時としては驚きに満ちた1台だった。

そのデビューから半世紀が経過した2021年、ランボルギーニはそれを記念するアニバーサリーモデルを発表する。同年の8月13日、世界中から多くのカーエンスージアストが集まることで知られる、アメリカ・カリフォルニア州モントレーを中心に、いくつものカー・イベントが集中するモントレー・カー・ウイーク。なかでも、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスと並んで格式の高いコンクール・イベント、「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」において、カウンタックの最新版ともいえる「LPI800-4」が初公開されたのだ。

生産台数はプロジェクト名に基づき112台のみ

生産は112台の限定で行われると発表された。その限定台数の理由は、カウンタックが12気筒エンジンをランボルギーニの歴史で縦置きミッドシップした1号車を意味する「LP112」と名付けられた開発プロジェクトの数字なのである。同時にランボルギーニの未来像を示すモデルであることも、発表時には強くアピールされた。

エンジンはV12気筒+ハイブリッド

カウンタックLPI800-4の開発をリードしたのは、もちろん現在のランボルギーニを支えるメンバーたちだ。当時最高技術責任者だったマウリツィオ・レッジャーニは、キャビン部分にカーボンファイバーを用い、その前後にアルミニウムのサブフレームを接合。パワーユニットは、ランボルギーニ初のハイブリッドカーとして先に誕生していたシアンFKP37から受け継がれた。

6.5LのV型12気筒自然吸気エンジンを核に、さらに48Vの電気モーターを組み合わせる。システム全体の最高出力は814ps、最大トルクは720Nmに達し、7速ISRから出力されたトルクは4輪のすべてに伝達される。かつてカウンタックを設計したパオロ・スタンツァーニは、それに4WDの駆動方式を与えたかったと語っていたが、その夢はプロトタイプの発表から50年の時間を経てようやく実現したのだ。リチウムイオン電池ではなく、より軽量で高出力、そして電気の入出力が速いスーパーキャパシタを装備しているのも、このモデルの大きな技術的特徴であった。

ランボルギーニらしい挑戦的な雰囲気に満ち溢れたデザイン

一方ボディデザインは、現在もランボルギーニのチェントロ・スティーレ(デザイン・センター)を率いる立場にある、ミティア・ボルケルトの手によるもの。現代のランボルギーニにも通じる六角形のアイコンを始め、初代の生産型カウンタックLP400などからもさまざまなモチーフを得て完成された。ランボルギーニらしい挑戦的な雰囲気に満ちあふれている。安全基準の関係でリトラクタブル方式のヘッドランプが備えられなかったのは、唯一残念なところといえるのかもしれないが。

乾燥重量で1595kg、最高速では355km/hを可能にするという、カウンタックLPI800-4。今回のマイアミオークションは、それを手にするための絶好の機会だったわけだが、ボナムズの示した予想落札価格、190万ドル~240万ドル(邦貨換算約2億7180万円~3億4335万円)には、さすがに手の届くビッターは存在しなかったようだ。今後再びこのモデルがオークションシーンへと導かれ、ある程度の相場が定まるまでは、落札されることはなかなか難しいというのが実感ではないだろうか。

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