新たな定宿候補探しと燃費を気にしながらの移動
ドイツ在住でモータースポーツを取材している池ノ内みどりさんは、WEC(FIA世界耐久選手権)の取材のためベルギーのスパ・フランコルシャンへ出発しました。愛車でドイツのアウトバーンをひた走る約640kmの道のりには、意外な発見や小さな出来事がありました。
約640kmの道のりはアウトバーン経由で快走
2025年も5月に入り、一気に木々が芽吹いて美しい新緑の季節になりました。それと同時にサハラ砂漠の砂が再び飛んできて、ママチャリが砂と花粉まみれになってしまいました。WEC(FIA世界耐久選⼿権)の取材は、イタリア・イモラの次はベルギーのスパ・フランコルシャン。スパへは毎年2~3回は行くのですが、2025年初のベルギーへの旅です。
片道は約640km。先日のイモラサーキットと同じような距離感ですが、スパはドイツ国境からかなり近いのです。したがって、道中のほとんどはドイツのアウトバーンを通過するためイモラよりもずいぶん早く到着します。
私の住むミュンヘンからはいくつかのルートがあり、複数のアウトバーンの路線を乗り換えながらベルギーへ向かいます。マンハイムを越えてしばらくすると、とても空いているうえ速度制限解除区間が多い路線になり、なだらかなカーブやアップダウンが続きます。トルクのある愛車では、とても楽しいドライブとなります。
最近少し値下がりしているガソリンの価格ですが、少し前にはドイツのレギュラーが1リッター400円に届きそうになったこともありました。それ以来、金銭的な理由であまりアクセルを踏み込むことはなくなりました。ガソリン代を気にしながら走らなければならないなんて、ケチくさくて自分でもイヤになります(苦笑)。
取材前日のルーティンをこなし、新たな民泊へ
ドイツ領からそのままアウトバーンを通ってベルギーに入ります。ベルギーのアウトバーンの速度制限は120km/hなので、気を付けなければなりません。しかし、ドイツと同様にベルギーも普通乗用車の通行は無料なので嬉しい限りです。
ベルギーまでの道中では、通常ならばいくつかのアウトバーン渋滞ポイントがあるのですが、その最初のポイントであるシュトゥットガルトでは、新しそうなメルセデスAMGのツーリングワゴンが追突されたようで、ボディの後ろがグニャグニャになっている事故渋滞がありました。とはいえ、いつもの激混みのシュトゥットガルトを想定していたので、案外空いていて拍子抜け。ほかにも長期間の大工事中のプフォルツハイムの前後は案の定大渋滞でホッケンハイムやマンハイムを超えるまでは結構な交通量でしたが、この日は全般的にスムースにベルギーまで到着しました。
到着したこの日はメディアセンターで席を確保したり、ロッカーを借りたりと翌日からのフリープラクティス取材に向けての準備をささっと済ませました。その後、燃料が10数km分しか残っていなかったのでガソリンスタンドで給油し、スーパーマーケットの閉店30分前に少し買い物をして宿へ向かいました。
以前ベルギーでは定宿のペンションがあったのですが、オーナーさんが亡くなり、息子さんが継がれたものの残念ながら閉鎖されてしまいました。現在は新たな定宿を開拓中です。今回はサーキットから約30kmほど離れているものの、安くて清潔そうな民泊を発見し、お試しで泊まることに。ドイツ国境にほど近い村で、サーキットへ向かう途中に通った道を引き返して再びドイツに戻ってきたのでした。
