サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

モデル末期の現行型マツダCX-5のディーゼル車を1300km走って再チェック!リッター20kmを記録

マツダCX-5XD ドライブエディション:新設定されたXDドライブエディション

新型では設定のない現行型ディーゼル車の実力を再チェック

2025年7月にマツダ新型「CX-5」の欧州仕様が登場し、日本国内市場は2026年春に導入予定と言われています。もう現行モデルはこのままフェードアウトかと思いましたが、10月9日にディーゼル車のXDに新グレード「「XD ドライブエディション」を設定されました。新型ではラインアップされないというディーゼルエンジンですが、今後中古車市場では主力となるはずなので、ロングドライブをして再確認しました。果たして現行型CX-5は新車と中古車「どちらが買い!」なのでしょうか。

新グレード「XD ドライブエディション」は上位グレードと同装備で約10万円安

2025年7月10日、マツダは3代目となる新型CX-5を世界初公開した。新型CX-5は、初代モデルから継承しているデザインや走行性能をさらに進化させつつ、一新したヒューマン・マシン・インターフェイスをはじめ、強化・拡充された通信機能やアプリケーションを採用。そして先進の運転支援システムなどをアップデートし、すべての乗員が安心・安全・快適にドライブを楽しむことができるクルマを目指している。気になる発売時期は、欧州では2025年末、そして日本を含むそのほかの市場が2026年中を予定している。

新型が発表されたことにより、2代目となる現行CX-5はこのまま何の手も入れられずに販売終了……と思っていたら、10月9日ディーゼルエンジンを搭載したXD(クロスディー)にスポーティで上質な新グレード「XD ドライブエディション」の追加を発表。同時にグレード構成の変更も行われた。

新グレードの「XD ドライブエディション」は、ピアノブラックのドアミラーをはじめ、ブラッククロームのシグネチャーウィング、縦基調/ピアノブラックのフロントグリル。そして19インチのブラックメタリック塗装のアルミホイールを標準装備して、車両本体価格は2WD車(FF)が390万1700円、4WD車は413万2700円となっている。

また、XDスポーツアピアランスの価格変更が行なわれ、2WD車は390万600円から385万円、4WD車が413万1600円から408万1000円と値下げされた。さらにレストスポーツエディションやフィールドジャーニー、エクスクルーシブモードなどは廃止されている。

XD ドライブエディションは、シート材質にナッパレザーを使用し、運転席&助手席のシートヒーター&ベンチレーション、そしてリアシートにはシートヒーターを備えている。これらの装備から従来のエクスクルーシブモードからの名称変更と言える内容だ。ちなみにエクスクルーシブモードの価格は2WD車399万4100円、4WD車422万5100円だったので、XD ドライブエディションは装備同等で約10万円安くなっていて非常に魅力的なグレードといえるだろう。

2016年の登場から小変更を繰り返し2021年に2度目の大幅改良を実施

新型CX-5にはディーゼルエンジンの搭載予定がないという噂なので、2.2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載したCX-5でロングドライブを行い、その実力のおさらいを行うとともに、現在の中古車事情について紹介する。

2代目となる現行型CX-5は2016年11月に発表され、2017年2月より販売開始。デビュー当初は、2L/2.5L直列4気筒ガソリンエンジンと2.2L直列4気筒ディーゼルターボの3種類だったが、2018年~2021年まで2.5L直4ガソリンターボエンジンが設定されていた。組み合わされるトランスミッションは6速ATを中心に2.2L直4ディーゼル車に6速MTを設定。駆動方式は全グレードで2WDと4WDを選ぶことができた。

現行型CX-5は毎年のように一部改良を行っているが、2018年そして2021年に大きな商品改良を行っている。2021年11月に行った2度目の大幅改良では、外観の変更とともに走行性能ではマツダ3から採用している車両構造技術「スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャ」の考え方を取り入れ、長時間運転しても疲労感の少ない運動性能を目指すと同時に快適性・静粛性も向上させている。

走行シーンに応じてスイッチ操作ひとつで任意に走行モードを切り替えられる「マツダ・インテリジェント・ドライブ・セレクト(通称ミードライブ)を新採用。マツダらしい人馬一体感をオンロードからオフロードまで余すことなく味わえるようになっている。

また、SUVの機能性として重視される荷室のフラット化や防水加工により使い勝手が向上しただけでなく、ハンズフリー機能付きパワーリフトゲートを新設定。アウトドアだけでなく、日常の買い物などにおける利便性を向上させている。

運転支援システムでは、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)の進化やクルージング&トラフィック・サポート(VTS)を採用し、安心・安全で快適な運転をサポートしてくれる。中古車で狙うとすれば、2021年11月の2度目の大幅改良後のモデルを中心に狙いたい。

高速道路では20km/Lを記録!1300kmのトータル燃費は19.1km/L

今回試乗したのは、CX-5 XDの2WD車(FF)。燃費性能はWLTCモードで17.4km/Lとなっている。大阪での取材を兼ねてロングドライブテストを行った。ところが往路は台風接近にともなう悪天候と重なったため、本来の東名高速〜名神高速ではなく、関越道から上信越道、北陸道を経由して大阪へ向かう約740kmというルートを選択した。

台風の影響で、東京を出発して長野ICまでは台風の影響でかなり強い雨のなかでの走行となり、対向車の跳ね上げた水によって数秒間視界が遮られるような状況もあった。しかしCX-5のマツダ・レーダークルーズ・コントロール(全車速追従機能付)は一度もキャンセルされることもなく、しっかりとサポートしてくれた。この性能の高さは悪天候だからわかった。

東名高速・名神高速ルートと比べると、200kmくらい距離が長くなったものの、燃費計で18.9km/Lを表示し無事に大阪まで1タンクで走破。そして復路は大阪から名神高速を経由し、8月30日に本巣IC~大野神戸ICが開通したばかりの東海環状道を養老JCTから豊田東JCTまで約120kmを走行。そして新東名高速・東名高速で東京を目指した。

東海環状道はまだ、養老JCT~いなべJC間が開通していないが、中央道や東海北陸道から関西または東京方面への抜け道となった。土岐JCT~豊田東JCT間は片側2車線だが、そのほかの部分はほとんどが1車線で制限速度は時速70km。ただしアップダウンが少ないため、一宮JCTの渋滞を避けるためだけでなく、燃費を向上させるためには効果がありそうだ。

往路は悪天候のなか巡航速度が抑えられていたといえ、アップダウンやカーブの多い上信越道を走行していても、運転支援機能のサポートは非常に自然で、自分が運転しているかのような錯覚に陥った。先行車に追いつき、抜く時の再加速の際のタイムラグは少々気になったが、最新モデルとそれほど差はないように感じる。約550kmの復路の燃費は20.0km/Lを達成し、今回の約1300kmのロングドライブの燃費は19.1km/Lという結果となった。なにより大幅なルート変更があっても、燃料代は1万1200円で収まったのは、CX-5に搭載されている2.2L直4ディーゼルターボエンジンの実力は色褪せていないことがわかった。

加えて、高い走行&燃費性能、運転支援機能とともに、CX-5の実力の高さを感じたのはシートの素晴らしさ。2日で1300km走行したももの、腰やお尻などまったく痛みが出なかった。シートの形状はもちろん、ペダルの位置などドライビングポジションにこだわったマツダの実力を改めて認識できた。

現行モデルの中古車なら大幅変更を行った2021年以降がオススメ

現行型のCX-5はまだ新車の購入が可能だが、割安な価格で手に入る中古車に触手が伸びる。中古車は約2800台と豊富だ。しかし、現行型CX-5はモデルライフのなかで大幅な改良が2度加えられており、狙うのならば2021年11月の大幅改良後だ。

現行型CX-5の中古車を2022年式以降に絞っても約1200台と非常に豊富だ。ただしCX-5は新車価格が最上級グレードとエントリーグレードで約176万円差があるので吟味する必要がある。流通台数では、ディーゼルエンジンを搭載したXD スポーツアピアランスがもっとも多く、XDブラックトーンエディションそしてXDエクスクルーシブモードが続く。

そのなかで、もっともバリューが高いのはXDエクスクルーシブモード。ナッパレザーを採用した本革シートをはじめ、高級オーディオなど快適装備が満載。これを本命グレードとしたい。

新型が登場すると、旧型モデルの中古車相場は下がる傾向となるが、人気のディーゼルエンジンの搭載予定がないとなると、絶版車となったCX-8のように高年式現行型CX-5のディーゼルエンジン搭載車の人気は安定傾向が続く可能性が高い。

モバイルバージョンを終了