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【試乗】改めてメルセデスGLBに乗ったら驚いた!最新SUVと比較しても第一級の仕上がり

メルセデス・ベンツ GLB 200 d 4MATIC アーバンスターズ

熟成極まった超実用車の真価

2025年夏、メルセデス・ベンツGLBに新たな仕様「アーバンスターズ(Urban Stars)」が追加されました。これまでオプションだった装備が標準化され、さらに快適性を高めたのが大きな特徴です。今回は、このメルセデス・ベンツ「GLB 200 d 4MATIC アーバンスターズ」が実際の走りでどのような魅力を見せるのかを確かめるべく、街中から郊外まで幅広いシーンで試乗してみました。

販売力に衰えを感じさせないメルセデス・ベンツSUVの人気度

現行のメルセデス・ベンツGLBが日本市場にお目見えしたのは2020年6月である。すでに5年以上のモデルライフを経ている。ところが、JAIA発表の2024年1〜12月の外国メーカー車モデル別新車登録台数順位のデータによれば、GLBは4位/6142台。人気SUVモデルとして依然、存在感を示している。ちなみに同データでは、GLCがさらに上の2位(7074台)、そしてあのGクラスも7位(5573台)に入っている。メルセデス・ベンツのSUVは強力である。

GLBに話を戻す。今回試乗したのはGLB 200 d 4MATICの、2025年8月に追加された仕様「Urban Stars」である。Aクラス系の各モデルにも設定された同名の仕様に準じて、本革シートを含むAMGレザーエクスクルーシブパッケージやAMGラインパッケージといった、これまで有償オプション扱いだった装備を標準装備する。また、このGLBではアダプティブダンピングシステム付きサスペンションも標準化されている。

改めて実車に接してみると、まず実感するのは扱いやすさだ。全長4660mm×全幅1845mm×全高1700mm、ホイールベース2830mmというサイズ感は日常使いにも抵抗感なく馴染む。しかも最小回転半径が5.5mだから、じつに扱いやすい。その意味で言えば、メルセデス・ベンツというとまずエンブレム(=ブランド)に目が行きがちだが、じつはまさに超実用車である。

もちろん内装の仕上げも入念であることは実際に使うと実感する。GLBならではのサードシートは、シートそのものの造りがかなり堅牢であることが扱ってみるとわかる。ヘッドレストも使用状態まで引き上げると、最終的な使用状態で微妙に角度が起き、少しでも適正に機能するよう配慮している。サードシートは身長168cmまでが推奨とのことだが、外観から想像するほど“押し込められた感”がない。

また、セカンドシートはサードシートと同時使用時にフロントモーストまでスライドさせても、大人でも着座状態でヒザ前には十分な余裕があるほどだから、じつに実用的だ。

標準装備化したサスが心地よい乗り味を提供

一方、シートアレンジは、セカンドシートの背もたれが40:20:40の分割になっており利便性が高い。ラゲッジスペースは3列を使用したピープルムーバー状態ではさすがに必要最小限である(とはいえGLBのクラスで3列シートであることは貴重だ)。だが3列目を折り畳めば奥行910mm(=筆者実測値)に広がり、スッキリとキレイにフラットになる様子は美しく、荷物を乗せずにしばし眺めていたくなるほどである。背もたれの展開、折り畳み時に「チャッ!」と立つラッチが噛む音も、たとえばズドンと重々し過ぎず、いかにも精度が高そうな心地いい音だ。

肝心の乗り味だが、これはもう、乗れば乗るほど身体が馴染んでいく、と表現すればいいだろう。導入から5年経ったということもあり、よく言われる“熟成極まった”を地で行くような出来のよさは、その後に登場した内外のライバル車に対してもまったく遜色がない。とくにボディから足まわりまでが一体となっての剛性感は相当に心地よい。同時に1860kgの車重のSUVタイプながら、クルマとしての全体のバランスがいささかも破綻していないのもさすがである。試乗車はアダプティブダンピングシステム付きサスペンションということもあり、速度を問わず快適な乗り心地と安定感を保ってくれるのがいい。

パワートレインは最高出力150ps(110kW)、最大トルク320Nmを発揮する2L直列4気筒ターボである。このターボは可変タービンジオメトリー採用ということもあり、全域のトルクフルさを売りとしている。実際の走りはまさにその威力が自然に発揮されており、スムースな出足や街中での加速、速度を高めていった際の十分な頼もしさなど、フレキシブルで運転のしやすい特性が魅力に思えた。パワートレインそのものの音や振動もまったく気にならないレベルである。当然、どんな場面でもふるまいが自然で、快適で安心感の高いドライバビリティを味わわせてくれた。

正直なところ、5年前に最初に現行GLBに試乗したときにここまで感銘を覚えた記憶はなかったのだが、改めて試乗すると、今の感覚からしてもベスト・イン・クラスに思えた。島﨑七生人にメルセデス・ベンツが似合うかどうかの話は別にして、今、もしも自分で乗るSUVを選ぶとしたら候補の筆頭に挙げたいクルマである。

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