HKSの情熱を綴った「KYOSHO MINI CAR & BOOK」が1月17日発売
ラジコンから精巧なモデルカーまで、クルマ好きの心をくすぐるアイテムを幅広く展開するホビーメーカーの京商。そのなかでも、ミニカーと小冊子をセットにした人気シリーズ「KYOSHO MINI CAR & BOOK」は、多くのファンに支持されています。その第25弾として、「KYOSHO MINI CAR & BOOK No.25 HKS SKYLINE GT-R Gr.A 1993」が登場。ファミリーマートの一部店舗にて2026年1月17日(土)より発売されます。
ミニカーと冊子であの頃の興奮を振り返る
「KYOSHO MINI CAR & BOOK」は、国産スポーツカーからスーパーカー、レーシングカー、さらには商用車に至るまで、多彩なラインナップを世に送り出してきた。小冊子ではミニカーとなった車種の「ヒト・モノ・コト」にスポットを当てた記事が掲載され、ミニカー販売の枠を超えたヒット商品となっている。
今回主役を飾るのは、HKS SKYLINE GT-R Gr.A(1993年仕様)だ。1985年に幕を開けた全日本ツーリングカー選手権(JTC)は、市販車ベースのグループA規定によって、メーカーの技術力と意地が真正面からぶつかり合う熱い舞台となった。
日産が1990年にR32型スカイラインGT-Rを投入すると、デビュー戦から最終戦まで、全6戦でポールポジションと優勝を独占。その圧倒的な速さは1991年以降も衰えることなく、ライバルたちを次々と撤退へ追い込んでいった。結果として、トップクラス(ディビジョン1)はR32 GT-Rのワンメイク状態となり、以降4シーズンにわたって29戦29勝という、まさに前人未到の金字塔を打ち立てたのである。
プライベーターが魅せた「情熱」でつかみ取った優勝
その驚異的な強さを誇ったR32勢のなかで、ひと際輝きを放ったプライベーターがいた。総合チューニングパーツメーカーの「HKS」だ。彼らは1992年から、日産自動車のR32型スカイラインGT-Rを擁し、「HKSレーシング」としてグループAへの挑戦を開始。マシン名は『HKSスカイライン』と名付けられた。
スカイラインGT-RのグループAマシンは、日産によって開発され、エンジンは関連会社の日産工機で開発。その技術を受けたNISMOがマシンを製作して、各チームに販売していた。つまり、R32スカイラインGT-RのグループAマシンは、NISMOによってマシンはイコールコンディションで供給され、ある意味ワンメイクレース状態になっていたわけだ。
ところが、レーシングカーなどの開発の経験をもつHKSは、独自にスカイラインGT-R(RB26DETT型エンジン)用のパーツを開発して、それ使ってチューニング。日産や日産工機に比べれば、チューニングメーカーのHKSとはいえども規模とすればプライベーターであったわけだ。
そのようなプライベーターHKSがメーカーワークス勢を相手に、1993年にはポールポジションを2度獲得。第3戦のSUGOではついに優勝を成し遂げた。まさに「台風の目」として幾度となく1クラスのGT-Rバトルを盛り上げたその姿は、今も多くのファンの記憶に刻まれている。
「メーカーでなくても、技術と情熱があればGT-Rで勝てる」
その事実を実証し、当時のレース界に大きな衝撃を与えたマシンこそ「HKSスカイライン」なのである。
1/64スケールでどこまでGr.Aマシンを表現できるか?
今回の「KYOSHO MINI CAR & BOOK No.25」でもっとも注目したいのは、HKS GT-R特有のカモフラージュカラーの再現度だ。1/64という限られたスケールのなかで、迷彩柄の境界線や色味のトーンが破綻なくまとめられ、遠目から見ても「HKSのGT-Rだ」と直感できるほどの完成度を誇る。
グループA車両は改造範囲が厳しく制限されていたため、個性を出すようなエアロパーツが装着されていない。だからこそ、このモデルでは市販車とグループAマシンの違いを正確に魅せる必要がある。フロントやリアの表情、サイドマフラーの取りまわし、アルミホイールの質感、そして室内のロールケージに至るまで、4950円という価格を考えれば、驚くほど丁寧に作り込まれグループAマシンを表現している。
「小さいから仕方ない」という妥協は微塵も感じられない。むしろ「1/64でどこまで本物に迫れるか」といったところに注目してほしい。
ライトが灯る「MOTNシステム」という遊び心
さらに、このモデルには京商独自の「MOTN(モトン)システム」が採用されている。これは別売りの「MOTN LEDベースシステム」と組み合わせることで、ヘッドライトとテールランプを点灯させることが可能となる。
点灯ギミックは、子ども向けの玩具的な演出に見られがちだが、このGT-Rに限っては話が別だ。闇に浮かび上がるリアコンビネーションランプは、夜のピットロードで出番を待つマシンのような、レース車両ならではの「生々しい色気」を引き出してくれる。GT-Rを愛し、レースを愛する人こそ、この演出の価値を理解できるはずだ。
当時のドライバーや開発エンジニアまでを徹底取材
小冊子も、期待を裏切らない内容だ。レストア作業によって当時の姿を取り戻したHKSスカイラインの現在の様子はもちろん、実際にステアリングを握ったドライバーや、開発に心血を注いだエンジニアへの取材を通じて、マシンやレースの舞台裏までが丁寧に綴られている。
グループA時代の「29戦29勝」を振り返る企画や、HKSの歴代マシンが眠る秘蔵庫の紹介など、読み物としての純粋な面白さも追求されている。単なる「ミニカーのおまけ」ではなく、この一冊を通じてスカイラインGT-Rという存在をより深く、立体的に理解できるはずだ。ミニカー好きからクルマ好きになるきっかけを与えてくれるアイテムにもなってくれる。
価格は4950円。ミニカー単体で見れば決して安価とは言えないかもしれない。けれど、手に取った瞬間に伝わる完成度と、読み応えのある冊子がセットになっていることを考えれば、その価値は十分にある。なにより、このHKSスカイラインは、数あるスカイラインGT-Rのなかでも特別な、誇り高き1台なのだから。
■商品概要
KYOSHO Mini Car & Book No.25 HKS SKYLINE GT-R Gr.A 1993
□発売日: 2026年1月17日(土)
□販売: ファミリーマートの一部店舗
□価格: 4950円
