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前に日産と後ろにホンダと“ツインエンジン”のトヨタ「セラ」!合計出力は1000馬力

トヨタ セラ:実際のテストランでは「速すぎて、おっかなくてアクセルを踏み込めない」ほどの加速を見せたそうだ

専用設計された外装とボディ構造に注目

東京オートサロン2026で、トヨタ「セラ」をベースに前後2基のエンジンを搭載した魔改造車「双竜・第2形態」が公開されました。この車両は栃木県日光市のショップ「サーキット&ドリームスCLR」が製作し、フロントに日産SR20系、リアにホンダK20系エンジンを搭載し、合計出力は1000ps超とされています。2025年の東京オートサロンでは骨格構造のみで展示されましたが、2026年仕様では専用ボディを製作して展示されました。

ツインエンジンのスズキ カルタスの凄さに衝撃を受け製作

トヨタ セラをベースに、1000psオーバーのツインエンジンを搭載したモンスターマシンを発見した。その名は「双竜・第2形態」。じつは2025年の東京オートサロンにも登場しているが、当時はセラのコクピットのみを残して前後にパイプフレームを組みツインエンジン化させた仕様だった。今年は専用ボディを製作しフルカウル化させたため、「第2形態」として披露された。

この奇抜な発想の製作者は、栃木県日光市でドリフトに特化したショップとして有名な「サーキット&ドリームスCLR」だ。代表の渡辺拓郎氏は、AMWのインタビューに対し、製作のきっかけを語ってくれた。

「このクルマを作ろうと思ったのは、今から35年ほど前の1990年代に、モンスタースポーツがパイクスピーク・ヒルクライム(アメリカで開催される標高差1400m超の山道を登る公道レース)参戦用に手掛けたツインエンジンのスズキ カルタスの凄さに衝撃を受けたからです。当時の自分は独学でクルマいじりを楽しむプライベーター。そんな時に現れたモンスターマシンは、スタイルもカッコ良く、フロントとリアそれぞれに別系統のエンジンを搭載するという突拍子もない発想に心を奪われてしまいました。その憧れは消えることなく、いつかは自分もあんなマシンを作ってみたいと思い続け、試行錯誤を繰り返しながら完成させたのがこのクルマなのです」

ボディの選定からシステムの構築まで、すべて自ら設計・製作した渡辺代表。ベース車にセラを選んだ理由は、深い意味があるかと思いきや「ドアが上に開いてカッコ良いから」というシンプルなものだ。そして、双竜・第2形態のエンジンは、フロントにニッサン・SR20VET(SR20VEヘッド仕様のターボ)、リアにホンダ・K20Aボルトオンターボを横置きで組み合わせている。トヨタのボディにニッサンとホンダのエンジンを搭載するという、国内メーカー3社を融合させた構成もユニークだ。

「何事にも新しいことにチャレンジするのが好きなんです。かつてのモンスタースポーツのマシンは、同じエンジンを前後に搭載していました。だから、新しく作るなら世界初だと思われる『前後で違うエンジン』での製作に挑戦したかったんです。人のマネはあまり好きではないので」

前後で異なる2基のエンジンを搭載した車両構成

フロントのSR20VET仕様は、86φ(ピストン直径86mm)鍛造ピストンにH断面コンロッド、パルサーVZ-R用カムなどを組み込み、トラストのTD07-25Gタービンをセット。最高出力は550psを発揮する。

一方、リアのK20Aは、ワイセコ製86φ鍛造ピストンにH断面コンロッド、戸田レーシング製296度カムを投入したボルトオンターボ仕様で、タービンはフロントと同じTD07-25Gだ。パワーバランスを考慮し、最高出力はフロントに近い500psに調整されている。それぞれのエンジン制御は、フロントがMoTeC(モーテック)M800、リアがM400で完全独立制御。コクピットにはスタートスイッチやメーター類が前後用で個別に用意されている。

また、シフターはK Sport製ビレットショートシフターを使用し、Hパターンの操作で前後のMT(マニュアルトランスミッション)が同じギヤに入るようリンケージを自作。さらにアクセルやクラッチペダルも同調させるための工夫が凝らされている。エンジン搭載以上に、この同調作業には苦労の連続があったという。その甲斐あって、現在のシステムはほぼ完璧で、実際に走行も可能だ。

すでにサーキットテストも行っているが、その加速はプロドライバーをも驚かせるほどの速さだ。あまりに速すぎるため、コントロールのしやすさを考えると走るステージは限定されそうだと渡辺氏は説明する。

最後になったが、外装にも注目したい。この戦闘的なフォルムは大型3Dプリンターを駆使し、渡辺氏が思い描くスポーツカー像を形にした姿だ。かつてのセラの面影はガルウイングのキャビンまわりのみに残し、それ以外は無骨な力強さを表現するパネルで構成。まさに謎のスポーツカー、異色のモンスターマシンとして特別なオーラを放っていた。

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