FN2型タイプRユーロにそっくりなシビック!?
日本未発売の5ドアハッチバックはFK2型だった
2009年に2010年仕様のFN2型シビック タイプRユーロが2010台輸入されました。翌年、好評だったためにさらに1500台を追加で導入しました。しかし欧州ではFN型3ドアハッチバックとFK型5ドアハッチバックモデルが設定されていたにもかかわらず、日本では未発売だったのです。そんな「幻のシビック」をたまたま中古車サイトで発見し、即購入を決めたのがYHさんです。決め手は右ハンドルで乗れる6速MTと、「知る人ぞ知る」絶妙な希少感でした。しかし日本で販売されなかった以上、専用パーツの入手が不安になるのも当然です。それでも長く乗り続けたいオーナーの本音を聞いてみました。
日本と北米にFD、欧州にFN/FKシビック導入
FK2型ユーロシビックをあえて選んだ理由が…
ホンダ「シビック」は1972年の登場以来、名称を変えることなく販売が続けられている日本で二番目に古い小型車のロングセラーモデル(小型車で日本一歴史が古いのは1967年登場のトヨタ カローラ)だ。ある世代までは「シビックといえばFFハッチバック」というイメージが定着していた。それが変化したのが8代目のFD型である。
欧州では5ドアハッチバックモデルのFK型が設定されたものの、日本国内では販売されなかった。日本と北米用には4ドアセダンのFD型、欧州用にハッチバックボディのFN(3ドアハッチ)/FK(5ドアハッチ)モデルが導入された。ただ例外として、3ドアハッチバックの「シビック タイプRユーロ(FN2)」が、2010年にちなんで2010台を英国から輸入、それが人気だったためさらに1500台を追加して合計3,510台が販売されている。
その欧州限定で発売されていたFK2型シビック(FK1:1.4リッター/FK2:1.8リッター)の2007年式5ドアハッチバックモデルをたまたま中古車販売サイトで発見し、購入したのがオーナーのYHさんだ。ちなみにかなりややこしいのだが、日本で有名なFK2型シビックタイプRは、この次の9代目シビック末期に登場したモデルでこのFK2とは違うモデルなのである。
「FD型のシビックが日本で出た当時、日本にもFN/FK型ユーロシビックを導入しようという話を雑誌などで目にしていたんです。実際にヨーロッパを旅行したときに現地で走っているのをよく見掛けて、かっこいいなと思っていました。それでたまたま見つけたのが、右ハンドルでガソリンエンジンの6速MTを積んでいるこのクルマだったんですよ。日本仕様は5速しかなかったので、6速MTが好きな自分にとってはそれも決め手でしたね。知っている人が見ればわかるんですが、普段は誰も気づかないので、普通のクルマとして乗れるのもいいところですね」
実用性とスポーティさの絶妙なバランス
気になる部品供給とメンテナンスの今後
YHさんが購入した「1.8ES」は、SOHC(シングルカム)方式の1.8リッターエンジンと6速MTを組み合わせたグレードだ。パワーウィンドウ、フルオートエアコン、ガラスルーフ、ミラーヒーターなど装備が充実した、上から2番目のグレードにあたる。購入時はアイバッハ製のダウンスプリングが装着されていた以外は、ほぼオリジナルの状態の個体だったという。
FK2はFN2(タイプRユーロ)の影に隠れてあまり知られていない1.8リッターのガソリンエンジン搭載のモデルであり、欧州市場向けに専用開発された5ドアハッチバックモデルだ。タイプRユーロの6速ほどクロスレシオではないが、SOHCの1.8L i-VTECで約140PSのエンジンは低回転からトルクがあり、軽量なボディ(約1.2トン)と相まって街乗りから高速巡航まで非常にキビキビと走ってくれる。日本で正規販売されたFN2タイプRユーロとは一味違う、実用性とスポーティさのバランスが絶妙なモデルに仕立てられているのが、FK2の特徴と言える。
「クルマとして普通に乗れて、結構楽しいですね。エンジンの排気量がそこそこあるのでトルクもあって乗りやすいです。ちょっと心配なのが、このクルマがいつまで乗れるかということですね。一度ドアハンドルの調子が悪くなって、お世話になっているホンダカーズさんにお願いして交換してもらったんですが、そのときはたまたま国内純正部品があったのでよかったです。でも、その辺がちょっと気になりますね」
日本未導入モデルだけにパーツ供給が心配…
各部をリフレッシュしながら長く乗り続けたい
「クラッチを交換したくて英語のサイトで調べてみたところ、日本の国内向け5速仕様と同じ部品のようで、入手できそうな感じです。ただ、ボディパーツや、リアのパワーウィンドウレギュレーターが壊れたりしたら、そもそも日本に存在しないパーツなので、そこが心配ですね」
今後は不調のクルーズコントロールの修理や外観のリフレッシュを計画中だ。2000年代初頭の欧州車によく見られる天井の内装材(ルーフライナー)の垂れ下がり補修なども予定しているという。細かなリフレッシュを重ねながら、この希少な一台を長く乗り続けていきたいというのが、YHさんの願いだ。
