タイヤ交換こそ劇的に効くサーキット用チューニング! ポテンザ RE-71RZの驚愕進化を実感!!
クルマを速くする王道といえば、エンジンの出力向上や軽量化、サスペンションのチューニングなどが挙げられます。しかし、サーキット走行においてはもっとも手軽で劇的な効果をもたらすのは「タイヤ交換」であることを見落としてはいないでしょうか。今回は、レーシングドライバーの木下隆之氏が、2026年に登場したブリヂストンの新作スポーツタイヤ「ポテンザ RE-71RZ」と「アドレナリン RE005」を筑波サーキットなどで徹底テストを行い、そこから得られた驚愕の進化を伝えてもらいます。
タイヤ交換こそ手軽で劇的な効果をもたらす処方箋
クルマを速くする方法はいくつもあります。エンジン出力を上げる、軽量化を図る、サスペンションを煮詰める。どれも王道です。しかし、サーキット走行ではもっとも手軽で、しかも劇的に効く処方箋がタイヤ交換だという事実は、意外と見落とされがちかもしれません。
今回試したブリヂストンの新作「ポテンザ RE-71RZ」は、まさにその典型でした。
ステアリングを握った瞬間から、クルマの性格が変わったかのように感じられます。筑波サーキット1000で履き替えた直後のアタックだというのに、いきなり発動が早いのです。まだ路面温度が低い3月中旬にもかかわらず、ウォームアップの必要性をほとんど感じないほどでした。
踏ん張るのではなく、磁石のように路面に「吸い付く」独特のグリップ感で破綻する気配もない!?
グリップ感は実に独特です。従来の「踏ん張る」印象というより、「吸い付く」感覚です。路面の細かな凹凸をゴムが包み込み、磁石のように離しません。しかも剛性感は失われておらず、強い横Gを受けても破綻の気配がないのだから見事です。
リアタイヤの安定感も印象的で、4輪駆動の試乗車でもアンダーステア基調のままコーナーをクリアしていきます。かつて必要だったカウンターステアの場面が消えたことに、進化の大きさを実感しました。
タイム面でも効果は明白です。ドライで約1.2%の短縮。筑波サーキット1000で0.5秒もタイムを縮めたのですから、驚異的です。秒単位の短縮は、サーキットでは決定的な差になります。さらにウェット性能も向上しているというから驚きです。センターグルーブを減らしたパターン変更には一抹の不安もありましたが、柔軟なコンパウンドが濡れた路面にも密着するのでしょう。
小さな舵角からクルマが軽やかに反応する「アドレナリン RE005」が教えてくれる身近な楽しさ
いっぽうで同時に登場した「ポテンザ アドレナリン RE005」は、もっと身近な楽しさを教えてくれました。VW ゴルフGTIでジムカーナ風のコースを走ると、微小舵角から素直に反応し、クルマが軽やかに動きます。派手さはないけれど、ドライバーの意思に寄り添う感覚が心地いいのです。
結局のところ、タイヤは100年以上「黒くて丸い」ままです。しかし、その中身は静かに、そして確実に進化を続けています。派手な新技術に目を奪われがちな時代だからこそ、路面との対話を担うこの存在の重要さを、改めて思い知らされた試乗でした。
