ナローボディをトコトン活用したアウトドア派
2026年4月29日に開催された「DDR&TDR2026」の会場でひときわ注目を集めていたのが、“リンリン”さんの三菱「トライトン」です。キャンプや釣り、ジェットスキーといったアウトドアを満喫しながら、災害時には家族を守る移動式シェルターにもなるのが特徴です。遊びと防災を高次元で融合させた、オーバーランダースタイルの詳細に迫ります。
遊び尽くしつつ守り抜くための明確な目的を持った実戦仕様
「中途半端は嫌いなんです。やるなら徹底的にやりたい」。そう語る“リンリン”さんの愛車である三菱 トライトンは、その言葉どおり細部に至るまで明確な目的を持って作り込まれていた。
2026年4月29日に開催された「DDR&TDR2026」の会場でも存在感を放っていたこのトライトンは、単なるドレスアップカーではない。キャンプ、釣り、ジェットスキーといった趣味を全力で楽しむための相棒であると同時に、自然災害などの際には家族を守る移動式シェルターとしての役割まで担っている。
三菱 トライトンのカスタムベースとして人気なのは、オーバーフェンダーを標準装備する上級グレードのGSRだ。しかし“リンリン”さんが選んだのは、あえてナローフェンダー仕様のGLSであった。
「見た目だけでなく、自分の使い方に本当に合った仕様にしたかったんです」。派手さよりも、自身のライフスタイルにフィットすることを最優先とする。その考え方こそが、この1台の根底にある。
アウトドアから防災まで幅広く活躍するルーフトップテント
荷台上には、大型のルーフトップテントを装備。採用したのは、展開時に床面積が2倍に大きく広がるアイキャンパー製だ。大人2人と子ども2人がゆったりと就寝できるサイズを確保し、キャンプはもちろん、万が一の災害時にも安心して過ごせる空間を実現している。
「最近は自然災害も多いので、家族が安心して過ごせることも考えてパーツを選んでいます」。遊びのためだけでなく、家族を守る備えとして機能すること。それも“リンリン”さんにとって重要なテーマである。
ヤキマ製のベッドラックのサイドには、ランプのサンドラダーやロトパックスのウォーターコンテナ、ツール類を収めるストレージを装備した。見た目の迫力を演出するためではなく、実際にアウトドアや緊急時に役立つことを重視して選ばれている点が、このクルマの大きな特徴だ。
ルーフラックには、オートフラッグス製の「バスターズ」を装着。トライトン専用設計であることにくわえ、フラット形状によって全高を抑えられることが決め手だったという。山道での枝との干渉を減らし、さらに空力にも配慮された設計が、実用派オーナーの心を掴んだ。
ナローフェンダーのGLSグレードならではのホイール選び
GLSのナローフェンダー仕様ゆえ、ホイール選びにはかなり苦労したという。「全国の情報を探しても、GLSに適合するホイール情報がほとんどなかったんです」と振り返る。
ショップでも明確な回答が得られず、自ら寸法を計算。導き出した答えが17インチのナイトロパワーであった。純正に近いサイズを選択したことで、フェンダーからのはみ出しもなく、一発で理想のフィッティングを実現した。これはGLSオーナーにとっても貴重な実例となるだろう。そのうえで車高は1.5インチアップされていることも見逃せない。
そして組み合わせるタイヤには、ヨコハマのジオランダーM/T(265/65)を選択した。所有しているもう1台の愛車である軽トラックでも装着しており、砂浜やぬかるみでの圧倒的な走破性に感動したことから、「トライトンでもジオランダー一択でした」と語る。
“リンリン”さんはこれまでに三菱「デリカ」を5台乗り継いできた筋金入りの三菱ファンである。幼少期からピックアップトラックに憧れを抱き、壮大な自然のなかを旅する「オーバーランダー」というスタイルに魅了されたことが、トライトンへの乗り換えの大きなきっかけになった。さらにブッシュクラフトの資格も持ち、自然のなかでの実践的な知識も豊富だ。そうした経験が、このトライトンのリアルな説得力につながっている。
じつは“リンリン”さんは、三菱ディーラーでフロント業務を担当している。そのため、すべてのカスタムは自らの手で行いながらも、ディーラーで問題なく車検に通ることを大前提として構築された。見た目の迫力と法適合を両立しているのだ。
趣味をとことん楽しみ、いざというときには家族を守る。“リンリン”さんのトライトンは、単なるカスタムカーではなく、自身の豊かなライフスタイルそのものを形にした1台であった。遊びも備えも一切妥協しない。その真摯な姿勢と実践的なノウハウこそが、このトライトンの持つ最大の魅力といえるだろう。
