デビュー8年目で中身が「未来化」したボルボの人気SUV
かつてボルボ「XC40」を愛車にしていたカーライフエッセイストの吉田由美さんが、大幅アップデートを果たした最新モデルに試乗しました。北欧ブランドならではの「抜け感のある上質さ」はそのままに、最新システムを搭載して中身が一気に「未来化」しています。新しくなったXC40に搭載されたスマホ感覚でサクサク動く機能の詳細や、マイルドハイブリッドモデル「B3」と「B4」の乗り味の違いをレポートします。
ひと目惚れして購入した、元愛車のボルボ XC40
私の昔の愛車だったボルボ「XC40」。ボルボは、2015年に登場した2代目「XC90」から新生ボルボの勢いを感じていましたが、2018年に発売されたXC40を見て、ひと目惚れ。
それまでのボルボのSUVとは明らかに違う四角いフォルムで、独特な個性を放っていました。ボルボのSUVラインナップのなかではコンパクトサイズなのに存在感があって、北欧インテリアもセンス抜群! ドイツ勢のようにスポーティさを前面に出すわけではなく、過度なラグジュアリーを演出するわけでもありませんが、XC40には北欧ブランドならではの“抜け感のある上質さ”があります。そこに抜群の先進安全機能。
悩んだのはボディカラーで、アイスブルーにルーフとサイドミラーを白にしようと決めていたはずなのに、直前で見た赤×白と悩みましたが、結局、当初から決めていたアイスブルー×白のツートーンにしました。車検前に手放してしまいましたが、今も気になるクルマです。
処理速度が約2倍に! スマホ感覚でサクサク動く新システム
そんなXC40はデビュー以来、そのサイズ感もあり「日本で最も売れているボルボ車」の座に君臨していますが、華麗なデビューから今回で8年目。じつはこれまでもアップデートや追加グレードなど進化を続けてきましたが、今回、大幅にアップデート。と言っても、見た目はあまり変わっていません。変わったのは中身。一気に未来化しています。
最大の進化ポイントは、最新世代のインフォテインメントシステムです。ボルボは他メーカーに先駆けてすでにGoogleを採用していますが、XC40でもXC90などと共通のユーザーインターフェイスを採用し、操作系を大幅にアップデートしました。
新たにQualcomm(クアルコム)社の「Snapdragon Cockpit Platform(スナップドラゴン・コックピット・プラットフォーム)」を搭載して、画面のレスポンスが驚くほどスムースに。処理速度は約2倍以上、グラフィック性能は約10倍となり、まさにスマホ感覚でサクサク動作が進みます。毎日使う地図の拡大や縮小、画面の切り替えもスマホ並みに自然で、毎日触れるクルマとしての快適性が確実に進化しています。しかもOTA(無線通信による自動更新)で自動アップデートしてくれます。
ドライバーの異常を検知して自動停止する新機能など嬉しい進化が止まらない!
もちろん安全装備も進化しています。
パイロットアシスト(ボルボの運転支援システム)の作動中、ドライバーに異常があるとクルマが判断した場合、クルマが自動停止する「エマージェンシー・ストップ・アシスト」が追加に。ボルボにとって何より「事故を起こさないこと」が最優先。そんなボルボの哲学がXC40からも感じ取れます。
そして、北欧デザインというと見た目だけではありません。居心地の良さや使い勝手も細部までデザインされています。たとえばセンターボックス内にティッシュBOXが入るようにしたり、ゴミ箱を備え付けたり。ラゲッジルームのリアボードは折りたため、さらにフックがついているのでバッグなどをかけられるなど、小さな工夫やアイデアがいっぱいです。
トルクフルな「B4」と軽快な「B3」の乗り味の違い
そしてボルボ XC40の魅力は北欧デザインや安全性能だけではありません。
現在の日本仕様のXC40は、ともに2リッター直列4気筒ターボ+48Vマイルドハイブリッドエンジンを搭載する「B3」と「B4」があり、違いは出力、トルク、セッティング、駆動方式、乗り味です。試乗した「B4」に標準装備の本革のシートやオレフォス製のクリスタルシフト、harman/kardonのオーディオが「B3」にもオプションで装備されていたので、車内の雰囲気は共通。しかし、実際に走らせてみると印象は少し異なります。
最初に試乗したのは「B4」。「XC40 ウルトラ B4 AWD」です。197ps/300Nmですが、高速域での余裕が嬉しい。今回の試乗コースでは高速道路も走行する設定ですが、合流時にアクセルを踏み増すと、瞬間にトルクの厚みがしっかり伝わってきてノーストレス。追い越し時にも余裕があります。しかもクルマ全体の落ち着き感もあり、足まわりの接地感が高く、高速巡航時の安定感も高いという印象。こちらのタイヤは235/50R19のミシュラン「e-PRIMACY」。
それにしてもいつもながら、ボルボのデザイン力には感服します。ボルボのステアリングを見ると、文字はほとんど書かれていません。しかし、直感でACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の操作がわかるのですから。これは高いデザイン力の証です。
続いて「XC40 プラス B3」では、乗り換えてすぐに足元の柔らかさを実感。タイヤを見ると、235/55R18のコンチネンタルタイヤ「エココンタクト6」でした。必要十分なパワーを持ちながら、扱いやすさと燃費のバランスが魅力。とくに低中速のアクセルレスポンスが穏やかで、アクセルを踏み込んだ瞬間に感じるのは“軽やかさ”です。とくに印象的なのはフロントまわりの軽快感。
価格は「XC40 プラス B3」が559万円(本体価格/オプションは別途)。「XC40 ウルトラ B4 AWD」が639万円です。
XC40が日本発表の際に来日したボルボのエクステリア統括デザイナーのマクシミリアン・ミッソーニ氏によると
「XC90はレザースニーカー、XC40は高級スニーカー」
と言っていましたが、そこに手軽さが加わって便利になった、まるで「スリップオンの高級スニーカー(靴ひもがなく、足を滑り込ませるだけで履ける靴)に進化した」という感じかもしれません。
