緊急時は避難シェルターに! 木製内装の1台が快適な車中泊をサポートする
最近では商用車やキャンピングカーのベース車両として人気のトヨタ「ハイエース」。今回は、岐阜県本巣市に工房を構えるブランド「クラフトプラス」が手がけた特別仕様のカスタム車両をピックアップした。木の温もりを感じる車内空間やヴィンテージ加工を施したシートカバーなど、非日常の車中泊から緊急時の避難シェルターにまで幅広く対応するこだわりのコンプリートカーの全貌について詳しく解説する。
ヴィンテージ加工が施された特別なシートカバーと内装
アースカラーパッケージのベージュに合わせたボディ色を持つこのクルマは、岐阜の木工職人が手がけるジャパンメイドのクラフトプラスが特別仕様で内装を制作したコンプリートカーだ。外装にはアルミホイールブランドであるESSEXの16インチホイールと、トーヨータイヤのオープンカントリー(215/65-16)を装着し、足回りはノーマルのままである。
車内で多くの面積を占めるシートカバーを中心に、ベッドキットなどのシート表皮に使われているのは、クラフトプラスのテクノロジーが生かされた特別なシート生地「TEP」である。これは汚れても水を含ませた柔らかい布ですぐに拭き取れるため、車内で飲み物や食べ物をこぼしがちな小さな子どもや愛犬を乗せる際にも気を使わずに済む最適な素材だ。さらにキズにも強いので、アウトドア志向が強い人にもおすすめである。
そのシート生地をベースに、ヴィンテージ加工を施しているのがポイントだ。シボ目(表面の細かいシワ模様)を利かせた茶系とアイボリーのレザーでコーディネイトされている。このアイボリー生地は次亜塩素酸対応で消毒も可能な素材である。また、商用車として冷たくなりがちな印象のドアパネルにも茶とアイボリーを取り入れることで、室内全体の雰囲気が統一されて一気に華やいでいる。
無垢材や真鍮のアクセントが光るインテリアパーツ
ひとつひとつ木工職人が木をサンドして削り、磨き込んで仕上げたアシストグリップ(乗降用取っ手)は、握りこむほどに愛着が増すスベスベとした木肌の温もりに感動する。シフトノブは真鍮とウッドという異素材で組み合わされた新作モデルであり、無垢材の茶色と真鍮の色味を抑えたゴールドが絶妙に似合う。
ダッシュパネルを保護しつつ、インテリア全体のカラーコーディネイトも格上げさせてくれるダッシュマットも用意されており、アイボリーのポケットが絶妙なアクセントとなっている。さらに、後部座席のオットマン(足置き)としても使用できるセカンドキャビネットの中央部分には、無垢材を削り込んで作られたドリンクホルダーが3個用意されている。
シートカバー同様に茶系のレザーとアイボリーのレザーで特別に作られたセンターコンソールにも注目だ。物を置いたり飲み物を置いたりとキズや汚れに直結しやすい場所だけに、TEP素材が使われているのはありがたい。余談だが、同ブランドのセンターコンソールは累計販売数が1万個に到達したそうだ。これまでの販売を支えてきたメイン車種がトヨタ ハイエースだけに、今のカタチに行き着いているそのデザインやクオリティに間違いがなかったなによりの証しである。
緊急時のシェルターから車中泊まで対応するリノシェルキット
ウォルナット色に塗られた後部のキャビネットは「リノシェルキット」と呼ばれるもので、素材にはオーク材が使用されている。キャビネットの中は物をディスプレイしたりできる有孔ボード(穴あきボード)になっている。収納扉を引き起こせば広々とした作業台になるので、調理やパソコンを置いてのビジネスシーンまで幅広く使える。
4枚のベッドマットは2枚抜けば腰掛けて使うことができ、車外へと持ち出せばテーブルや椅子としても使用可能だ。まさに緊急時の避難シェルターから車中泊まで使える優れものである。
さらに注目したいのがガンストック色のフロアだ。こちらはわざとノコギリで削り込み模様を出したバンドソー加工が施されている。その床材を横張りで張り込むことで木材の反りを防止する効果もあり、木の特性に精通したクラフトプラスならではの仕様となっている。
ちなみにこのコンプリートカーは、クルマごとの販売も可能だ。現在クラフトプラスは木工職人の現場である工房で車両販売にも力を入れており、デモカーも数多くディスプレイされているので、車内レイアウトや木の手触りなどをリアルに自分の目で確認できる。生地選びや色味の変更などのカスタム要望も直接聞いてもらえるため、ぜひ相談してみてはいかがだろうか。
