新型エルグランド登場前に振り返る! E50型が築いたVIPカスタム黄金時代
約16年ぶりのフルモデルチェンジが予定されている日産 エルグランド。そのルーツをたどる連載企画の第1回は、1997年に登場した初代E50型に注目する。当時は高級ミニバンという新たなジャンルを切り開き、市場を席巻。大型バンパーをはじめとするVIPスタイルが一大ブームとなり、数多くのカスタムブランドが個性を競い合った。現在とはひと味違う、迫力と高級感を追求したE50型エルグランドのカスタムシーンを振り返る。
高級ミニバンとして圧倒的な人気を誇った初代モデルの存在感
この夏、約16年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型日産 エルグランドが登場すると噂されている。Japan Mobility Show 2025でコンセプトモデルが公開されてから約8か月。オートメッセウェブでは複数回にわたり、歴代の日産 エルグランドのカスタマイズシーンを振り返っていく。第1回は、初代となる日産 E50型エルグランドにスポットを当てる。1997年に登場し2002年まで販売されていた日産 E50型エルグランドは、それまでのワンボックスとは一線を画す高級ミニバンとして大ヒット。当時の市場では圧倒的な人気を誇り、現在のトヨタ アルファードを思わせる“一強”ともいえる存在だった。ライバルにはトヨタ「グランビア」やトヨタ「グランドハイエース」などがあったものの、その人気はエルグランドが頭ひとつ抜けていた。
大型バンパーとVIPカスタムが全盛期を迎えた時代の熱気
そんなE50型エルグランドのカスタマイズを語るうえで欠かせないのが、大型バンパーを採用したエアロスタイルだ。純正よりも前後へ大きく張り出したエアロバンパーを装着することで、全長をさらに伸ばし、もともと迫力のあるボディを、より伸びやかでスポーティなシルエットへと変貌させるスタイルが大流行した。さらに、当時のエアロは下方向へ厚みを持たせたスクエアなデザインが主流。実際に極端なローダウンを施すというよりも、エアロ自体のボリュームによって車高を低く見せる”視覚的ローフォルム”が人気を集めていた。
その背景には、当時の足まわり事情がある。ローダウンの主流はダウンサス(ローダウンスプリング)で、車高調も現在のような全長調整式ではなくネジ式が一般的。エアサス(エアサスペンション)もまだ普及し始めたばかりで、装着するのは一部の上級者に限られていた。さらにミニバンでは調整式アーム類も現在ほど一般的ではなく、極限まで車高を落とすこと自体のハードルが高かった時代だった。
だからこそ、エアロを全長だけでなく下方向へも大きく張り出させることで、実際以上に低く見せる手法が一般のカスタマイズユーザーに支持されたのである。こうしたニーズを受け、人気エアロブランド各社も競うように大型バンパーを開発・発売。E50型エルグランドは、まさに”大型バンパー全盛期”の象徴ともいえる存在となった。
当時はミニバンにおけるVIPカスタム全盛期。セダンで培われた高級感を、いかにミニバンへ落とし込むかがカスタマイズのテーマだった。こうした大型のバンパーにメッキパーツを組み合わせ、ボディカラーもブラックやホワイトなどをベースにシックなスタイルでコーディネイト。ボンネットにはボンネットマスコットを装着し、ゴールドのエンブレムを採用するクルマも多いなど、高級セダンを思わせるラグジュアリーな雰囲気を演出する手法が人気を集めた。
ホイール選びと豪華な内装で個性を主張したオーナーたち
また、日産 E50型エルグランドは6穴ハブ(P.C.D.139.7)を採用していたことから、ホイール選びも大きなポイント。当時は選択肢が限られていたものの、その中から迫力ある大径ホイールを組み合わせ、足元までこだわるオーナーが数多く見られた。
内装においてはレザー調シートカバーを筆頭に木目パネルや一部にはオーディオシステムにこだわる猛者も登場。当時出始めの薄型テレビを採用するユーザーも現れ、大いに市場を盛り上げた。
その後、時代の流れとともにカスタムトレンドはシンプル志向へと移り変わっていく。しかし、ビッグバンパー全盛期という一時代を象徴する存在だったのが日産 E50型エルグランドであり、ミニバンカスタム文化を牽引した1台だったことは間違いない。
