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おじさん感涙「昭和&平成の自動車デート文化」クルマ選びからドライブインシアターまで

クルマは男女の遊びで欠かせないツール

「若者のクルマ離れ」という言葉は聞き飽きた感じで、もはや世代間に格差ありあり。それはそれでいいとして、じゃあ、それ以前でのクルマの扱いというか、存在ってどんな感じだったのだろうか。別に”真似しろ”とはいわないが、昭和や平成初期の頃は「そんな時代もあったんだな」と知ってもらえれば幸いだ。

【クルマ選び】

 まずは、クルマがないとなにも始まらないのは当たり前で、ここでまずヒエラルキーが大発生。上位に位置するのが、「親に高級車を買ってもらった」というパターンなのだが、高いクルマでないとダメかというと、みんなが所有しているので裾野が広く、安いクルマでも十分だった。

 アルバイトして「シビックの中古を30万円でなんとか買いました」的な感じでも問題なし。バブルの頃は”軽自動車は嫌だ”、という肩パッド女子も存在したが、つまりそれぞれの階層に対して、マッチした彼女ができたわけだ。

【BGM】

 ラジオは付いていたので「FM」がBGMとして活躍というのは後年になってから。そもそも昭和の時代はオシャレなFM局などはなかったものだ。当時はどうしたかというと、カセットテープが大活躍。LPレコード丸ごと全局録音したものでもよかったし、お気に入りの曲を1本のカセットテープにつなげてもよかった。

 さらに当時流行ったのが「エアチェック」というもの。タイヤの空気圧点検ではなく、FMの音楽番組をテープに録音することをエアチェックと呼んだ。これを編集して、オリジナルのドライブミュージックを作ったもので、車内に放置しても熱で伸びにくいドライブ用のカセットテープというのがあったほど。 エアチェックの人気に合わせて、番組表が細かく載った専門誌がいっぱい登場したし、曲もフルコーラスをきっちりとかける番組も多数。ちなみに、カセットにタイトルをつけるために「レタリングシート」を使ったお父さん方も多いのでは?

【目的地】

 別にどこでもよくて、クルマのメリットを活かして遠くにドライブできればOK。風光明媚な場所に行けるから、とデートに誘う理由はあったけど、クルマの中は密室で、彼女とふたりだけの時間を楽しむのが一番だった。 ちなみにユーミンの歌に出てくる横浜市の根岸にある「ドルフィン」など、オシャレなドライブスポットもあったし、”ハウツー”をテーマにしたデート本を必死に読んだのも青春だったのである。きっと、いまの女子は「夜景」を理由にドライブへ誘っても断られるんだろう。

【休憩】

 まず道中では、今みたいにファミリーレストランもコンビニも少なく、「ドライブイン」が定番だった。ただし、見極めないとトラック乗りがもつ煮込みをかき込んでいる、お仕事系のところに入ってしまうことも。”喫茶店”のようなオシャレなスポットを探したもので、さらに峠などの駐車場で缶コーヒーを飲むのもいい感じだった。

 そしてホントの休憩として、街道沿いの「ラブホ」も定番ドライブスポット。今でもまだ郊外には残っているが、部屋と駐車場がセットになった「モーテルタイプ」は楽ちんというか、誘いやすかったというか、あきらめさせやすかった。

【レジャー】

 目的地的にはどこでもよかったとはいえ、クルマでないと行けないところに行くのは人気があった。例えば、ほぼ絶滅してしまったところでは「ドライブインシアター」。クルマに乗ったまま、映画を見るという超画期的(?)なシステムであり、これ以上の密室感はなかった。

 音声はFMラジオを使って聞く仕組みで、バッテリーが弱っているとそのまま上がってカッコ悪さ全開だったりした。あとはやっぱり「スキー」だろう。「私をスキーに連れて行って」の劇中でも行われた遊び方は、当時のスキーヤーに市民権を与えたともいえる。ちなみに、現在みたいに「温泉に行きたい」なんていう、まったりしたものは平成になってから流行始めた。

【お作法】

 ETCなんてなかった昭和&平成初期。高速道路に乗るには現金が必要だったので、小銭をサッと出すのがカッコよかったし(逆もありがたかった)、運転がスムーズなのもモテる理由のひとつだった。また、今でもよく聞く、バックのときに助手席のヘッドレストに手をかけて胸をときめかせたり、彼女を下ろした後にブレーキランプで「あ・い・し・て・る」と5回点滅させるのも儀式だった。

 とにかくクルマにまつわる”モテポイント”がいっぱいあったのが、昭和&平成初期という時代。クルマと異性を中心に回っていた感じ。恋人へ電話するにもその家族を突破して取り次いでもらう必要があり、デートの約束もひと苦労だった。いまは便利な時代になったが、それだけの苦労があったぶん、会えたときのドライブはひと塩だったのも事実なのだ。

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