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トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」を比べてみた! 「チューニングのベース」「走りのポテンシャル」「コスパ」で比較した結果は?

アフターパーツも充実してきた「GR86」&新型「BRZ」

 2021年7月にフルモデルチェンジしたトヨタ「GR86」とスバル「BRZ」は兄弟車であるが、初代と違って、異なる部分が結構ある。ではチューニングして楽しむことを前提にしているオーナーは、はたしてどちらを選べばいいのだろうか。

新型では足まわりが物理的に異なる構成となっている

 走りにかかわる部分でGR86と新型BRZの違いは、フロントサスペンションのアップライト部分(ナックル)がGR86は鋳鉄で、BRZはアルミ。さらにリヤのスタビライザーもマウント方法が異なる。それに合わせてサスペンション自体も仕様が異なる。それからアクセル操作に対するECUのセッティングが異なり、どちらかというとBRZの方がマイルドなフィールに仕上がっている。

 ノーマルではBRZの方がマイルドな走りで、対するGR86はドリフト仕様だとかリヤがピーキーという意見もあるが、筆者としてはそうではなく、ラフな操作をすればリヤ駆動らしい挙動がちゃんと出ると捉えている。

レースシーンでの直接的な速さでは差がなさそう

 BRZの方が全体的にマイルドでゆるさがあり、ホッとできる乗り味なので、そこがチューニングしていったときにバランスが崩れるのではないかという懸念があった。

 とくにハイグリップタイヤやハードな仕様のサスペンションを取り付けたときに、ノーマルで丁度よくバランスしていたナックルのゆるさやスタビライザーの仕様が、悪さをするのではないかと思われていた。

 しかし、ハイグリップタイヤで車高調を入れて行うワンメイクレースである、GR86/BRZ Cupプロフェッショナルシリーズの結果を見ると遜色ないリザルトが出ている。これまですべてのレースでGR86が勝っているものの、BRZも表彰台に乗っているし、そもそも参加台数が圧倒的にGR86が多いので優勝が多いのも当然。BRZも十分に速さを見せているだけに、その生まれ持ったナックルやスタビライザーの違いは直接的な速さには関係なさそうである。

どうせイジるならGR86エントリーグレードのコスパが光る

 であれば、どっちを選んでもチューニング後の仕上がりはそこまで変わらないだろう。あとは大きな違いはグレード構成だ。BRZは2種類で「R」が308万円、「S」が326万7000円。対するGR86は3グレードの構成で、RCは279万9000円、SZが303万6000円、そしてRZが334万9000円となっている(すべて消費税込)。

 GR86 RCが突出して安いのがわかるだろう。簡素版グレードでホイールは鉄チンだし、ステアリングの表皮なども正直安っぽいウレタンなのだが、どうせ交換するならこれで十分。

 初代86のRCはエアコンも付けられないというスパルタンなものだったが、今回はオートエアコンもスマートキーもあって、ステアリングやシートなどとホイールがグレードダウンしているだけ。

 なので、シートも変えて、ステアリングも変えて、ホイールも交換してしまうならRCでいい。となると、GR86のSZやBRZの下のグレードと比べても、約20万円以上はチューニングに多く使えることになる。

* * *

 あとは今から購入するならGR86はかなり納期が長めで、BRZは比較的早く納車になるとのこと。そういった点ではBRZが有利になるので、納期を取るのか価格を取るのか、という点でも違いがある。新車をこれから買うならよく考えて選びたい部分だ。

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