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ドイツの名門チューナーがキャンピングカーを作ったら? VW工場で組み立てられる「ABT XNH」のクオリティに驚愕

ABT製のフロントグリルや前後のスカート、サイドスカートを装着

チューニングの名門・独「ABT」がアウトドア市場に進出

フォルクスワーゲン&アウディ・チューニングのトップブランドとして、日本でもお馴染みの「ABT(アプト)」。そのABTが120年以上もの歴史のなかで初となる市場へと進出を果たすことになった。「XNH」と呼ばれるキャンピングカーがそれで、ベースとなるのはVWコマーシャル(商用車部門)から販売されている最新ワンボックスバン「T6.1」だ。

スポーティなエアロで武装したキャンパー

ABT XNHのワールドプレミアは、2023年2月22日〜26日にドイツで開催された、バイエルン州最大の旅行・レジャー見本市において行われた。ちなみにXNHというネーミングは、「Explore New Horizons=新しい地平を探検すること」を意味するもの。ABTのハンス・ユルゲン・アプト氏は、

「このセグメントにおいては、このXNH以上にモダンで高品質なモデルは存在しない」

と語っている。自分の地平を広げたいと願うすべてのカスタマーと、最高の快適さこそが究極の自由であると考えるすべての人々のために、今ABTはキャンピングカー業界の著名なパートナーとともに、このXNHをリリースしたのである。

まず外観でゲストの目を引き付けたのは、その独自性や軽量構造ですでに市場で高い評価を得ているエアロキット。ABTはすでにマルチバンで多くの経験を持ち合わせており、XNHの場合もフロントグリルや前後のスカート、サイドスカート、そしてこちらも印象的なホイールのフィニッシュなどが含まれている。ホイールはXNHのために特別にデザインされたもので、光沢のあるブラック塗装の18インチ径を選択し、グッドイヤー製のイーグルF1タイヤを組み合わせている。

だがこのXNHの魅力は、このスポーティなエクステリアだけではない。メインのトピックスは、やはり画期的ともいえるキャンピングカーへの転換にあるのは間違いのないところだ。

快適装備満載、目に見えぬ部分まで高品質な仕上げ

150ps仕様のディーゼルエンジンを搭載したXNHのインテリアは、キャンピングカーの製作では世界的に有名な、ドイツのバニング社によってデザインされたものだ。XNHの場合はさらに、ABTのチョイスによって高級であると同時に機能的なデザイン家具を採用し、実際には目に見えない部分にも高品質な仕上げを施しているのが特長。

表面には傷がつきにくくメンテナンスが簡単なHPL=ハイ・プレッシャー・ラミネート素材や厳選された本物のウッドパネルが使用され、壁面パネルにはこのXNHプロジェクトのために開発された軽量なGRP製モールディングなどを使用。これらすべてのコンポーネントの組み立ては、VWの特殊車両部門であるVWグループ・サービス社によって行われる。したがってXNHは通常のVW車と同様のサービスをVWディーラーで受けることができるのだ。

ベースのVW T6.1と比較して、キャビンが開放的な雰囲気に感じられるのは、ホイールベースが400mm長く設定されていることにも大きな理由がある。乗車定員は5名で、ダブルIHコンロ、冷蔵庫、テーブルを備えた広々としたキッチン&リビングスペースが広がっている。さらに車体後部にはガスコンロ付きの引き出し式アウトドアキッチンを採用。太陽光発電モジュールによる自給自足の電力供給を可能にしていること、また二次電池としてリチウムイオンバッテリーを搭載していることも見逃せないところだ。

実際の生産は2023年5月から、ハノーバーのVWグループ・サービスの工場で開始されるという。ABT NXHはキャンピングカーの市場において、大きな話題を呼ぶことは容易に想像できるところである。

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