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29年で32万キロ走行! マツダFD3S「RX−7」をほぼノーマル状態でサーキットを走る理由をオーナーに聞きました

富士スピードウェイのショートコースを走る1994年式FD3S型RX-7

ロータリーエンジンはしっかり管理して現在2基目

マツダスポーツカークラブの走行会でノーマル状態に近いFD3S「RX-7」を発見。最初はギャラリーのクルマかと思ったが、ガンガン走行をするから驚いた。サーキットを走るFDとなるとチューニング車両のイメージが強いが、ノーマルライクな車両で走るのにこだわりはあるのだろうか。オーナーのSさんに話を聞いてみた。

基本的にノーマルでサーキット走行を楽しむ

SさんのFD3S型RX-7は1994年式。FD3Sは1~6型まであるが、このクルマは2型と呼ばれるもので、比較的初期の個体だ。このクルマをSさんは新車から所有している。鮮やかなボディカラーはモンテゴブルーマイカと呼ばれるカラーで、このカラーもFD3Sでは初期にしか設定されていなかった。塗装の状態もキレイで惚れ惚れする。

そのほか外装面で目立つポイントは、「強いて言えば」な部分になるがホイールだ。2・3型純正オプションの17インチBBSホイールが装着されている。そこに組み合わせるタイヤはミシュランパイロットスポーツ4だ。外装に関してはフルノーマルと言えるだろう。

29年で総走行距離30万キロ超え

元々、Sさんはカートを中心にモータースポーツをやっていたそうだが、購入当初はFDでのサーキット走行はあまりしていなかったとのこと。通勤やドライブといった普段使いで使用していたそうだ。そのため走行距離は多く、これまで約32万kmを走行しているというから驚きだ。

現在のエンジンは2基目で、18万9000kmで2基目に載せ替えてある。2基目のエンジンは11万kmのときにタービンのオーバーホールが必要となり、そのついでにオーバーホールを行ったそうだ。ロータリーエンジンは寿命が短いというイメージがあるかもしれないが、しっかりと管理をすれば長い期間使えることをSさんが証明していると言える。

FDはサーキットやジムカーナでの練習車

近年、久しぶりにモータースポーツ活動を再開したというSさん。実際に競技に挑むのはこのFDではないが、日ごろからサーキットやジムカーナを走行して練習したいと思った時に、「FDで走ればいいじゃん!」と思ってFDでスポーツ走行を始めたそうだ。FDは現在練習用に使っている状況なので、タイムアップを目指した特別なチューニングはしていない。タイヤがややコンフォートよりのパイロットスポーツ4を選択しているのも、クルマ自体の速さは求めていないからだ。

所有序盤にマツダスピードで強化したサスペンションやセミバケットシートなどを装着してもらい、近年サーキット走行に向けてブレーキパッドを変更したくらいとのこと。マフラーも変更されているが、これは純正マフラーが手に入らなかったため変更したそうだ。

外装と同じように内装も比較的シンプル。今ではレアアイテムなマツダスピードのセミバケットシートに、2基目へのエンジン交換の際に同時に変更した280km/hスケールの輸出用メーターが装着されているくらい。サーキット走行となると温度関係のメーターを装着したくなるところだが、Sさんはノーマル然としたインテリアを崩さないように、グローブボックスに水温計を隠している。普段はグローブボックスを閉じて、サーキット走行をするときだけグローブボックスを開いて水温をチェックできるようにしているのだ。水温計が今は無き大森メーターというのも、当時感を感じさせるアイテムと言える。

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Sさんは最近、練習用にNDロードスターのNR-Aを注文したとのことで、FDでのスポーツ走行機会は減るかもしれないと語ってくれたが、このFDを手放すつもりはないとのこと。これからも大切に距離を刻み続けてほしいと思う1台だ。

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