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ドイツからオーストリアへ車で向かう際の注意点と生活の知恵とは? ガソリンが圧倒的に安いので羨ましい!【みどり独乙通信】

雪がちらつくアウトバーン

愛車のM240i xDriveで一路オーストリアへ

ドイツのガソリンは日本よりも高い!

ドイツ在住でモータースポーツをメインに取材する池ノ内みどりさん。愛車のBMW「M240i xDriveカブリオレ」で東奔西走しています。今回はドイツのツーリングカーレースである「DTM」の取材のため、オーストリアにあるサーキット「レッドブルリンク」へ向かいました。4月下旬というのに、なんと雪模様! ドイツのガソリン事情なども交えてリポートします。

国境を越える場合は通行チケットの購入がマスト

モータースポーツが次々と開幕に入る4月に入ってからは、目まぐるしく毎日が過ぎ去っていきます。移動を重ね過ぎて、先週はどこにいたのかさえもよく分からなくなりつつある今日この頃。同日に違うホテルを予約してしまい、気づいた時には当日でキャンセルもできないというおバカな状況に陥り、反省を繰り返しています。

さて、そんなこんなで、オーストリアのレッドブルリンクで開催されたDTM(ドイツツーリングカー選手権)の公式テスト取材へ向かいました。

一番近い隣国オーストリアへの国境までは、私の住むミュンヘン市からわずか100kmほどです。国境の街へ遊びに行く際には、国境手前のアウトバーン出口を出て一般道で移動するのですが、今回はそこからさらに200数十km離れたレッドブルリンクへとクルマを走らせますので、「Vignette(ヴィニエッテ)」というアウトバーンの通行チケットを購入する必要があります。

3.5トンまでの自家用車用のステッカータイプで、10日間有効が9.90ユーロ(約1500円)、2カ月が29.90ユーロ(約4400円)、1年間有効が96.40ユーロ(約1万4500円)で、国境手前のガソリンスタンドで購入できます。事前にオンライン購入することもでき、大きめのサービスエリアでは専用の機械でナンバーを登録して購入するタイプもあります。

日本のようにインターチェンジがないのでチェックする人もいないし、支払わなくてもきっと大丈夫……と思う人もいるかもしれませんが、オーストリアのアウトバーンの出入り口や道路には、フロントガラスに貼ったVignetteやナンバーの読み取り用のカメラが多く設置してありますので、言い逃れはできません。

実際にスイスの友人は、うっかり買い忘れてオーストリアを通過してしまい、もう5~6年前ですが、当時で300ユーロの罰金を支払うハメになった事があります。

4月下旬だというのにオーストリア方面では雪が!

そろそろ夏タイヤに交換しなければ、と思っていた矢先ですが、時間的に難しくてまだ交換できておらず、冬タイヤのままでオーストリアに向かいました。

私はアルプスの峠を走るのが大好きで、どうせオーストリアに行くならばと思って道中の楽しいルートを事前に検索していたのですが、この日はあいにくの雨。あきらめてアウトバーンで行くルートを選びましたが、ミュンヘンの自宅を出て、オーストリア方面へ向かうアウトバーンのA8号線に乗った途端、なんだかイヤな予感が……。

道路の脇に薄っすらと雪が積もっているではありませんか。この日はもう4月も終わろうとしており、日本のニュースでは「初夏の陽気」と報道されていた日です。途中に給油のために立ち寄ったサービスエリアには、ルーフにこんもりと雪を載せたクルマがちらほら。外はみぞれが降っています。

ところで、現在私の住むミュンヘン市内のガソリン価格(E95のヨーロッパのレギュラー)は、あいかわらず1Lが1.90ユーロ前後(約270円)と非常に高額で、多い日には1日に2~3回満タンに給油する私には非常に痛い出費です。しかし、隣国オーストリアは1Lにつき20~30セント(30円~50円)程度割安ですので、パラダイス! 国境近くにお住まいの方は、きっといつもオーストリアへ給油しにいらっしゃるのでしょうね。うらやましい限りです。

愛車には9Lほどしか燃料が残っておらず、これでは国境まで辿り着けませんので、念のために20Lを給油してからオーストリアに向かいました。国境を越えてすぐのガソリンスタンドは割高ですので、敢えてここでは入れません。もうちょっと離れたところで、アウトバーンを一旦降りての給油をするとかなり安いのです。

オーストリア国内の山間部を走るアウトバーンでは、みぞれっぽい雪が降り続きます。本来ならば美しい湖水地方のザルツカンマーグートの景色を見ながらのドライブなのですが、車窓から見えるのも深く覆われた白い雲ばかりでとても残念です。

アウトバーンを降りてから、レッドブルリンクへ向かう道のりは、本当に大丈夫? と思うようなアップダウンの激しい峠道。普段なら楽しいドライブコースのひとつですが、この日はかなりスリリングなコースでした。

私の愛車は幸いにも全輪駆動のxDriveですので、低気温のシャーベット状の雪が積もるアップダウンの激しい峠道も安定していましたが、すでに夏タイヤへ交換していたであろう数台のクルマが峠の上り道で立ち往生し、その反対車線の下り道ではスリップ事故を起こしているクルマがいました。

私の中では「スポーツカー=後輪駆動でなくっちゃ!」という勝手なイメージで今まで愛車を乗り継いできました。今の愛車は諸事情により渋々xDriveを購入したのですが、それが吉と出たのは嬉しい限り。あらためてxDriveには感謝です!

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