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夏休みの長距離移動はタイヤに注意! パンクやバーストを未然に防ぐ方法とは

高速道路で見かけるバーストの原因は、日頃の点検で見直すことができる

定期的な点検で未然に防ぐことが可能

よく言われるように、実用車から高性能なクルマまで、結局は4本のタイヤが接地していて全体を支えている。サイズにもよるが、それぞれのタイヤの接地面積はハガキ1枚と言われていて、たったこれだけに命を預けているわけだ。しかし、JAFの出動理由の上位にはいつもタイヤのパンクやバーストが入っていて、トラブルが多いことがわかる。とくに最近ではメンテナンス意識の低下だけでなく、タイヤ価格の高騰から交換が疎かになっていることもあって、「まだ使えるだろう」という意識の緩みも増えている。夏休みの高速を使った長距離移動では、必ずと言っていいほどタイヤがパンクした車両が路肩に停まっているのを見かけるものだ。何度も言うが、タイヤをケチってそれが原因で事故に遭っては本末転倒だ。

費用も時間も取り返しのつかないことになりかねない

点検やメンテナンスは大切なのだが、タイヤの場合はオーナー自らできるレベルのものがほとんどというのも特徴。ぜひ実践してほしいということで、それではパンクやバーストを防ぐ方法を紹介しよう。ちなみにパンクは釘などが刺さって空気が抜けること。バーストは破裂するという違いがある。

なにはなくとも適正な空気圧

自動車メーカーが指定する適正な空気圧に保つことは基本中の基本だ。指定空気圧はクルマやグレードごとに異なっていて、ドアを開けたところにステッカーが貼ってあり、具体的な数値が記されているのでそれに合わせる。最近ではガソリンスタンドがセルフ化しているとはいえ、スタッフにお願いすれば見て合わせてくれるし、自分でも慣れてしまえば可能。空気圧ゲージと空気入れはセルフスタンドでも用意されているので、借りて作業をすればいい。

空気圧が高すぎると、走行中に暖まって内圧が高まってバーストする可能性が高まり、逆に少ない場合はタイヤがよじれて熱を持つことがあって、これもまたバーストの原因になる。低くても高くても、偏摩耗の原因になるのでいずれにしても指定空気圧を守るようにしてほしい。

ゴムの分子は空気の分子よりも大きいため自然に空気は抜けていくので、1カ月に1回の割合で、給油のついでに見ておくといいだろう。

異常がないか、全体を目視で確認

点検で重要なのが目視。つまり目で見て異常がないかを見ていく。まずはサイドやトレッドにヒビや亀裂がないかを確認。新しいタイヤでも路肩に引っ掛けたりすると、裂けることがあるので油断は禁物だ。もちろん4本ともすべて見るようにする。

その際に釘が刺さっていないかも見ておく。最近はそもそも釘なんて落ちていないだろうと思うかもしれないが、路肩や路地には意外に落ちていたりするし、実際に刺さっているのを発見することもある。また、空気圧点検を定期的にしていると、パンクしているところだけ空気圧が低いので気が付きやすい。走り方での防止方法はあまり路肩に寄せないことだ。

発見した場合はすぐに抜いてはダメ。現在主流のチューブレスタイヤは釘が穴を栓することですぐには抜けないのが特徴なので、そのままディーラーやタイヤ専門店、量販店などに行って直したり交換すればいい。ちなみに刺さっているのがトレッドなら修理できるが、サイドは無理なので新品に交換するしかない。

バースト、そしてウエット性能にも直結する溝の量を確認

タイヤの溝はウエット路面でのグリップのために付けられている。ドライだけであれば、レース車両のように溝がないほうが接地面積が増えるので有利だ。まず大事なのが溝の残量で、スリップサインと呼ばれる溝の中が1段高くなっている部分が表面とツライチになったら寿命なので、車検にも通らない。具体的には残り1.6mmだが、これは最小限度の数値で、タイヤメーカーは4mm程度での交換を推奨している。

また残っていても、全体を見て表面の減り方に偏りがないかも見ておこう。ある程度は仕方がないが、極端に差がある場合は足まわりに異常があったりするので、修理工場やディーラーで原因も含めて見てもらうようにする。偏摩耗の場合は大きなストレスが部分的にかかった状態なので、放置すると一気に減ってバーストにつながるので注意が必要だ。

溝があっても油断は禁物

ここまで見てきて、空気圧は大丈夫で、表面などにもヒビやキズはなし。溝も残っているから安心、とは一概には言えない。タイヤに使われているゴムは気温や紫外線の影響などで走らなくても劣化していくもので、簡単に言えば油が抜けていくと言えばわかりやすいだろうか。

「賞味期限」をどこで判断するかというと、タイヤには製造した時期が明記されているので、まずはそれを確認する。具体的にはアルファベットと4ケタの数字を組み合わせた表示で、数字部分の後ろ2桁が西暦の後ろ2桁を、そして前の2桁が何週目に作られたかを示している。

3222とあれば2022年の32週目に作られたことがわかる。タイヤもロングライフ化しているので、すぐには使えなくなることはないし、保管や使い方にもよるが、溝が残っていても5年を目安に交換したほうがいい。

以上、長々と解説したが、空気圧を見て、外観の点検をするというのがタイヤの性能を正しく発揮させて、パンクやバーストを防ぐ基本。簡単かつ時間もかからないので、ぜひ定期的に行うようにしてほしい。

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