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レクサス新型「LM」は「ベンテイガ」や「カリナン」を超えられるか!? 後席2座のショーファー仕様に注目です

レクサスの新たなフラッグシップMPV

レクサスから新たなフラッグシップMPVとなる、新型「LM」の国内仕様が登場しました。ショーファードリブンに特化し、後席をラグジュアリーな2座仕様とした「ミニバン」です。

ショーファードリブンに特化した4座仕様

レクサスは新たなフラッグシップとなるMPV、新型LMの国内仕様を発表した。2世代目となる新型は、2023年4月に開催された上海モーターショーでお披露目されたもの。中国をはじめとしたアジアマーケットをターゲットにしており、2019年に登場した先代モデル(日本市場には未導入)の高い人気を受け、ショーファードリブン需要に応えるべく開発が進められた。

ラグジュアリーマーケットにおけるユーザーの価値観の変化を受け、すべての乗員が自然体でくつろげる乗り味と居住空間を作り上げることに注力。周囲の喧騒から解放され心身ともにくつろげる、そして本来の豊かな思考や行動につながる。そんな「素に戻れる移動空間」を開発コンセプトとしたという。海外では3列シートの6/7人乗り仕様もラインアップしているが、国内モデルはショーファードリブンに特化した4座仕様「LM500h エグゼクティブ」のみとなっており、車両本体価格は2000万円(消費税込)とされた。

ビジネスからくつろぎまで、後席の快適性に注力した仕立て

エクステリアは、リアシート付近に最もボリュームを持たせて室内の広さを感じさせるスタイリングに。レクサスのアイデンティティであるスピンドルボディも進化し、ボディ同色のシームレスな仕立てとされた。また、グリルやバンパーの段差を減らすことで走行時の空気の流れをスムーズにし、空力や冷却性能、操縦安定性をより向上させている。

インテリアは室内高のあるパッケージングを活かしつつ、広い空間を水平・垂直基調のシームレスなデザインテーマで表現することで、リビングのようなくつろげる空間を追求。運転席は、運転に集中しながら各種スイッチ類など機能の操作を可能とした、レクサスのコクピット思想(Tazuna Concept)を継承しつつ、さらに進化させたシンプルな環境に仕立てられている。

後席には大型ヘッドレストを備えたオットマン付き本革パワーシートを装備、ベンチレーションやリラクゼーション機能なども備わる。前席との間にプライバシーの確保と開放感を高めるパーティションが配置されており、パーティション上部には前方が見える昇降/調光ガラスを、中央にはビジネスミーティングや映像鑑賞などのための48インチワイドディスプレイ、下部にはシャンパンボトル3本が入る冷蔵庫が設えられた。

また、後席部には乗員の身体4カ所の温熱感を推定することで車内を快適な温度に保つ「温熱感IRマトリクスセンサー」や、エアコン/シートポジション/サンシェード/照明を統合制御する「リアクライメイトコンシェルジュ」といった装備を多数備えるなど、快適性が徹底的に追求されている。また、64色を用意するイルミネーションや、ビジネスからくつろぎまで様々なシーンに対応する室内照明などでも快適性を高めているのも特徴だ。

後席の快適性のために走りや静粛性を成熟させた

後席の快適性を向上させるため、走りや静粛性にもこだわっている。新設計のプラットフォームの採用などにより、ボディのねじり剛性を従来型比で約1.5倍に。足まわりには瞬時に減衰力を切替えられるリニアソレノイド式アクチュエーターと、周波数感応バルブ付きAVSを備えて振動を軽減させている。そして、ドライブモードには後席の快適を優先させるリア コンフォートモードを用意し、停止間際の制動力配分をコントロールするスムーズストップ制御も備える。

また、静粛性では、音圧だけでなく音色やバランスを重視し、自然な静けさや森でくつろぐような心地よさに注力したという。タイヤ周辺のロードノイズやピラーまわりの風切り音、エンジンマウントの振動などの、ノイズの周波数帯と発生部位などを解析し改良や吸音材/遮音材/制振材の量や厚みを最適化している。

パワートレインは2.4L直4ターボに、フロントモーターと高出力リアモーター(eAxle)を組み合わせたハイブリッドのみを搭載。モーターを用いた4WDシステムのDIRECT4が前後駆動状態を最適化してくれる。また、最新の運転支援システム「Lexus Safety System+」を備え、安全性にも余念がない。

AMWノミカタ

先日登場したトヨタ「センチュリー」は、外観はまるでSUV。ラグジュアリーな車内空間を確保するとしたら、全高をたっぷりとったほうが都合がいい。ベントレーは「ベンテイガ」にロングホイールベースを用意することで、「フライングスパー」とは違うもうひとつのショーファードリブンを提示している。それはロールス・ロイスが「ファントム」だけでなく「カリナン」を用意してみせた手法と同じである。しかし、本気で高級ミニバンの境地を拓いたクルマはいまだかつてない。LMがその嚆矢になるか注目である。

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