サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

19歳女子レーサーがトヨタ初代「セリカ」に乗ってみた!「機械と機械が噛み合ってるカンジが旧車の魅力ですね」【令和女子旧車に乗る】

2023年春に高校を卒業したばかりの佐々木藍咲選手

Vintage Club by KINTOの旧車レンタカーで半世紀前のスペシャリティカーをお試し

近年は旧車ブームも相まってか「旧車が好き」という若者が増えている。しかし、実際に若者が旧車を見たり、触れたり、乗ったりという機会は少ない。そこでAMWでは、旧車好きな19歳の女性レーシングドライバー、佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、実際に旧車に乗ってもらい、若者の新鮮な視点からインプレしてもらう企画をスタート。第1回は、完調にレストアした旧車のレンタカーサービスを展開する「Vintage Club by KINTO」の協力のもと、スペシャリティカーの元祖である1973年式のトヨタ「セリカ1600GT」に試乗してもらった。

KYOJO CUPを戦う佐々木藍咲選手のマイカーは先代86

佐々木藍咲選手は2023年シーズンに富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で4輪レーシングドライバーとしてデビューした。近年のレーシングドライバーは「レースという競走が好きであって、クルマそのものはそこまで……」という選手も多いが、佐々木選手は根っからの旧車好きで、旧車イベントに参加したことをSNSに投稿することも。

これも三菱「ランサーエボリューションII」に乗るお父様と「AE86」に乗るお母様の英才教育の賜物と言えるだろう。ちなみに本人は普段は先代「86」のカップカーに乗っている。これが初めてのマイカーだ。

レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めるという、公私共にクルマ漬けの生活を送っている。

セリカ1600GTはちょっとアメ車っぽい!?

そんな佐々木選手が今回試乗するのは1973年式のセリカ1600GT。このクルマはトヨタ自動車と新明工業によってレストアされた旧車をレンタカーとして貸し出している「Vintage Club by KINTO」からお借りした。初めての人でも運転できるように、チョークやキャブ車特有の始動の儀式など、各種操作方法が書かれた説明書も用意されている。

セリカ1600GTを見た佐々木選手は

「メッキバンパーを中心にアメ車チックだと感じるデザインですね。アメリカのクルマに影響を受けていると感じたあたりに、昔の日本のスポーツカーらしいなと思いますね」

とコメント。そして、10代の佐々木選手にはフェンダーミラーが新鮮な様子だった。

「フェンダーミラーのクルマを自分が運転するのは初めてかもしれません! なんだかドアにミラーが無いのは不思議です」

室内に座った感想はどうだろうか。

「インテリアはアナログな印象というか、針のメーターの計器類が沢山あるのが今のクルマとの違いですね。あと時代的にパワーウインドウが付いているのは驚きました。でも一番驚いたのはステアリングです! 大きいしホーンボタンがいっぱい」

同じMT車でもはじめは戸惑うことばかり

そんな令和女子には新鮮な部分がいっぱいのセリカ1600GT。いよいよ実際に運転してもらった。レースでも普段でもMT車に乗る佐々木選手だが、最初は少し戸惑ったようだ。

「アクセルに遊びがあって反応するポイントが奥なのと、シフトレバーの位置が独特でストロークも長くて発進も簡単にはいかないですね。普通に走っていても、キャブレター車だからか、アクセルコントロールに気を使わなきゃいけないし、ブレーキも奥まで踏まないと制動が始まらないので慣れないと思ったように止まれないです。あと何よりパワステが無くてハンドルが重いです!」

試乗序盤はそんな風に苦労していた様子であったが、慣れてくるとレーシングドライバーらしいコメントをしてくれた。

「やっぱり車体が軽いからか、今どきのクルマとは違った動きをしますね。信号待ちで止まるときも、荷重の移り変わりに重さを感じない印象で今のクルマにはない感触ですね。あとこれ、足まわり変わってますよね。思っていた以上にしっかりとした印象です」

今回お借りしたセリカ1600GTは足まわりがクスコ製の車高調に代わっていたが、それを当てるとは流石レーシングドライバーである。

50年前のキャブ車ならではの魅力とは

試乗終盤には「いいですねぇ~、欲しくなっちゃいます」と口にし、すっかりセリカに慣れた様子だった佐々木選手。

しかし、試乗全般を通して印象的だったのは「難しさ」だった模様。試乗を総括して振り返ると?

「まず、運転が難しいです! エンジン始動にもいろいろと気を遣うポイントがあって、暖気も必要なので“昔はこういったクルマを普段使いしていたなんて大変だったんだな”と思いました。でも、機械と機械がかみ合っている感じがあって、旧車ならではの魅力を感じ取ることができました。だけど運転にあまり余裕がなかったので、できれば助手席での体感もしてみたかったですね」

佐々木選手は今回の試乗でより旧車の魅力に目覚めた様子。次回はどんな旧車をドライブするのか? お楽しみに。

■佐々木藍咲選手のX(旧Twitter)アカウント:
https://x.com/Rami__seven

モバイルバージョンを終了