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未来のトヨタ「ハイエース」誕生! HKSが「電気とガスとガソリン」で走る究極の「マルチエナジー」なクルマを開発しました

HKSのハイエースは「マルチエナジー」がコンセプト

2024年1月12日~14日に開催された東京オートサロン2024では、「Tune the Next」をテーマとしていたHKS。日産R35「GT-R」、トヨタ「GR86」、レクサス「LM」といったデモカーと並んで注目されていたのは、「マルチエナジー」のトヨタ「ハイエース」だ。

エンジンは発電用でフルモーター駆動のPHV

「マルチエナジー」とは、「液体」「気体」「電気」の多彩な燃料・動力源で走れるクルマということ。HKSでは、以前から天然ガスやLPガスと予備燃料としてガソリンを併せて使用することが可能なバイフューエルシステムキットなどを開発してきたが、それらをさらに進化させ、ガソリンなどの液体燃料、CNGやLPGなどの気体燃料、さらにはPHVシステムまで搭載したハイエースを作ってきた。

「HKS e-ハイエース マルチエナジーコンセプト」と名付けられたこの1台は、現在開発中のHVコンバージョンキットをインストールし、純正のエンジン本体は発電用にのみ使用。駆動力そのものはモーターが担当する。本来トランスミッションが入るスペースに、発電用と駆動用の2つのモーターが収まり、25kWhのバッテリーと燃料タンク、CNGタンクなどがすべて床下に収まっている。

ハイエースクラスの車体で、BEVにすると25kWhのバッテリー(ちなみに日産「サクラ」が20kWh)で航続距離はおよそ150km。PHVにすると燃料を満タンにしてフルチャージすれば、400~450kmの走行が可能という。

その燃料もガソリンだけでなく、CN(カーボンニュートラル)燃料も使える。そして天然ガスやLPGなど気体燃料でも動けて、プラグインハイブリッドなのでEV充電スタンドでの充電もOKだ。

非常時や停電時には電源車として給電もOK

使い道としては、トランスポーター、カーゴとしてはもちろん、キャンピングカーとしても最適。キャンピングカーにした場合、家庭用エアコンを使うにはエアコン用のバッテリーが必要になるが、このHKS e-ハイエース マルチエナジーコンセプトなら床下に25kWhのバッテリーがあるので、エンジン停止状態で、余裕を持ってひと晩中、純正のカーエアコンが動かせる。そして室内が広く使えるというメリットが!

また非常時や停電時には、電源車として給電も可能。4人家族の1日の電力消費量は約10kWh前後といわれているので、25kWhのバッテリーがあれば、2~3日はしのげることに。さらにガソリンやガスが手に入れば、もっと充電・給電し続けられる。

カーボンニュートラルなレース燃料も開発

このように、持続可能な世界、「カーボンニュートラル(CN)社会」に向けて、チューニング業界の雄、HKSがこれまでアフターパーツづくりで培ってきた技術を使って、本気でサステナブルに取り組んだのが、このHKS e-ハイエース マルチエナジーコンセプトになる。

一方で、CN燃料に関してもHKSが開発した「CNR FUEL」は、カーボンニュートラルで環境に優しいだけでなく、エンジンの出力が向上する次世代のレース燃料で、クルマをチューニングして楽しむことの持続化にも、HKS e-ハイエース マルチエナジーコンセプトはつながっているのだった。

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