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軽油は凍結する!? ディーゼルエンジン車で雪国に行くときの注意点と5種類の軽油の違いをお教えします

給油時はノズルを間違えないようにしたい

ディーゼル車は寒冷地では現地の軽油を!

今のところ暖冬といわれ、雪国でも雪が少ないとされる今シーズン(このたび、石川県能登地方で発生した、令和6年能登半島地震で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地域の寒さが緩く、雪が少ないことを祈っております)。それでもディーゼル車で、寒さの厳しい地域に行くときは、寒冷地用の軽油を給油するようにしよう。

軽油には5種類存在する

ひと口に軽油といっても、季節と地域によって5種類の軽油が販売されている。うっかり夏用の軽油で寒冷地に出かけてしまうと、寒さで軽油がシャーベット状になり、流動性を失って燃料フィルターやインジェクター内で目詰まりを起こすことがあるので要注意だ。

現在流通している軽油で、凍結を防ぐには、凍結しにくい寒冷地用の軽油を給油するのが基本となる。現在流通している軽油は、流動点の違いにより、下記の5種類がある(流動点とは、原油や石油製品の低温での流動性を示す指標)。

・軽油の種類 流動点(JIS規格(JIS K 2204))
JIS特1号 +5℃以下
JIS1号 -2.5℃以下
JIS2号 -7.5℃以下
JIS3号 -20℃以下
JIS特3号 -30℃以下

ざっくりいうと、夏場は1号または特1号、冬場は2号、寒冷地は3号、真冬の北海道だと特3号といった分類だ。一応補足しておくと、低温での流動性は低ければいいというものではない。低温流動性はセタン価とトレードオフで、流動点が下がると、セタン価も下がってしまうからだ。

セタン価とは、ガソリンでいえばオクタン価のようなもの。自己着火のしやすさ、ディーゼルノックの起こりにくさを示す数値であり、セタン価が下がると、始動性が悪くなり、燃焼効率も落ちるので、エンジン出力や燃費性能の低下を招いてしまう……。したがって、軽油は地域・季節に合ったものを給油するのが基本となる。

寒冷地以外の人が、スキーや里帰りで寒冷地に出かけるときは、目的地に到着するタイミングで、燃料が半分程度になるように調整し、目的地に着いてから、速やかに現地のガソリンスタンドで給油するのがベスト。

また寒い地方の高速道路のSAのガソリンスタンドなら、冬場は3号軽油を取り扱っているので、夜間や人口の少ない街に行くときは、早めに高速道路で給油しておくと安心だ。また「軽油凍結防止剤」といったものも売られているが、これはどちらかというと軽油のホームタンク用の製品なので、自動車メーカー側は利用を控えて欲しいと言っている。

凍結した場合は太陽に当たるのを待つしかない……

なお、万が一、軽油が凍結してしまった場合は、日が昇って太陽が出るのを待ち、軽油が自然解凍するのを待つしかない……。急いでいる場合は、燃料フィルターにお湯をかけたり、別のクルマをエンジンルームの直前に止めて、そのクルマの排気ガスがエンジンルームに流れるようにして、燃料系統を温めるという力業も考えられる。あとは諦めて、JAFやロードサービスを呼んで、整備工場まで運んでもらうしかない。

もうひとつ、豆知識だが、じつはガソリンも夏仕様と冬仕様では若干違いがある。冬用のガソリンは低温時の揮発性(蒸気圧)を高めてエンジン始動性を高めており、夏用のガソリンは、高温時の揮発性を抑えて「ベーパーロック」の発生を抑えているのだ。もっとも、ガソリンの凝固点は約-90℃〜約-95℃といわれているので、自然界ではまず凍る心配はないが、覚えておいて損はないはずだ。

また軽油もガソリンも時間とともに劣化するので、できるだけ半年以内に使い切るようにすることも忘れずにしたい。

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