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「ブラバス=チューニング」だけじゃない! クラシック部門が手掛けた60年代の「280SL」が新車以上の仕上がりと話題に

メッキパーツは当時以上のクオリティに

ヴィンテージ・モデルをレストアも行っている

ブラバスといえば、誰もがその名前を知るメルセデス・チューナーのトップ・ブランドです。彼らの存在をとりわけ有名にしているのは、スーパーカー・シリーズと呼ばれる一連の超高性能車で、メルセデス・ベンツ、あるいは近年ではAMGモデルまでをベースに、1000psクラスの最高出力を叩き出すチューニング・モデルを続々と発表。それはメルセデスAMGが演出するパフォーマンスや、同様にマイバッハによるラグジュアリーの世界では満足できないスーパーリッチの心を常に捉えて離さないのです。

2年間の保証と車両の真正性を記した証明書が渡される

ブラバスが創業したのは1977年の話だが、現在に至るまで彼らの急成長ぶりはメルセデス・チューナーの中でも特別な例として語られるようになった。そして現在のブラバスには、チューナーとして、そしてメルセデス・ベンツを始めとする新車販売ディーラーとしての側面のほかに、さらにもうひとつ重要なビジネスがある。

それが「ブラバス・クラッシック」と呼ばれるもので、これは彼らが持つクラフトマンとしてのテクニックを背景に、メルセデス・ベンツのヴィンテージ・モデルをレストアするもの。ブラバスが本社を置くボットロップには、5つの生産施設からなる巨大な工場が存在しているが、ブラバス・クラッシックもまたこの中に拠点を構えている。

今回紹介するのは、先日フルレストアが終了したばかりの1968年式「280SL」。W113型と呼ばれる、このセカンド・ジェネレーションのSLは、1963年のジュネーブ・ショーでオフィシャル・デビューを飾り、1971年にサード・ジェネレーションとなるR107型SLに市場を譲るまで生産が続けられるが、280SLは250SLの発展型として1968年に誕生した、いわばこの世代の最終進化版ともいえるもの。フロントに搭載されるエンジンは、2.8Lの直列6気筒SOHCで最高出力は170ps。200km/hの最高速を誇ったこの280SLは、1971年までに2万3885台が生産された。

ブラバスによる280SLのレストアは、彼ら自身が「6スター・レストレーション」と呼ぶことからも想像できるように、まさに新車同然のコンディションを取り戻す驚くべきクオリティで進められている。

パゴダルーフと呼ばれる個性的なルーフももちろんボディと同様に美しく再生され、オープンでもソフトトップでも、そしてハードトップでもカスタマーは快適な走りを楽しむことができるのだ。

ブラバス・クラッシックのファクトリーに入れば、そこには何台ものむき出しに剥がされたシャシーを見ることができるだろう。このシャシーももちろんレストアされ、メルセデス・ベンツの工場を出た時よりもはるかに良いコンディションで、新車同然のボディとインテリア、あるいは配線の1本に至るまでを新品としてブラバスからデリバリーされていくのだ。ブラバスによるレストアの恩恵で、この280SLは現代の後継車に匹敵するほどの魅力を新たに得ることになったといってもよい。

ブラバス・クラッシックでレストアされたモデルには、2年間の保証とともに、車両の真正性を記した証明書がオーナーに手渡される。ブラバスは新車と同じように、クラッシック・モデルをチューニングの素材とすることには反対する姿勢を貫いているが、レストアによってクラッシックの価値を高める方法は知っている。それこそが彼らをトップ・ブランドの座に導いた理由のひとつなのだろう。

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