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ハコスカGT-Rの時代を終わらせたマツダ「サバンナRX-3」箱車の祭典で走ったのは「マツダオート東京 寺田陽次郎仕様」でした

この日はエンジンの回転がスムーズに上がらず、本来は1万回転まで回るが6000回転までしか使えなかった

富士GCビクトリー200kmレース仕様車を再現

去る2023年10月29日に富士スピードウェイを会場として『POWER&TORQUE』という名のイベントが開催され、その中で箱車レーシングカーの走行枠が設けられました。『箱車の祭典2023』と銘打って実施された走行枠に参加していたマツダ「サバンナRX-3」を紹介します。

箱車の祭典とは?

1990年までの純レーシングカーによるClass 1と、1990年までの市販車ベース車両によるClass 2が設定され、前者はGr.CカーやGCカーなど、後者はツーリングカー、TS、ワンメイク車両などが対象となった。

ロータリーは敵なしというフレーズまで生んだマシン

Class 2には、3台のマツダ サバンナRX-3がエントリー。その中の1台が1977年式の「サバンナRX-3 マツダオート東京 寺田陽次郎仕様」であった。

このマシンは1974年の富士GCビクトリー200kmレースに出場したマツダオート東京仕様を再現したもので、そのボディカラーは後年登場したRX-3をベースとしたマツダオート東京初のGr-5マシン、251の配色であり、1979年のル・マンに出場したRX-7 252iのカラーリングのベースとなったものだ。

オーナーの辻 良冶さんに何ゆえにこのカラーリングをチョイスしたのかを伺ってみると、このように話してくれた。

「私の周りにこのカラーリングにしたサバンナRX-3がいなかったので選びました。1974年にシグマMC74でル・マン24時間レースに初出場し、以後2008年までの間に27年連続出場を成し遂げ、全29回もル・マンに出場した寺田陽次郎さんは、まさにミスター ル・マンです。日本人ドライバー最多記録ですからね。実は、もう1台、マツダオート東京仕様にしたRX-3を所有しており、それは赤白カラーです。15年前に製作しました。今回、箱車の祭典で走らせたサバンナRX-3は5年ぐらい前に購入したもので、2年前にマツダオート東京 寺田陽次郎仕様にモディファイしました」

輸出用の12Aエンジンを搭載しているサバンナRX-3は、圧倒的な速さでロータリーエンジン VS ハコスカGT-Rという構図を終わらせ、ロータリーは敵なしというフレーズまで生んだエポックメイキングなマシンだ。わずか4年数カ月で国内レース100勝を達成するなど、さまざまなエピソードを残している。

辻さんの愛車もエンジン、サスペンション、ブレーキなどに手が加えられており、数あるサバンナRX-3レーシングレプリカの中でも格別のスピードを誇っている。箱車の祭典のときはエンジンの回転がスムーズに上がらず、本来は1万回転まで回るが6000回転までしか使えなかったそうだ。クルマが完成してから本気モードでのサーキット走行は2回目とのことだったので、次回はきっちり1万回転の咆哮を聞かせてくれるだろう。

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