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700馬力にアップしたマクラーレン「アルトゥーラ」にスパイダーが追加! 11秒で開閉し最高速は330キロ!!

V型6気筒ツインターボを装備。最高出力は700ps

新たなオープンモデルが登場

マクラーレン「アルトゥーラ」といえば、新開発の120度V型6気筒ツインターボエンジンにエレクトリック・モーターを組み合わせたハイパフォーマンス・ハイブリッド・スポーツカーとして知られていますが、そのラインアップに新たにオープンモデルの「アルトゥーラ スパイダー」が加わることになりました。その特徴をお伝えします。

開閉時間は11秒

このアルトゥーラ スパイダーの開発にあたっては、単なるオープン化ではなく、これまでのアルトゥーラからさまざまな改良が施されているのだが、同様のアップデートはクーペモデルに関してもMY25(2025年モデル)以降、採用される予定となっている。ちなみにスパイダーモデル、クーペモデルともに、このMY25のデリバリーは2024年後半に開始される。

まずは完全なニューモデルであるアルトゥーラ スパイダーの特徴を見ていこう。マクラーレンが選んだルーフはRHT=リトラクタブル・ハードトップ。その開閉には8個のモーターが使用され、2個がルーフパネルを折りたたみ、同じく2個がトノ・カバーを昇降。2個がトノー・バットレス先端のエアロカバーを制御し、1個がリアウインドウの昇降を、そして残る1個はRHTのラッチ機能を担う仕組みになっている。

開閉に必要な時間は11秒。走行中でも車速が50km/h以下ならば開閉可能であると同時に、このルーフ形状もエアロダイナミクスを考慮した、そして徹底的に重量の削減に取り組んだものになっている。ちなみにスパイダーモデルとクーペモデルの間には62kgの重量差があるが、このほとんどはRHTの作動メカニズムによるものだ。スパイダーモデルの乾燥重量は1457kg。マクラーレンはあえてそのブランドを明確にすることはなかったが、コンバーチブルの競合車と比較して、最大83kgも軽量だという。

アルトゥーラ スパイダーのコアとなっているのは、もちろんMCLA=マクラーレン・カーボン・ライトウエイト・アーキテクチャーだ。このMCLAにはカーボンファイバー製モノコックのほかに、フロントのアルミニウム製衝撃吸収ストラクチャー、ハイブリッド・パワートレインを搭載するリア・ストラクチャーも組み込まれる。

さらに革新的なイーサネット・エレクトリカル・アーキテクチャーも組み込まれており、それによってケーブルは25%減少。その重量低減もまた小さな数字ではなかったという。このエレクトリカル・アーキテクチャーもまた、スパイダーの開発段階で最適化が図られ、データ容量と転送速度が増加した、進化型アルトゥーラの特長のひとつである。

最高出力は20ps増加の700ps

ミッドに搭載されるエンジンは、120度のバンク角を設定したV型6気筒ツインターボ。こちらもアルミニウム製のブロックを採用したことをはじめ、軽量化には徹底した姿勢が貫かれている。その重量はマクラーレンがスーパーカーに使用するV型8気筒ツインターボより50kgも軽い160kg。最高出力はこれまでの680psから20ps増加し700psに、最大トルクの720Nmには変化はない。

マクラーレンによれば、その吹け上がりはとても鋭く、それはツインターボのシステムをV6エンジンのバンク角中央に配置する「ホットインサイドV」の設計を採用したところに大きな理由があるのだという。潤滑方式はドライサンプでエンジンの搭載位置を低下させると同時に、それは車体全体の重心をより低く設定させることに貢献した。

このV6エンジンに組み合わされるトランスミッションは8速のSSG(DCT)。そのベルハウジングの中には最高出力で95ps、最大トルクでは225Nmを発揮するエレクトリック・モーターが内蔵されているが、こちらも重量は15.4kgしかない。リチウムイオン方式のバッテリーパックは5個のモジュールで構成され、容量は7.4kWh。重量は88kgとこちらも注目できる数字が並ぶ。その他のコンポーネントを含めたハイブリッド・コンポーネントの総重量はじつに130kg。EV走行距離が33kmにまで伸びたのも、カスタマーには嬉しい進化といえるだろう。

最高速度は330km/h

アウトゥーラ・スパイダーの加速性能は、オフィシャル・データによれば、0-100km/hが3.0秒、0-200km/hが8.4秒、0-300km/で21.6秒。最高速度はリミッター制御により330km/hに抑えられている。もちろんこの運動性能を得るためには、そしてサーキットなどで十分に満足できるドライビング・ファンを感じるために、新たなエンジンマウントを開発したほか、シャシーでも大幅な改良をアルトゥーラに加えている。乗り心地とハンドリングはさらに見直され、ドライバー・インプットや路面変化へのレスポンスも向上した。ESC=エレクトリック・スタビリティ・コントロールの介入も調整可能で、ドライバーの好みで走りのテイストを選択できる。

コンフォートがデフォルトとなるハンドリングモードは、ほかにスポーツとトラックを用意。またそれとは別に用意されるパワートレインモードは、EV走行のEモードがデフォルトとなり、そこからコンフォート、スポーツ、トラックへと、エレクトリック・モーターをよりアグレッシブに使用する設定へと変化していく。

RHTを得て、スタイル的にもクーペとはやや趣の異なるスポーツカーに仕上がったアルトゥーラ スパイダー。それがアルトゥーラ・シリーズのセールスに、大きな追い風を巻き起こすことは間違いのないところだろう。

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