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アストンマーティン新型「ヴァンテージ」の最強布陣が完成! 市販モデルと80%を共有した「GT4」とは

複数のタイトルを獲得したマシンを継承して進化した

アストンマーティンは2024年2月27日(英国)、新型「ヴァンテージ ロードカー」と「ヴァンテージGT3レーシングカー」の発表に続き、新型「ヴァンテージGT4」を発表しました。従来のマシンから大きく進化した次世代GTレーシングカーとは一体どのようなものなのでしょうか。

今や伝説となったDBR9を手がけたアストンマーティン・レーシングが開発

アストンマーティンのGTレースにおけるラインアップに新型ヴァンテージGT4が加わることにより、2024年シーズンに向けてGTレースでの最強のラインアップが完成することになった。

新型ヴァンテージGT4は、先代モデルの実績に基づいて開発されており、新型ヴァンテージ ロードカーに採用された性能および技術面の向上の恩恵を受けたモデルとなっている。シャシー、エアロダイナミクス、ドライブトレイン、効率性能などに多くの改良が加えられていて、GTレースのジュニアカテゴリーにおいて即戦力になると考えられる。

ヴァンテージGT3と同様、新型ヴァンテージGT4もアストンマーティン・レーシング(AMR)によってデザイン、設計、製造された。アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーターは次のように説明した。

「新型ヴァンテージGT4は、従来のマシンを大きく進化させたものです。アストンマーティンのロードカーとレースカーのプログラム間のシナジーをより高めることで、チームやドライバーに高く評価されてきたGT4の主要な特質は保持する一方で、AMRは新型ヴァンテージ ロードカーに施された改良を活用し、スピードと効率を向上させることができました」

ロードカーをベースにしながら新技術を投入

ヴァンテージGT4は市販の兄弟車と非常に近い装備を備えており、レースカーはロードカーの構造およびメカニカルアーキテクチャの約80%を共有している。その中心となっているのがボンデドアルミニウムシャシー(接着アルミニウムシャシー)だ。さらに、4LツインターボV8エンジンとトランスミッションは、いずれもヴァンテージ ロードカーのコンポーネントをベースにしているが、電子制御システムは変更されている。GT4選手権の主催者が定める厳格なBoP(性能調整)の基準を満たすために、エンジンの管理とターボ制御システムは正確にコントロールされる。

デザインについてはレギュレーションによりわずかな変更しか認められていないため、ヴァンテージGT4の外観は、新型ヴァンテージに酷似したものとなった。ボディ・パネルの大半は、標準的な市販モデルのものだが、ボンネットは例外で、エアアウトレットが装備されており、サステナブルな天然亜麻繊維の複合材で作られ、コルクの芯材で補強された。さらに、大型のフロントスプリッターを装備し、新しいリアウイングが追加され、その結果、従来のヴァンテージGT4に比べてダウンフォースが増加し、空気抵抗が減少している。

いっぽうで、気流管理、特にエンジンとブレーキへの冷却気の管理にも注意が払われており、リアウイング上の気流を乱すことなくこれらを改善させている。ラジエーターの開口部が大きくなったことで、エンジンの冷却システムに流れ込む空気量も増えているのだ。

6年間の膨大なデータをもとに開発

足まわりでは、AMR仕様の特注鍛造のアルミホイールが新たに採用され、有名なサスペンション・メーカーとの技術提携の一環として提供された、新たな2ウェイ調整式KWダンパーが設定される。6年間にわたるドライバーからの膨大なフィードバックに基づいて開発され、より正確でコントロールしやすいいっぽう、特にドライバーから好評だった扱いやすさや操作性も維持された。

2024年シーズンの活躍が期待される

新型ヴァンテージGT4は、2024年1月にアメリカ・フロリダ州で開催されたロレックス・デイトナ24時間レースのIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジで国際レースデビューを飾った。すでに数台のマシンが顧客チームのもとに届いているほか、AMRは2024年シーズン中に40台以上のオーダーを受注生産するため、多忙を極めているのだ。

2009年に世界の舞台に登場して以来、アストンマーティン ヴァンテージGT4はさまざまなモデルチェンジを経て、世界中のGTシリーズや耐久イベントで常にクラス優勝を果たしてきた。この勢いを持続させ、こうした遺産を引き継ぐことで、新型ヴァンテージGT4は2024年シーズンもチームとドライバーを勝利に導く最強のGTレーサーとして君臨していくことになるだろう。

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