BMW製イセッタの4輪バージョンでトダクラシックカー同窓会に参加
埼玉県戸田市の道満グリーンパークで2023年11月23日に開催された「トダクラシックカー同窓会」はこれで2回目。初めて出会ったオーナー同士でも気軽に交流できる雰囲気で、マニアックなモデルで参加する人も多いのが特徴です。今回は、戦後の欧州が生んだマイクロカー「イセッタ」の4輪版、BMW「600」のオーナーに話を聞いてみました。
BMWによるスタイリングに惚れて購入
「10年ぐらい前からBMW 600のことが欲しくて、ずっと探していたんですね。売り物情報を気にしていたら、2019年に国内のオークションに1958年式のBMW 600が出てきたので、それを知り合いのクルマ屋さんを通して落札してもらいました」
そのように話してくれた“さとう”さんの愛車であるBMW 600は、3輪マイクロカーの雄である「イセッタ」の4輪版といえるモデルで、1957年に登場した。BMWが1955年からイソ社のイセッタをライセンス生産していたので、自社製エンジンを積み、ボディをひとまわり大型化したBMW 600をリリースできたのだ。
バブルカーと呼ばれることもある超小型車は、ヨーロッパの戦後経済復興がいまだ進展していない中で人々の移動の足として一時的に人気を集めていたので、BMWもマーケットに参入していたわけである。
「前開きのドアで乗降するところがこだわりのポイントです。BMW 600も車体の正面がガバッと開くため、丸みを帯びたボディのプロポーションがイセッタとよく似ていますが、BMWが手がけたBMW 600のスタイリングが気に入ったので購入しました」
M3を乗り継いで現在は2台のBMW製EVとレトロな600という体制
現在、2019年式「i3」と2023年式「iX1」という2台のBMW製EVを所有しつつ、レトロなマイクロカーのBMW 600もガレージの肥やしにすることなく、普段使いで愛用しているそうだ。
「今回のようにイベントに参加するときにBMW 600に乗っていますが、足グルマでもあるので、結構走っています。高速道路上でエンジンブローしたこともありましたよ。今後、とりあえず関東圏を制覇というか走破したいですね」
“さとう”さんに過去の愛車を伺うと、E36型BMW「M3」からE46型M3に乗りかえ、その後、E46型「M3 CSL」にチェンジしたとのことだったので、現在は電動BMWを所有しているが、やはり根っからの走り好きなのであった。
「いま、各部の純正戻し作業をコツコツやっています。順調にノーマルになってきたら塗装をやり直したいですね。オレンジを基調としたツートーンカラーにしたいです」
現在のボディは左右ともリアを自分で塗装したとのこと。オールペンされて元気に走っているBMW 600に、関東のどこかで巡り会える日もそう遠くないことだろう。