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いまやホンダ「NSX タイプR」は6700万円! 日本から流出したのは、走行2万キロ未満の極上コンディションでした

45万ドル(邦貨換算約6705万円)で販売が継続されているホンダ「NSX タイプR」(C)Courtesy of RM Sotheby's

今後コレクターから高い人気を集めることは間違いない

2024年3月1日〜2日、RMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいてホンダ「NSX タイプR」が出品されました。生産台数はわずか483台のみでありながら、走行距離は驚くことに1万8500kmという素晴らしいコンディションでした。注目のオークション結果をお伝えします。

約3年間にわたって生産が継続されたNSX タイプR

1980年代半ば、日本の本田技術研究所の中では、世界にその存在を知らしめる最高峰の技術を投入したハイパフォーマンス・スポーツカーを開発できないかという議論が巻き起こった。直接のライバルは、当時フェラーリが生産していたV型8気筒ミッドシップの「328」シリーズ。1983年からF1GPにエンジン・サプライヤーとして参加していたホンダにとって、フェラーリを仮想敵とするロードカーを生産することは、もちろん大きな夢であった。

その基本構想には、さまざまな意見が渦巻いたものの、結局は比較的スムーズにまとまったとされる。高性能なエンジンをミッドシップし、オールアルミニウム製の軽量なボディを採用する。エンジンは当時「レジェンド」に使用されていた2.7LのV型6気筒をベースにしたもので、その排気量を3Lに拡大すると同時に、DOHC、そしてVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を採用。市販モデルの発表は1990年9月13日だった。

そのNSXのラインアップに、さらにハードコアな「タイプR」が追加設定されたのは1992年11月17日のことになる。搭載エンジンそのものの型式に変化はないが、クランクシャフトやピストン、コネクティングロッドといったエンジン内部の構成部品は改めてバランシングされ、重量精度とともにレスポンスを向上。ファイナルドライブ比も見直され、LSDもよりロック率の高い仕様へと改められた。

今後の値動きにも注目

一方でよりストイックな走りを追求するために、軽量化もさらに徹底されている。スタンダードなNSXでは標準装備となるオーディオやエアコン、トラクションコントロール、スペアタイヤ、電気系統の一部までもが装備リストからは削除され、代わりにレカロ製のカスタムレーシングシートとエンケイの軽量鍛造アルミニウム製ホイールが装備された。遮音材もその多くは廃止され、バンパーやドアビームもアルミ化といった具合に、軽量化策を積み重ねた結果、タイプRの車重は1230kgにまで低減することが可能になったのである。

シャシーを強化するため、フロント・バッテリー・トレイの下と、フロント・ラジエターの前方にアルミ製のブラケットを追加。サーキットでの高速コーナリングからの急激なオーバーステアを防ぐため、フロントのスタビライザー、サスペンション・ブッシュ、コイルスプリング、ダンパーなどが専用部品に改められている。サスペンションのセッティングもタイプR独自のものだ。

この究極のNSXともいえるタイプRは、実質的には約3年間にわたって生産が継続されるが、2002年にはその直接の後継車となる「NSX-R」が誕生。それによってこの出品車は新たにNA1型と呼ばれるようになったものの、リトラクタブル形式のヘッドランプを持つスタイルや、わずかに483台という生産台数、しかも、すべて日本市場で販売されたという事実を考えれば、今後コレクターから高い人気を集めることは間違いない。

ちなみにこの個体は、新車からの走行距離が1万8500kmという素晴らしいコンディションを持つもの。RMサザビーズでは45万~55万ドル(邦貨換算約6705万円~8195万円)のエスティメート(予想落札価格)を掲げたが、残念ながらオークションでは落札に至らず、現在でも45万ドル(邦貨換算約6705万円)で応談という条件のまま販売が継続されている。

これから続々と世界のオークション・シーンに現れるだろう日本のスポーツカー。その値動きには注目しておきたい。

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