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生産終了のBMW「i3」にセダンタイプがあった!? 見た目は「3シリーズ」なのにサイドビューに違和感…読めない漢字の謎のBMWとは【みどり独乙通信】

宝しか読めません

自動車輸出台数が世界1位の中国

ドイツ在住でモータースポーツを中心に取材活動を続ける池ノ内みどりさんは、ある日ミュンヘン市内の近所でおそらく中国向けのEVカーの怪しいBMWを発見しました。中国が2024年の1年間に輸出した自動車の台数は、585万9000台。2年続けて年間の自動車輸出台数で世界1位となる見通しです。自動車事情について、読み解きます。

近所で怪しいBMWを発見

新春の1月2日には雪が降って少し積もったミュンヘンですが、北海道や東北、日本海側、甲信越地方等、日本の積雪に比べたら少ないものです。気温が上がるとすぐにすべて溶けてしまいます。

さて、2024年末から自宅の近所で何やら怪しいBMWを見かけます。後ろに回ってモデル名を見てみると、何やらよく分からない漢字と「i3」が記されています。ドイツでi3といえば、もう生産終了となったコンパクトEVカーのことですが、こちらはセダンタイプ。

中国語は解読不明ですが(AMW注:「华晨宝马(華晨宝馬)」=中国の華晨汽車とBMWの合資会社の名前)、「eDrive 35L」と記されているのでロングバージョンでしょうか。おそらく中国向けのEVカーではないかと予想しています。中国の方は「3シリーズ」のロングボディをお好みなのですね。車幅は3シリーズのままで、全長が長いのが好まれるのでしょうか?(AMW注:i3は中国で販売されている3シリーズのBEVで、現在はホイールベース2966mmのロング版のみがラインナップ)

おそらく日本人の方だと、3シリーズで全長が短いなと感じられる方は5シリーズを購入されるような気がしますが、さてみなさんだったらどうされますか? ホイールベースが長いと、内輪差が大きいので慣れていない方はちょっと難しいかな? と思いましたが、余計なお世話ですよね。(AMW注:ちなみに中国では5シリーズもロング版が好まれている)

中国・韓国勢の存在が光ったIAA MOBILITY

ミュンヘンにはBMWの本社や広大な研究施設があるのですが、お昼休みや通勤帰宅ラッシュ時には、ここは中国? と一瞬思ってしまうくらいに数多くの中国人の方々をお見かけします。このi3以外にも中国語が記載されたクルマを時々見かけるのですが、きっとBMWと一緒に開発をしているのでしょうね。ドイツ車EVカーの大幅落ち込みが激しかった2024年。この2025年は果たして少しでも回復するのでしょうか?

フランクフルトから移行して、2021年にミュンヘンで初開催となった「IAA MOBILITY」を訪れた際には衝撃を受けました。当時はまさしくEV一直線という感じな風潮もありましたので、ここはドイツではない? と思ったほどに、中国と韓国の自動車メーカーに占領されていた雰囲気でした。

会場は郊外のメッセと市内中心地のオープンスペースで開催されるのですが、とくにメッセ会場は中国人と韓国人だらけ! それほどそれらの国々がヨーロッパ市場の拡大を狙っているということですよね。

IAA MOBILITYがフランクフルトで開催されていた時代は、日本の自動車メーカーは盛大な展示ブースを構えていましたが、ミュンヘンに移ってからは日本メーカーの出展はまったくなくなってしまいました。2年おきに開催されるIAA MOBILITYですが、ミュンヘンへ移ってから2025年で3回目。いまから9月の開催をとても楽しみにしています。運が良ければ、来場者にノベルティも配布されますからね!

中国経済が成長を続ける

いまや世界の経済は中国が中心といっても過言ではありません。以前にフォルクスワーゲンの本社に行った際には中国ナンバーのクルマが停まっていましたし、ル・マン24時間レースの際にも中国ナンバーのクルマを見かけました。

さまざまなメーカーが中国向けの製品を開発しているのですね。2024年にヨーロッパ最大級と称するメルセデス・ベンツのイベントに初参加したのですが、日本仕様のクルマを逆輸入して乗っておられる方が何名もいらっしゃいました。台数限定のクルマもありましたので、かつて日本が販売ターゲットだったときには、いまの中国のように日本用のクルマを特別に作っていたのかも知れませんね。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら

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