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「2025年は冒険の1年にします」ブリッド高瀬社長に「スポーツ性能と腰痛対策を軸に新商品を開発する」真意を聞きました【Top interview】

ガイアスIII(参考出品)に座る、BRIDE株式会社 代表取締役社長 高瀬 嶺生氏

大事なのは考えたら即行動に移すこと

2025年1月10日〜12日に千葉県幕張メッセで開催された東京オートサロン2025。その会場で行われたBRIDE(ブリッド)のプレスカンファレンスでは高瀬嶺生社長が「今年は挑戦の年ではなく、冒険の年になる」と語っていました。AMWでは高瀬社長に単独インタビューを行い、「冒険の年」の真意とその中身についてお話を伺いました。

2025年はスポーツ性能と腰痛対策を軸にシート開発を進める

──社長がおっしゃる「冒険」とは、具体的にはどんな内容になるのでしょうか。

「具体的には広告費ですね。通常、景気が悪い時期は広告費を削減します。しかし、ブリッドは反対に広告費を増やしています。例えば、トヨタがらみでモータースポーツの協賛スポンサーになっています。海外、国内情勢が厳しいからこそ、原点回帰でモータースポーツの現場をもう一度、掘り起こしていくことの重要性を感じているからです」

──身体に優しいシートにも力を入れていくというお話でしたが。

「そうです。2025年は『腰痛になりにくく、疲れにくい』シートづくりにも重点を置いていきます。モータースポーツとコンフォートシートには、じつは共通点が多いので、2025年はスポーツ性能と腰痛対策、どちらもアクセル全開、ノーブレーキで開発を進めていきますよ。それが私の話した『冒険』といった真意です。『挑戦』よりもさらに上の言葉を使った方がわかりやすいと思ったので。

2025年は、世の中のルールが大きく変わる荒れた年になるでしょう。でもだからといって様子見で過ごすのではなく、その逆方向で、みんながもう一回やろうという意識が強いのが私たちブリッドなんです。アフターマーケット全体を見ても、どこかあきらめムードとその反対との二極化があるように思えます。ブリッドは後者ですから、2025年もメイド・イン・ジャパンの商品をもっと強く出していくつもりです。だから新製品を次々出していきます。大事なのは考えたら即行動に移すこと。『いいな』と思ったらすぐ動くフットワークの良さ。それをブリッドは大事にしたい。いい意味での昭和回帰かな。

デザインもクラシックモデルがすごく売れたりしてきているし。新しいものは新しいもので日々展開していきますが、1980年代の懐かしいテイストも取り入れていくのがすごく大事だと考えています。

もうひとつは海外へのアピール。どれだけJDMという文化を海外に伝えていけるかですね。それはブリッドのシートだけではなく、いろいろなパーツメーカーが一体となって、自信をもってアピールしていく。それが苦しい現状を打破するためのカギになってくるのではないでしょうか。あれもこれもやることが多くて、てんてこ舞いになりそうですが、体力をつけて、密度の濃い仕事をこなし、冒険の1年にしていきます!」

* * *

「現状維持は後退の始まり」とは松下幸之助の言葉だが、ブリッドが日々新しい製品を開発し続けているのも、厳しい時代を生き抜くため。生き残るのではなく、何があっても生き抜くという強い意志が伝わってくる。

そういう意味で高瀬社長は平時の経営者ではなく、有事の経営者で、晴天型の社長ではなく、荒天型の社長なのだろう。

だからブリッドの製品は面白いし、開発の射程が長いので、購入しても長期間使える。そんなブリッドが、次にどんな一手を打ってくるかが気になるので、2025年もブリッド製品から目を離せない1年になりそうだ。

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