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スタッドレスからサマータイヤへの交換時期到来…今さら人には聞けないタイヤ交換の手順や必要な工具を説明します

ホイールナットはあらかじめ緩める

作業の難易度は高くないが注意点もある

寒い冬はもう少し続きそうですが、3月になりまもなく春を迎えます。そろそろ夏タイヤを履く時期が近付いていますが、専門店に持ち込んで履き替えをするのは意外とお金がかかります。とはいえDIYで交換するには……と悩んでいる方に向けて、今回は交換方法と注意点についてお伝えします。

タイヤ交換は舗装された平坦な地面の上が鉄則

作業の難易度こそ決して高くないものの、舐めてかかると大事なクルマを壊し、大きなケガを負いかねないのがタイヤ交換。最初に気を付けるべきことは作業する場所だ。舗装されていない砂利や土の上はもってのほかで、アスファルトやコンクリートであっても傾斜があるのはNGとなる。地面が未舗装ならジャッキが沈んで外れる可能性があり、傾斜が大きい場所もクルマが傾き倒れてしまう恐れがある。タイヤ交換は舗装された平坦な地面の上が鉄則と覚えておこう。

クルマを固定してからナットを外す

あらためて説明するまでもないがパンクなど非常時を除き、一般道や店舗の敷地内で作業するのも絶対に慎むべきだ。自宅もしくは自分が借りている駐車場で、周囲の安全を確認したうえで作業しよう。

場所が決まったらクルマが動かないようサイドブレーキを引き、交換するタイヤの対角線上にあるタイヤを輪止めで固定する。次に車載もしくはカー用品店などで売っている十字型のクロスレンチを使い、4本すべてのホイールナットを緩め、ホイールキャップがある場合は外しておく。

ジャッキアップポイントを確認する

続いていよいよジャッキアップに入るが、先にジャッキをかける場所を調べておこう。多くはボディ下部のタイヤから遠くないところで、フレームに切り込みが入ったポイントがある。もし判断が難しければ取扱説明書を読むか、無理せずプロの手に委ねたほうがいい。

ジャッキアップする場所が分かったら慎重に車体を持ち上げて、タイヤが完全に浮いたら再びレンチでナットを回して取り外す。なお極端に高く上げる必要はなく、地面から少し離れた程度で十分だ。

対角線の順番で締めていく

次は交換するタイヤをハブボルトへ取り付け、外したナットを対角線の順番で締めていく。大切なのは締める順番で対角線上がお約束だ。仮にクルマが4Hなら上→下→左→右。5Hは上→右下→左→右→左下と、星を描く要領で締めていこう。なお取り付けるタイヤは事前に傷などが付いていないか確認し、ハブボルトに石や砂が噛み込まないよう掃除するのも忘れずに。

また、回転方向が指定されているタイヤなら、逆向きになっていないか1本ごとに確認する。なおナットは1本ずついっきに締めるのではなく、上に書いた順序で数回に分けて締めていこう。タイヤを手で揺すってガタ付かないようであれば、ジャッキを下ろし着地させてから本締めを行なう。

トルクレンチで規定トルクをかける

ここで必須なのが「トルクレンチ」だ。名前のとおりナットを締め付ける強さを測定するレンチで、設定したトルク以上の力がかからずハブボルトを傷めない。走行中にタイヤが外れたら大変と力いっぱい締めすぎると、逆に緩み、最悪の場合はハブボルトが千切れてしまう。トルクレンチはホームセンターやカー用品店で売っており、価格も安ければ4000〜5000円と比較的リーズナブルだ。

タイヤ交換の工賃が5000円〜と考えると買っておいて損はなく、そもそもトルクレンチ抜きでタイヤ交換するのは絶対に止めるべきだ。締め付けトルクは乗用車で90〜110Nmというのが定説だが、人間の感覚で均等に締めるのはとてもじゃないが不可能で、手で思い切り締めるとその数値を簡単に上まわってしまう。4本のタイヤを交換し終えたら空気圧が適正か確認し、100kmほど走った後にトルクレンチで増し締めする。

工具も車載だけでは万全ではない

以上でタイヤ交換が終了だ。思った以上に気を付ける点は多く、工具も車載だけでは万全ではない。最低でもトルクレンチとエアゲージは必要で、効率よく作業するならシザースジャッキや、フロアジャッキも揃えておきたいところ。くれぐれも費用の節約ばかりを優先し、安全を軽視しないよう注意してほしい。

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