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ポルシェ「911ダカール」も北の大地を走った! 1000キロ弱のアドベンチャーラリー「シバレルラリー2025」に見る「大人の雪遊び」とは?

ポルシェ 911 ダカール:No.99 TEAM TRIPLE CAUTION!!!(佐野新世/新田和典)

一度体験するとやめられない!

2025年も冬の北海道を満喫する「Shibareru Adventure Rally 2025(通称:シバレルラリー)」が2025年2月21日~24日の3泊4日の行程で開催となりました。北の大地が真っ白に覆われる、なかなか足の延ばしづらい時期ではあるものの、だからこそ、この北海道の美しい風景を、モータースポーツを楽しむ仲間と共有したい。そんな想いから始まったこのイベントも今回で5回目を数え、過去最多の31台、57名と3頭が参加しました。

参加車両は軽トラックから本格クロカンモデルまで

今回のルートは道東を巡る1055km。新千歳モーターランドでの車検およびブリーフィング後にSS(ラリーで使用されるスペシャルステージではなくシバレルラリーでは「滑らすステージ」と呼んでいます)を行ってから各車がスタート。北上して占冠村から東大雪山麓を抜けて帯広までの215.75kmが初日のルート。2日目は十勝スピードウェイを経由して弟子屈までの285.3kmを走行。3日目は弟子屈から斜里、サロマを巡り、紋別までの303.2km、最終日は旭川へ向かってから南下し美瑛、富良野と走る251.2kmでフィニッシュとなります。

各車は、毎日手渡されるコマ図を使用して走行をします。これには旅行を楽しむための提案として通過地点(CP=チェックポイント)が設定されており、そのルートを通れば冬の北海道ならではの絶景を見ることができたりします。時間はゆとりのある設定となっており、温泉に立ち寄ったり冬のアクティビティに参加したり、各自それぞれに楽しみを見つけていく旅となります。

今回は過去最高の31台がエントリーしました。すでにAMWでレポートしたように、今回はキャンピングカーも参加し、参加者各自の楽しみ方がさらに進化した印象の大会となりました。参加車両は軽トラックから本格クロカンモデルまでさまざまで、まさに混沌としたラインアップでしたが、だからこそ、このラリー形式のツーリングイベントの面白さが際立つというもの。

いつのまにか団結感ができあがっていった

ポルシェ「911 ダカール」といった珍しい車両の参加もありましたが、そんな車両を見てもわかるとおり、ひと癖もふた癖もあるメンバーが揃いました。競技性のない贅沢な4日間ですが、シバレルラリーで設定されているSSで誰かがスピンをすれば盛大に囃し立てるし、誰かがコースオフしたと聞けば助けにいく、そんな団結感もできあがっていく、不思議な連帯感のあるイベントになりました。

4日目の最終日には無事に全参加車両がフィニッシュ。最終宿泊地となるホテルではフェアウェルパーティが開かれました。今回は新たな試みも追加され、参加者全員による投票で「今回のシバレルラリーで最もかっこよかった1台」が選出され、この席上で発表され、No.111 Team OGUshow(日野レンジャー)の小栗伸幸/小栗有子組がその最上位となりました。参加者たちは各日最終チェックポイントとなるホテルへ向かうのですが、この小栗組は車中泊ということで、ホテル近くの道の駅を利用しながらの参加となっており、参加者同士の交流も少なめでした。

「毎日最後に離脱しますので、皆さん初めまして、みたいな感じですね。でも最後のパーティに出ないとトラックに乗ってた人はどんな人かって分からないままになっちゃうので、なんとかパーティだけは参加したいと思って最終日まで来ましたが、こんな素晴らしい賞をありがとうございます。(今回持ち込んだ日野レンジャーは)この4日間、皆さんが走ってきたルートとほぼ同じところを走ってきました。ルート上にはちょっとバンピーな路面がありますよね。皆さんはちょっとバンピーだと思ってたかもしれませんが、僕のマイカーはですね、ダッシュボードに置いたiPadが吹っ飛ぶし、後ろで寝ているワンちゃんが飛び、座りながら景色を見てたワンちゃんも助手席の妻のところに倒れ込むといった具合で、なかなかな体験をさせていただいて、そんな中でも楽しく4日間を過ごすことができました。ほんとうにありがとうございます。また機会があればよろしくお願いします」

と、今回トラックで初参加した感想を交えてコメントしていました。

大人の遊びを思う存分楽しむことができる!

他にも、クルマに詳しくない若い女性スタッフの選考の賞があったり、アンバサダーの青木拓磨氏が選ぶ賞があったり、各参加者が受賞およびフィニッシャープレートを受け取りました。

パリダカで優勝経験のある三橋 淳氏は初回からこのシバレルラリーに参戦。

「シバレルは5回目なんですけども、今回初めて『滑らせステージ』で楽しいって連呼しました。理由は色々あるんですけど、以前は吹雪で何も見えないとか、逆に気温が上がりすぎて止まらないとか、走ってても楽しくない、と思うこともあったんですけど、今回設定された3ステージは全部楽しくてですね、思わず、おかわり(ステージ終了後に希望者が再度ステージを走行すること)させていただきました。滑らせて、みんなでわーわー、きゃーきゃー言う感じが好きで、すごく楽しめました。今回は派手に走ってる人がいっぱいいて、僕ももっと練習しないといけないなと思う機会でもありました」

と今回の感想を語っていました。

そのアンバサダーを務める青木拓磨氏は、5回目となる今年の大会を振り返り、

「4日間があっという間に終わってしまいました。毎回みんな仲良くなって同じ時間を過ごせています。ほんとはあと3日間ぐらいやりたいなと思ってしまいます。50人を超える参加者はもちろん、これに関わるスタッフ全員のホテルを押さえるっていうのも大変なことだったと思いますし、今年も暖冬でしたが開催前には最強寒波が来て、運営の皆さんも大変だったと思います。でもその努力のおかげで、こうやって安全に全員がフィニッシャープレートを受け取ることができました。ありがとうございます」

とこのイベントを締めくくりました。

ちなみに参加費用は、今回の大会(次大会の費用は変動の可能性あり)で車両1台とドライバーで17万8000円。ナビゲーターほか乗員1名(乗車定員内最大5名まで参加が可能)につき15万8000円(ともに4日間の宿泊費、朝食、そして2度の夕食を含む)となる。基本的には2名で参加なので33万6000円となります(宿泊のない場合は減額、基本チームごとにツインルーム使用のためシングルルーム希望の場合は3万5000円/名のオプション)。これを高いとみるか安いとみるかは人それぞれですが、今回の参加者たちもクルマを使った大人な遊びを思う存分楽しんでいる面々だということはよく分かりました。

コンペティティブなレースでもなく、車両を展示するだけのイベントでもない、この大人の雪遊び、一度体験するとやめられなくなるかもしれません。毎年プレエントリーは11月1日より受付を開始しています。ご興味ある方は、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。

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