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1億2890万円のスーパーカー「ヴァルハラ」が公道で最終検証…1079馬力で最高速度350キロのモンスターはアストンマーティンの救世主になるか?

アストンマーティン ヴァルハラ:eモーターおよび電子制御リアディファレンシャル(E-diff)を組み込んだ新開発の8速デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)を採用する

英国とスペインでヴァルハラの最終検証が進行中

アストンマーティンは、新型「ヴァルハラ」が2025年3月31日に英国とスペインの公道およびサーキットで最終検証を開始したと発表しました。V8エンジンと3基のeモーターを組み合わせたパワートレインは最高出力1079psを発揮し、最高速度は350km/h、0-100km/h加速は2.5秒を誇ります。2025年第2四半期に999台生産されるこのモデルの最終テストの様子を紹介します。

レース界の実力者が性能を評価

アストンマーティンは、新型「ヴァルハラ」の公式オンロード画像を公開した。このエキサイティングな新型車は、2025年第2四半期に予定される生産開始を前に英国の公道およびスペイン・バルセロナ近郊のサーキットにおいて最終的な検証を受けている。

ヴァルハラの走行シーンは、公道でもサーキットでも自然に溶け込み、その存在感を放っている。ポディウムグリーンにライムグリーンのアクセントとヴァルキリーゴールドにヴァーダント・ジェイドを組み合わせたカラーリングが施されたヴァルハラは、アストンマーティンのエンジニアと、ル・マンクラスで3度の優勝を果たした開発ドライバー、ダレン・ターナー氏によって性能評価が行われている。

スペインのIDIADAプルービンググラウンドでは、高速サーキットやウェット&ドライ・ハンドリングコースなど複数のセクションにおいて最終検証が実施されており、ステアリング、アクティブ・エアロダイナミクス、サーマルブレーキシステムの最終調整が完了している。また、サテン・シンティラシルバーにライムグリーンのアクセントをまとった別のマシンは、現在イギリスの公道でダンパーの最終調整を受けている。

究極の性能を追求した開発

車両性能および特性担当ディレクターのサイモン・ニュートン氏は次のように述べている。

「エンジニアリングおよびダイナミクスチームにとって、ヴァルハラの前例のないダイナミック帯域幅は開発において多くの新たな挑戦と機会をもたらしました。ハイブリッドパワートレインによって生み出される最高出力1079ps、最大トルク1100Nmの性能はスーパーカーにふさわしい究極のパフォーマンスを実現します。我々はさらにその力を活かし、公道およびサーキットの双方において卓越した走行体験を提供するため、アクティブ・エアロダイナミクスおよび統合制御システムの開発に精力的に取り組んできました」

ヴァルハラは、アストンマーティン初となる量産ミッドシップ・スーパーカーであり、初のPHEV(プラグインハイブリッド車)、さらにEV航続距離を備えた初の量産モデルでもある。アストンマーティン史上最高性能を誇る4Lツインターボ・フラットプレーンクランクV8エンジンを搭載する初のモデルであり、eモーターおよび電子制御リアディファレンシャル(E-diff)を組み込んだ新開発の8速デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)を採用する初のモデルでもある。また、トルクベクタリングや全輪駆動システムに寄与するフロントアクスル用の新開発ツインモーターも初めて採用された。

アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとフォーミュラ1におけるパフォーマンス主導の手法と技術を壮麗なデザインおよび卓越したドライビングダイナミクスと融合させたヴァルハラは、比類なきスーパーカーとして999台限定で登場する。

ちなみに、2025年3月25日付けの最新車両価格では、ヴァルハラは1億2890万円となっている。

AMWノミカタ

ヴァルハラには“初”が詰まっている。“初”の量産ミッドシップカーであり、“初”のPHEVであり、“初”の4Lツインターボ・フラットプレーンクランクV8エンジン、“初”のE-Diff、8速DCT、フロントアクスル用ツインモーターを搭載したモデルである。この入念なテストの裏にはEV走行からサーキットまであらゆる走行シーンを想定したビークル・ダイナミクスを開発する難しさがあるのであろう。このモデルで絶対に成功を納めたいという意気込みが感じられる。

アストンマーティンは現在、財務的に厳しい局面に立たされている。米国の輸入車関税の影響を受け、ユー・ツリー・コンソーシアムから5250万ポンドの追加投資を受け、さらに、F1チームの持分を売却し、総額1億2500万ポンド以上の資金調達を行った。販売台数も1万台から8000台へ下方修正し、収益性を高める方針に軌道修正している。ヴァルハラがアストンマーティンの救世主となることを願いたい。

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