10回目の開催となったオートモビルカウンシル
花散らしの雨に見舞われた4月11日、幕張メッセにおいてオートモビルカウンシル2025が開催されました。2016年に「3日間だけの夢の自動車博物館」をコンセプトに初開催されたオートモビルカウンシルは今回、10回目の節目となる開催で、『クルマを超えて、クルマを愉しむ Classic Meets Modern and Future(クラシック ミーツ モダン アンド フューチャー)』をテーマに、日本車メーカー・インポーター・新世代自動車9社を筆頭に131の出展社から186台もの展示車両/販売車両が集合しファンから羨望を集めていました。早速レポートをお届けします。
伝説のカーデザイナー「ジウジアーロ展」
主な展示内容を紹介していくと、先ずは主催者テーマ展示として「世界を変えたマエストロ」と題して生ける伝説のカーデザイナーGiorgetto Giugiaro展が企画された。1963年デビューのアルファ ロメオ「ジュリア スプリント GT」から2020年デビューのバンディーニ ドーラまで10台の車両が展示されていた。
特にデビューが予定されていた2020年のジュネーブショーがコロナ禍で開催がキャンセルされオンライン発表に留まっていて、今回が事実上のワールドプレミアとなるバンディーニ ドーラや、1988年のトリノショーでお披露目され日本国内で限定販売されることになっていたがバブル景気が文字通り泡と消え計画自体が頓挫してしまったイタルデザイン アズテックなどはファンにとって必見の1台となったはずだ。
マカルーゾコレクションから6台が展示
もうひとつの主催者テーマ展示が「THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN」。これは1948年にトリノで生まれ20代前半にラリーのコドライバー(ナビゲーター)としてモータースポーツに触れ、ラリー・ドライバー、さらには自動車エンジニアとして、2010年に急逝するまで、生涯を通じてモータースポーツの振興・発展に取り組んできた故ジーノ・マカルーゾさんの貴重なコレクションから6台のワークスラリーカーを選んで展示したもの。
特に若かったマカルーゾさんがクレイ・レガッツォーニと組んでジーロ・ディタリア・アウトモビリスティコに参戦した1974年のフィアットX1/9アバルト プロトティーポは、言わばマカルーゾ・コレクションの原点ともなる1台だが、1966年のBMCミニ クーパーSから1982年のアウディ クワトロまで6台のワークスラリーカーは、多くのラリーファンには見逃せなかったはず。
国内自動車メーカーの「過去が見た未来展」にも注目
メーカー系の展示では『過去が見た未来』を共通テーマとした国産4メーカーのうち、トヨタと三菱は1989年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデルのトヨタ 4500GT、三菱 HSRIIを出展。ホンダは新型のプロトタイプも含めた歴代プレリュードを、マツダは初代ルーチェのプロトタイプとなった1962年のS8Pをはじめとする5台のデザインスタディモデルを出展。さらにトヨタはレストアされたスープラなどを展示すると同時にヘリテージパーツなども展示してトヨタクラシックのプロジェクトをアピールしていた。
またプラスチックモデルのトップメーカーとして知られるタミヤのブースではF1GP界で唯一、6輪車として実戦で走り優勝した経験のある1976年モデルのタイレルP34 コスワースが展示されていた。
ランチア ストラトス ゼロも特別展示!
また日本クラシックカークラブ(CCCJ)のブースでは、「過去のモダンに学び、未来のクラシックを育む」を出展テーマに、ヴィンテージ期の名車である1925年のドラージュDI トルペード スポールと、ウェッジシェイプデザインの先駆とされる1970年のランチア ストラトス ゼロの2台が展示されていた。
こうしたクラシックカーの展示に留まることなく過去のクルマのカタログや自動車雑誌のバックナンバー、書籍、あるいはミニチュアカーやプラモデル、さらにはTシャツやバッグなどの洋品を販売するブースも数多く出店が見られた他、キッチンカーが並ぶフードコートも多くのお客さんで賑わいを呼んでいた。
