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ポルシェ「911GT3 RS」が約2580万円で落札! 憧れの役物を手に入れるには996型が手に入れやすい?…今後ますます高騰する1台です

16万1000ユーロ(邦貨換算約2580万円)で落札されたポルシェ「911GT3 RS」(C)Courtesy of RM Sotheby's

今後ますます注目されるか……?

2025年2月4日〜5日にRMサザビーズがフランス・パリで開催したオークションにおいて、ポルシェ「911GT3 RS」が出品されました。ブルーのストライプが鮮やかなこの911GT3 RSは、2004年5月22日にイタリアのペルージャにあるポルシェ正規販売店、ジュストッツィを通じてファースト・オーナーに納車。その後、2015年キュレーテッド・コレクションに加わったモデルでした。

モータースポーツ参戦のホモロゲモデルとして開発

ポルシェが「GT3」の名を掲げた。より高性能な自然吸気モデルを911シリーズのラインアップに初めて加えたのは1999年のことだった。当時の911は、水冷式の水平対向6気筒エンジンを初採用した996型だったが、ポルシェはそれをモータースポーツに参戦させるためのホモロゲーションモデルとしてGT3を開発した。

ハイパフォーマンスなエンジンに、リアシートやサンルーフ、さらには遮音のために使用されていた素材を完全に取り除くなど、軽量化策は徹底していた。ちなみにロードカーということもあり、オートエアコンやオーディオはGT3でも無償のオプションで装着が可能だった。

スタンダードな996型911が300psの最高出力であったのに対して、GT3は同じ3600ccの排気量から360psを発揮。これに組み合わされるトランスミッションは、ギアの交換が容易な6速MTとされたが、これもレースへの参戦を想定して耐久性や整備性を重視した結果の選択だった。

前後のサスペンションは、もちろんGT3のための専用セッティング。ここでも軽量化はさらに進められている。標準モデルからより大型化されたブレーキシステムも、GT3の独自のものだ。エアロダイナミクスを良化させるためにフロントのバンパースポイラーなどにデザイン変更を加えているのもGT3の特徴である。

2004年モデルでは一時生産中止になっていた

さらにスパルタンな仕様を好むカスタマーのためには、「クラブスポーツ・パッケージ」と呼ばれる無償のオプションが設定されたGT3。レーシングバケットシートや6点式のフルハーネス・シートベルト、ハーフロールケージ、消火器の装備などがこのパッケージ・オプションの内容だった。

そして実際に市場へと送り出されたGT3は、その圧倒的な運動性能から多くのカスタマーに高く支持され、2004年モデルでは一時生産中止となっていた。GT3は、381ps仕様のセカンド・ジェネレーション(996.2 GT3)へと進化。ブレーキの強化策のひとつとして、PCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキシステム)がオプションで設定されたのも、この時のマイナーチェンジでのこと。ボディシェルがより剛性の高い4WDモデルのカレラ4用とされたのも、見逃すことのできない話題のひとつだった。

軽量化に徹したRSモデル

だが996型911GT3の進化は、これでは終わらなかった。1973年に誕生した「911カレラ RS 2.7」に象徴されるRS、すなわち「レン・シュポルト」のサブネームがさらに付け加えられた、「911GT3 RS」が2003年に発表されたのである。今回RMサザビーズが同社のパリオークションに、キュレーテッド・コレクションの協力を得て出品したモデルがまさにそれで、それは2003年から2005年にかけて生産されている。

リアに搭載されるエンジンのパワースペックは、381psとGT3のそれから変化はないが、吸気と排気の両ポートのデザインが変更されるなど、そのチューニングはさらに進められている。サスペンションももちろんRSのためのスペシャルで、セッティングの幅広さ、そしてそれを実現するための整備性も大いに高められている。

軽量化への取り組みは、ポリカーボネイト製のリアウインドウやカーボンファイバー製のフロントフード、リアウイングの採用などからも分かるように、こちらもストイックなまでのポルシェの取り組みが表れている。

走行距離は6万1279kmと比較的少なめ

ブルーのレーシング・サイドスクリプトが鮮やかなこの911GT3 RSは、2004年5月22日にイタリアのペルージャにあるポルシェ正規販売店、ジュストッツィを通じてファースト・オーナーに納車。その後約10年間をイタリアで過ごし、2015年キュレーテッド・コレクションに加わったモデルであるという。ストリップアウトブラックのインテリアにはシュロス製のフルハーネス・シートベルトや、レカロ製のバケットシートが装備され、そのコンディションも良好。現在までの走行距離が6万1279kmと知れば、それも十分に納得できるところだろう。

15万ユーロ~20万ユーロ(邦貨換算約2400万円~3200万円)という予想落札価格がRMサザビーズによって提示された出品車への入札は繰り返され、結果的にはそのボトム近くとなる16万1000ユーロ(邦貨換算約2580万円)での落札という結果になった。その後となる次世代の997型911を始め、現行モデルに至るまで脈々と続く911GT3 RSの系譜。その原点にあるともいえる996型の911GT3 RSの価値は、これからますます注目されていくに違いない。

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