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「KONDO Racing」がニュルブルクリンク耐久シリーズに「フェラーリ296GT3」で参戦! 誰もが楽しめるレース愛に溢れた開幕戦をレポート【みどり独乙通信】

スタートグリッドへ向かうKONDO Racingのフェラーリ 296 GT3

レース愛に溢れたNLSの開幕戦

ドイツ在住でモータースポーツを取材している池ノ内みどりさんは、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の取材へニュルブルクリンクへ! GT3からアマチュアチームまで、多様なマシンと人々が集まるNLSの開幕戦。開かれたパドックは、まさに“レースを楽しむ場”そのものでした。

誰でも楽しめる開かれたパドック

NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の開幕戦取材のため、今季初めてニュルブルクリンクを訪れました。今回は日本から取材にいらした方のご厚意で、フランクフルト国際空港からニュルブルクリンクまでレンタカーに同乗させていただきました。私の住むミュンヘンからニュルブルクリンクまでは、片道約540km。往復では2回ちょっとの給油が必要になるので、高騰が続くガソリン代の節約にもなり本当にありがたい限りです。

ニュルブルクリンク2日目は朝8時半に予選開始ということもあり、ホテルでしっかり朝食をとって、いざ出陣! NLSは予選と決勝が同日に行われるワンデーイベントということもあって、長くも充実した1日のはじまりです。予選を目前に控えたピットでは、エンジンを温めるエキゾーストノートが響き渡り、慌ただしく動き回るクルーたちの姿、そして大勢のファンで賑わうパドック……。独特の緊張感が「これぞニュル!」という雰囲気を醸し出しており、ワクワクとゾクゾクが止まりません。

NLSの魅力は、参加台数の多さはもちろん、さまざまなクラスのレーシングカーが混走している点にあります。GT3マシンの登場以降、安全上の理由からコンパクトカーの参戦は減ったものの、多種多様なマシンを見ることができます。仲間内で手弁当で挑む小さなアマチュアチームから、自動車メーカー主導の完全なプロフェッショナルチームまで、その幅広さも魅力のひとつ。ドライバーや車種の多様性も、NLSならではの見どころです。

パドックを歩くと、ペット連れの方から赤ちゃん、レース好きのおじいちゃん、おばあちゃん、車椅子の方まで非常に幅広い層のファンで賑わっています。2025年6月に開催されるニュルブルクリンク24時間レースでは安全上の理由からファンのピット立ち入りは禁止されていますが、NLSではどんな有名人がいてもファンは自由にピットに入ることができます。そのため、ファンはお気に入りのドライバーに声をかけたり、忙しくない時間帯であればサインや写真にも気さくに応じてもらえるなど、非常にオープンでフレンドリーな雰囲気に包まれています。

KONDO Racing、6年ぶりのニュル参戦に胸が高鳴る

普段、私は日本のレースを取材する機会がほとんどありません。そのため、スーパーGTやスーパーフォーミュラで活躍する日本人ドライバーにニュルで出会うと、とても新鮮で驚きます。2025年は外国人ドライバーのみで挑むKONDO Racingも参加。監督の近藤真彦監督率いるこのチームのスタッフジャンパーのロゴを見ただけでも、嬉しくなってしまいました。

スタッフの方によると、この日は日本でスーパー耐久選手権が開催されていたため近藤監督は不在とのことでした。ニュルブルクリンク24時間レース本番で遠くからでも拝見できるのを、今から楽しみにしています。KONDO Racingは2019年にニュルブルクリンク初参戦を果たしましたが、その後コロナ禍を挟んでじつに6年ぶりの登場となります。

予選が10時に終了すると、すぐ後の10時20分からピットウォークがスタート。しかし、なんと予選終了間際にぽつぽつと雨が降り出してきたではありませんか。幸いスタート前には止んだものの、雨上がりの空気はぐっと冷え込んだ印象です。スタートグリッドには予選中に2台がクラッシュし、最終的に114台のマシンが一斉に並びました。全車をくまなくチェックするのは現実的には不可能なので、雰囲気を楽しんでグリッドを後にしました。

歩き回った1日の締めくくりは…

午後12時、ついに迫力満点のスタートとともに今季のNLSが開幕! 早朝から動き回っていたため、レースが落ち着いたところでメディアセンターに戻って少し休憩しながらメディア関係者と情報交換をしたり、今季の展望を語り合ったりと、楽しいひとときを過ごしました。

開幕戦の取材は「あれもやりたい」「これも撮りたい」と、気づけばあちこち歩き回り、すっかりお腹がペコペコに。前日、の〜びのびのボロネーゼにびっくりしたこともあり、この日はホテル近くのレストランまで徒歩で向かうことにしました。

夕食にはスイス発祥ともいわれるコルドン・ブルーをいただきました。ドイツでは家庭料理としても親しまれ、典型的なレストランでもよく見かける一品。薄く叩いた豚肉にハムとチーズを挟み、パン粉をまぶして揚げ焼きにした料理です(鶏肉や仔牛が使われることもあります)。日本人にもなじみやすい味で、私は空腹もあってペロリと完食。しかし、日本から来られた方は残念ながらギブアップとなりました。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら 

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