サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

4000万円弱で落札! ついにランボルギーニ「ディアブロ」もクラシックとしての価値が高まってきた…今後ますます高騰する1台です

25万7600ドル(邦貨換算約3840万円)で落札されたランボルギーニ「ディアブロ」(C)Courtesy of RM Sotheby's

ディアブロにもそろそろクラシックとしての価値が出てきた?

2025年2月27日〜28日にRMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいて、ランボルギーニ「ディアブロ」が出品されました。1991年に製造されたディアブロは、トータルで401台が存在しますが、出品車はその中で362台目にリリースされた1台でした。ファーストオーナーは25年間所有し、オドメーターが1万3121kmという数字を刻むローマイレージな個体でした。

カウンタックの後継モデルとして登場したディアブロ

ランボルギーニの12気筒モデルが、レヴエルトに進化したことで、1990年に誕生したディアブロは3世代前のモデルということになった。ちなみにディアブロの生産は2000年に発表された限定車のディアブロSEまで続けられたことから、その最終モデルでもすでに25年前、すなわち四半世紀前のモデルという計算になる。はたしてディアブロにはクラシックとしての価値は生まれているのか。それを占う1台のモデル、1991年式のディアブロが、RMサザビーズがアメリカのフロリダ州マイアミで開催した、マイアミオークションに出品された。

P132の社内コードのもとで、ランボルギーニがカウンタックの後継車となる12気筒ミッドシップの開発をスタートしたのは1980年代半ばのこと。それは当時のスーパースポーツに新たな基軸を設けるように快適で安全、そして十分な視界を確保し、見る者に親近感を与え、クリーンな排出ガスを実現。さらに世界最高水準の運動性能を得るというコンセプトに基づくものだった。

実際にランボルギーニがP132の開発で掲げた最高速は315km/h以上。ボディデザインはカウンタックと同様に、マルチェロ・ガンディーニに委ねられるが、開発途中で新たにランボルギーニの親会社となったクライスラーは、ガンディーニが最初に描いたスタイリングに改善の必要があると主張。結果、両者の激しい議論を経てディアブロのデザインは完成したのである。

一方こちらもカウンタックからは一気に現代的にその姿を変えたインテリアは、完全にクライスラーの手によってデザインされたもの。この1991年式のように垂直に切り立つインパネを備えるのは、ディアブロの中でも初期型に限られる大きな特徴だ。

開発時の目標を上回る325km/hを記録した

ミッドに搭載されるエンジンは、カウンタックの最終モデルであるアニバーサリーから、さらに排気量を拡大した5707cc仕様のV型12気筒DOHC48バルブ。ブロックとヘッドはいずれもアルミニウムとリチウムによる合金製で、バンク角を60度に設定しているのは、かのジオット・ビッザリーニがランボルギーニの創業時に開発したV型12気筒エンジン以来の伝統である。

最高出力で492psを発揮したこのエンジンには5速MTが直列に接続され、そのユニットは車体の後方から前後逆方向にエンジンルームに搭載された。これはカウンタックでパオロ・スタンツァーニが考案したパワートレイン・レイアウトで、最前部の5速MTから出力されたトルクは、180度その進行方向を変え、リアのデファレンシャルへと戻る仕組みだ。このメカニズムはディアブロの後継であるムルシエラゴにも継承されている。

実際にディアブロが可能とした最高速は、開発時の目標を上回る325km/h。正式な発表は1990年1月にモナコで行われたランボルギーニ デイ2で行われ、同年夏から本格的にその生産は開始されることになった。オークションに出品された1991年式はトータルで401台が存在し、出品車はその中で362台目に相当するもの。工場出荷後アメリカのペンシルバニア州ピッツバーグにあるディーラーに送られ、1992年1月にファースト・オーナーの手に渡った。

そして驚くべきことに、このオーナーが亡くなるまでの間、約25年間にわたって所有され続けたというのだ。その後2018年後半には新たなオーナーが見つかり、翌年ヒューストンのディーラーで大規模な整備を実施。当時の走行距離は1万2859kmであったと記録されているが、その後オドメーターのギアは交換され、現在は新しいオドメーターが1万3121kmという数字を刻む。

このディアブロに対してRMサザビーズが示した予想落札価格は22万ドル~26万ドル(邦貨換算約3280万円〜3875万円)。実際の落札価格は25万7600ドル(邦貨換算約3840万円)とレンジに収まった。ディアブロにもそろそろクラシックとしての価値が出てきたのか。このリザルトを見て、多くのマニアはそう感じるに違いない。

モバイルバージョンを終了