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マウンテンバイク競技者・平林安里選手がTGRラリーチャレンジにマッスルラリー・チームで初挑戦!

No.145 エムリットGRアクアで参戦をした平林安里/保井隆宏組

アスリートを発掘中のマッスルラリー

「MUSCLE RALLY(マッスルラリー)」チームは、長野オリンピックで金メダルを獲得した元スピードスケート選手の清水宏保氏や、元フィギュアスケート選手である小塚崇彦選手、そして4度冬季オリンピックに出場した経験を持つ元スピードスケートに出場した寺尾 悟選手といった、アスリート系の選手を起用してラリーに参戦しています。2023年に設立されたチームですが、すでに日本の全日本ラリー選手権はもちろんWRC(世界ラリー選手権)ラリージャパンにも参戦経験があります。

平林安里選手がラリチャレに参戦

マッスルラリーが2025年の活動を開始。初参戦はTOYOTA Gazoo Racingラリーチャレンジ(通称ラリチャレ)の第4戦「富士山すその」だ。このラリチャレはトヨタ自動車が主催する入門者向けのラリー・シリーズで、今シーズンは特別戦・地区戦を合わせると全13戦を開催する。

静岡県裾野市にある裾野市運動公園を中心にSS(スペシャルステージ)6本で開催されるラリチャレ第4戦に、マッスルラリーでラリーデビューしたのが平林安里(ひらばやし・あり)選手。1997年5月14日生まれの28歳。高校まではアルペンスキー競技に取り組んでいたが、卒業後は、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックから競技種目として組み入れられる山岳スキー(スキーモ)、そしてマウンテンバイク(MTB)競技に転向した。

直近では、スキーモは、ハルビン冬季アジア大会男子個人スプリントで5位、チーム(混合リレー)でも5位を獲得。マウンテンバイクでは、全日本MTB選手権クロスカントリー部門2位という成績を残し、国内外で活躍している。

父親は新城ラリーの初代ウィナー

じつは安里選手の父・平林織部さんは新城ラリーの初代ウィナー(2004年/4輪駆動Cクラス)で、全日本ラリー選手権でも活躍していた。その織部さんである息子・安里(あり)さんの名前は、アリ・バタネンから採ったとか。名前の候補はコリン・マクレーのコリンか、アリ・バタネンのアリの二択だったそうだが、

「コリンはやめた方がいい」

という母親との話し合いがあって安里になった。

父・織部さんが知人を介してマッスルラリーを紹介され、今回の安里選手の出場に至った。安里選手は19歳に自動車免許を取得。だが、幼少期から父親のクルマでクルマ酔いすることも多かったため、あまりクルマが好きではなかったようだ。おまけにこの名前についてもいい思い出はあまりないと話す。

しかし、今回のラリー参戦の話が来てからは、親子で真面目に練習を重ね、父親からペースノートの作り方を学び、実際に走り込んできた。

「まだ父親のほうが速いんですけどね」

とアスリートらしい発言も。

コ・ドライバーにベテラン保井隆宏選手を起用

平林選手がドライブする車両は、今回参戦車両で唯一の現行モデルであるトヨタ「アクア(No145 エムリットGRアクア)」。残念ながらラリチャレのレギュレーションでC-1(チャレンジアクア)クラスを走ることができず、エキスパートクラスのE‐3(トヨタ車限定の気筒容積1500cc以下のクラス)に参戦した。コ・ドライバーにはベテランの保井隆宏選手が担当。安里選手の走りを支える。

参戦上限となる90台がエントリーリストに名を連ねた大盛況となった第4戦だが、SS3「Mt.HAKONE」で安里選手の前の車両がコースアウト。SS3はキャンセルとなり走れず、さらにSS5、SS6もキャンセルとなってしまった。結果、SSは実質3本に。

SS1とSS4で使用するギャラリーステージ「Mt.FUJI」では、2度目の走行となるSS4で2.5秒も短縮。

「とにかく楽しかった。モータースポーツは(同じスピード競技の)MTBよりも多くの要素が絡んでいて、結果につなげるまでしぶとく取り組んでいかなきゃと思いました。消化不良の部分も多いので、どんどん出たい」と平林安里選手。

コ・ドラの保井選手は

「林道のSSは走れなかったけれど、スポーツ選手だなということは走りのハシバシに感じました。本人のやる気次第ですが、続けて走ってもらうほうが楽しめるんじゃないかと思いますし、なんといっても父親の織部さんがとても楽しそうなのも良かった」

とコメント。

才能のある若者にチャンスをということでアスリートを発掘中のマッスルラリー。8月30日~31日に開催されるラリチャレ第9戦「びわ湖高島」への平林選手の参戦を調整している。また、小塚選手や寺尾選手の今シーズンの参戦についても注目していきたい。

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