名デザイナーが手掛けた日産車を紹介
2025年4月11日~13日で開催されたオートモビル カウンシル 2025では、イタリアンデザインをテーマとしたコンテンツが展開されました。今回は、ジョバンニ・ミケロッティ、ピニンファリーナ、ジョルジェット・ジウジアーロ、そして、イタルデザインが携わった日産車4台を紹介します。
プリンス スカイライン スポーツ
1960年のトリノ・ショーでデビューしたプリンス スカイライン スポーツ。そのデザインを担当したのは、トライアンフ、日野、BMWなどのスタイリングを手がけていたことでも有名なジョバンニ・ミケロッティ。チャイニーズ・アイとも呼ばれる、つり目の4灯式ヘッドライトがエクステリアにおける最大の特徴だ。
日本の自動車界は本格的なモータリゼーションが普及する前夜から自動車デザインの先進国であるイタリアのカロッツェリアにボディの造形を依頼していた。その先陣を切ったのがプリンス スカイライン スポーツであった。
ボディはイタリアから職人を招聘して技術伝承をしながら手作業で製作していたので、生産にあたっても過去に例がない工程を採っていた。エンジンとシャシーはグロリア用を流用。1862ccの直列4気筒エンジンは94psを発生した。当時の価格はクーペが185万円、コンバーチブルが195万円で、現在の貨幣価値換算で2000万円以上に相当する高級スポーツクーペであった(展示車は1960年式)。
ダットサン ブルーバード
日本の乗用車保有台数が100万台を突破した1963年に2代目の410型へと進化したダットサン ブルーバード(展示されたのは、1964年式のダットサン ブルーバード1200デラックス)。フルモデルチェンジによって先進的なフラットデッキを持つヨーロッパ調のスタイリングは、イタリアの名門デザイン工房であるピニンファリーナ社の原案を具現化したもの。セドリックに続き、モノコックボディを採用。軽量化と高い剛性を両立していた。発売当初は1Lと1.2Lエンジンを積んでいたが、後年ブルーバードの伝統的なスポーティ仕様となる1200SS(スポーツセダン)、1300SS、1600SSS(スーパースポーツセダン)が追加設定され、スポーツセダンのイメージが強くなっていった。
日産マーチ
日産を代表するコンパクトカー(3ドアハッチバックモデル)であるマーチ。その初代モデルは、1981年の東京モーターショーにコンセプトカー「NX-018」として出展。その後、大規模な車名公募キャンペーンを経て、1982年に量産車として発売された。
飽きのこないスタイリング、経済的で扱いやすい基本性能、ファッショナブルなキャラクターで、行動的な女性を中心に人気を獲得したが、ボディデザインの原案を提供したのはジョルジェット・ジウジアーロだった。展示車(1985年式)のコレットは当時の最上級グレード「G」をベースにチェック柄のシートやフロント両席バニティミラーを備えたモデルで、よりオシャレなテイストがプラスされていた。
GT-R50 by イタルデザイン
GT-R50 by Italdesignは、2019年にGT-Rが50周年、2018年にイタルデザインが50周年を迎えることを記念して誕生したプロトタイプで、開発、設計、製造をイタルデザイン、内外装のデザインを日産デザイン・ヨーロッパと日産デザイン・アメリカが担当した。
最高出力720psを誇るエンジンは日産テクニカルセンターとNISMOが共同開発し、まさに総力を挙げる体制で完成させている。2018年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開。その後、オーナーの好みに合わせて1台1台テーラーメイドされた50台がイタルデザインによって仕立てられ、好事家のもとにデリバリーされた(展示車は2021年式)。
