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走りと快適性を高次元でアップデートした新型(992.2型)911カレラ4Sシリーズが受注開始

911カレラS4:レッド塗装のブレーキキャリパー+強化ブレーキディスクを装備

パワートレインと内外装デザインをアップデート

ポルシェジャパンは改良型「911カレラ4S」「911カレラ4Sカブリオレ」「911タルガ4S」の受注を全国の正規販売店で開始しました。992.2型と呼ばれる後期モデルにカレラ4Sシリーズが加わり、911シリーズにおける4WDモデルは全6モデルとなりました。911カレラ4Sはクーペ・カブリオレ、タルガ4S4WD専用ボディとして、いずれもパワートレインの大幅刷新により走行性能を向上させています。

4WDシステムによる抜群の高速走行安定性と0-100km/h加速3.3秒の俊足ぶり

ポルシェジャパンは202572日より、「911カレラ4S」「911カレラ4Sカブリオレ」「911タルガ4S」の新型(992.2型)3モデルの予約受注を全国の正規販売店にて開始した。これにより、911シリーズの全輪駆動(4WD)モデルは合計6種類となり、さらなる選択肢の拡大が図られている。とくに「911タルガ4S」は、誕生から60周年と長年にわたり多くのファンに愛され続けてきた特別なモデルである。

新型カレラ4Sシリーズはポルシェが培ってきた4WD技術の歴史と、最新のエンジニアリングの結晶ともいえる進化を遂げている。いずれのモデルにも、3L水平対向6気筒ツインターボエンジンが搭載され、911ターボ譲りのインタークーラーシステムを最適化することで、最高出力は先代比で30psアップの480psを実現。また、8PDKトランスミッションにより、トルクをロスなく4輪に伝える。

911カレラ4Sクーペでは、スポーツクロノパッケージを装着した場合、0-100km/h加速はわずか3.3秒と驚異的な俊足ぶりで、最高速度は308km/hに達する。ポルシェらしいダイナミズムを4WDでも損なうことなく、高速走行でも安定感を持続させる。

走行性能を支えるもうひとつの柱が、ポルシェトラクションマネジメント(PTM)システムだ。後輪駆動をベースとしたドライビングフィールを維持しつつ、必要に応じて前輪にもトルクを配分するこのシステムは、911のスポーツ性と安全性を両立させている点でも見逃せない。クラッチアッセンブリーは水冷式で、電気機械制御により緻密なトルクコントロールを実現。

走行面の装備のアップデートと快適装備の充実化

装備面でも今回の911シリーズは大きく進化した。20インチおよび21インチのスタッガードフィットカレラSホイールや、ポルシェトルクベクタリングプラス(PTV Plus)、スポーツエグゾーストシステムなどを標準装備。ブレーキはGTSモデルから受け継いだ高性能仕様で、フロント408mm、リア380mmの大径ディスクと、レッドのブレーキキャリパーが組み合わされている。とくに911タルガ4Sはリアホイールステアリングを標準装備。狭い街中での小回り性能と高速域での安定性の両立を果たしている。

インテリアには標準でレザーパッケージを装備し、上質な仕立てとなっている。快適装備としてはマトリックスLEDヘッドライト、電動格納式エクステリアミラー(ミラーサラウンド照明付き)、ライトデザインパッケージ、レインセンサー内蔵自動防眩ミラー、そしてワイヤレススマートフォン充電機能も標準で搭載。運転支援装備では、レーンデパーチャーウォーニングも搭載され、安全性にも配慮がなされている。

ボディタイプに応じたシートの設定にも注目すべき点である。911カレラ4Sクーペは標準で2シーター仕様だが、無償でリアシート付き仕様に変更が可能とのこと。一方、カブリオレとタルガ4Sにはリアシートが標準装備隣、実用性を高めている。

また911タルガ4S2025年に誕生60周年を迎える。1965年に「セーフティーカブリオレ」としてIAAでデビューしたタルガは、ポルシェが米国市場におけるコンバーチブルの安全性への懸念に対応する形で開発されたモデルだった。モータースポーツをヒントにしたワイドなロールバー、取り外し可能なルーフ、折りたたみ式のリアウインドウといった革新的な構造が評価された。

1993年にはルーフの手動操作が不要な993型が登場し、2006年以降のタルガはすべて4WDモデルのみに設定されている。現行モデルでは19秒で自動開閉可能な全自動ルーフシステムを備え、ガラス製のリアウインドウとともにスタイリッシュな佇まいだ。ロールバーと包み込むようなリアウインドウは、初代タルガの意匠を色濃く残しており、最新技術と伝統美を兼ね備えた唯一無二の存在感を放っている。

今回発表された各モデルの価格は、911カレラ4S235.2万円、911カレラ4Sカブリオレが260.6万円、911タルガ4S263.3万円。いずれのモデルも右/左ハンドル選択が可能だ。

AMWノミカタ】

ポルシェが911シリーズで4WDモデルを強化する背景には、近年の顧客ニーズの変化がある。実際に911Sモデルを購入する顧客の約半数が4WDを選んでいるというデータもあり、全天候で高いトラクションと操縦安定性を重視する声が多くなっていることの証でもある。日本のように地域によって気候差が大きい市場では、4WDの利便性は計り知れない。

しかし4Sは安全面だけで選ばれているわけではない。PTMは「必要なときだけ前輪に駆動力を配分」する制御システムであるが、たとえばコーナー脱出時に前輪に駆動を配分することによってオーバーステアを抑制し、路面のグリップ力が高まることによって加速性能を高める効果がある。カレラSとカレラ4Sでは45kgの重量差があるが、0−100km/h加速では2駆モデルと同じ3.5秒のパフォーマンスを実現している。

標準のカレラSに対して4S113万円ほど高くなるが、最新技術によって守られる安心感と、妥協のないスポーツ性能を鑑みればこの価格差は納得できるものだ。

 

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