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1981年式で走行距離1525km!極上フェラーリ「400i」の落札価格は2720万円

18万4800ドル(邦貨換算約2720万円)で落札されたフェラーリ「400i」(C)Courtesy of RM Sotheby's

クラシックフェラーリへの夢と現実

クラシックフェラーリは、多くのカーエンスージアストにとって憧れの存在です。しかし、現実的に手に入れるのは非常に難しいのも事実です。そんななか、比較的現実的な価格帯で落札された希少な1981年式フェラーリ「400i」が注目を集めました。

高性能GTとしての魅力を高めた「400i」

もはや現実的な話として、その購入を検討できるクラシックフェラーリというものは存在しないのか。そのように思い悩むエンスージアストにとっては、まさに一筋の光明ともいえるモデルが、2025年8月15〜16日にモントレー・カー・ウイークの中でRMサザビーズが開催したモントレーオークションに出品された。それはエスティメート(予想落札価格)は15万ドル~20万ドルというから、オークション当日のレートでは邦貨にして約2208万円~2944万円に相当する、1981年式の「400i」だった。

フェラーリは1960年に発表した「250GTE」以来、常に伝統のV型12気筒エンジンを搭載する、フルサイズの2+2モデルをプロダクション・モデルにラインナップしてきた。そのなかでも1972年にピニンファリーナの手による端正なボディデザインを採用した「365GT/4 2+2」のデビューは、まさに衝撃的ともいえるものだった。シャシーをデイトナの愛称でも知られる「365GTB/4」から受け継ぎ、搭載される4380ccのV型12気筒エンジンにはデイトナ比で15psのエクストラが与えられるなど、じつに魅力的な成り立ちを持って誕生した365GT/4 2+2。だがフェラーリは、ここからさらにその高性能GTとしての魅力を高めていくことを忘れなかった。

1976年に行われた初のマイナーチェンジで、V型12気筒エンジンの排気量を4823ccへと拡大した「400GT」と「400オートマチック」を生み出した。1979年になると実用域での扱いやすさを高めるとともに、よりクリーンな排出ガスを実現するために、燃料供給をそれまでのキャブレターからインジェクションへと変更したさらなる進化型を発表。それこそがここで紹介する400iというモデルだ。ちなみに400iの生産は1985年まで継続され、その後は「412」へと市場を譲ることになる。

走行距離は驚きの1525km

今回モントレーオークションに姿を現した400iは、現在に至るまで、わずかに2人のオーナーによって所有されたのみという、魅力的なヒストリーを持つヨーロッパ仕様。オドメーターに刻まれた走行距離は1525kmで、この数字からも想像できるように、そのコンディションは現存する400iの中でもトップレベルだ。

ネロ・トロピカーレと呼ばれるブラック系のボディーカラーや、インテリアを豪華に演出するレザー・トリムは、もちろんファクトリーからそれがデリバリーされた時のまま。310psの最高出力を発揮するV型12気筒エンジンに、5速MTが組み合わされていることも見逃せない魅力のひとつだった。

オークションに出品される直前には、さらに約1万ドル(約147万円)という金額を投じて、カリフォルニアのフェラーリ・スペシャリスト、フランコルシャン・アメリカによるメンテナンスを受けたというこの400iには、落札後すぐに躊躇なく乗り出すことが可能なクラシックフェラーリを求めていたエンスージアストからの熱い視線が注がれた。注目の落札価格は18万4800ドル(邦貨換算約2720万円)。それは十分な説得力を持つリザルトだったと報告してもよいのではないだろうか。

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