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1960年代のレーシングカーを彷彿とさせる“走る芸術品”!パガーニ「ウアイラ コーダルンガ スピードスター」爆誕

ウアイラ コーダルンガ スピードスター:ディスクブレーキはフロント410mm、リア390mmを装着

完全受注生産の贅を尽くした超高級カスタムハイパーオープンカー

パガーニは195060年代のレーシングカーに着想を得た、わずか10台のみ製造というオープンボディのハイパーカー「ウアイラ コーダルンガ スピードスター」を発表しました。流麗なシルエット、専用設計のモノコックシャシー、864psのV12ツインターボエンジンを備え、2026年より納車の予定です。完全受注生産で仕立てるこのモデルは真のカスタム・ハイパーカーで、初採用の刺繍ファブリック、ポリカーボネート製ルーフなど、随所に技術と芸術が融合する唯一無二の存在と言えるでしょう。

チタンとカーボンの軽量ボディにメルセデスAMGとの共同開発V12ターボ搭載

ウアイラ コーダルンガ スピードスターは、創業者オラチオ・パガーニの個人的なビジョンと顧客との対話から生まれた、純粋な美と性能を追求したオープンハイパーカーである。2023年の「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」でデザイン賞を受賞したクーペ版のデザインを引き継ぎつつ、さらなる流麗さを追求したこのモデルは、パガーニのグランディ・コンプリカツィオーニによる完全ハンドメイドだ。

全長4912mm、全幅2050mm、全高1174mm、ホイールベース2795mmのボディは、カーボンチタニウムHP62-G2およびカーボントライアックスHP62による新設計モノコック構造を採用し、乾燥重量1270kgという軽量性を実現。高剛性と軽さを兼ね備え、快適性と俊敏性を両立する。

心臓部にはメルセデスAMGと共同開発の5980cc60度V12気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は864ps/6000rpm、最大トルクは1100Nm2800rpmから発揮し、トランスミッションは7速横置き式で、AMTとマニュアルから選択可能である。駆動方式は後輪駆動で、最高速度は電子制御により350km/hまでに制限されている。

オートクチュール技術を分だんに使った内装は45万以上の手縫いのステッチを施す

エクステリアは、従来のウアイラよりもさらに滑らかで削ぎ落とされたフォルムが印象的である。前面のバンパーと一体化したスプリッターが精密に空気を導き、ヘッドライトはボディに溶け込むように配置されている。フロントガラスとサイドウィンドウは低く、より優雅な曲面を描き、ルーフはポリカーボネート製で軽量化と剛性を両立。装着時にはノーズからテールまで滑らかな一体ラインを形成する。特筆すべきは新採用の6連エグゾーストである。上下2段に分かれた6本出しレイアウトにより、見た目のインパクトだけでなく音響面でも独自性を強調する。

足まわりには鍛造アルミ合金製の前後ダブルウィッシュボーン式アクティブサスペンションを装備。バリアブルレートのスプリングとコアキシャルショックアブソーバーが、路面状況に応じて瞬時に最適に対応。ブレーキはブレンボ社と共同開発したカーボンセラミック製で、フロントは410×38mmディスク+6ピストンキャリパー、リアは390×34mmディスク+4ピストンキャリパーを備え、極限状態でも高い制動力を確保。

タイヤはピレリ製トロフェオR、フロント265/30 R20、リア355/25 R21を装着。モノリシック・アヴィオナルホイールと組み合わせ、ハンドリング性能とグリップ力の高さを両立する。

インテリアは1960年代のクラシカルなムードが現代技術で再現されている。手打ち加工のレザーや削り出し金属パーツが随所に使用されており、ハンドルやシフトノブにはマホガニー材とアルミリベットが配されるなど、芸術品のような仕上がり。

とくに専用開発の刺繍ファブリックには注目だ。パガーニの象徴である4本出しエグゾーストをモチーフとし、45万以上の手縫いステッチで刺繍され、オートクチュールの技術を自動車内装に初めて応用した画期的なものとなっている。シートやドアパネル、センターコンソールに採用され、触感と視覚の両面で圧倒的な存在感を放つ。

納車開始は2026年を予定しており、すでに全10台が世界各国の熱心なコレクターたちの手に渡る準備が進められているという。

AMWノミカタ】

「グランディ・コンプリカツィオーニ」とは、パガーニが誇る技術の粋を結集した少量生産モデルにのみ与えられる称号である。完全受注制で、デザイン、素材、仕様に至るまで顧客の要望が反映される。

今回のウアイラ コーダルンガ スピードスターは、ハイパーカーの枠を超えた「機械芸術」である。パガーニが掲げる美と性能の調和を極限まで追求し、流麗なフォルムや革新的な素材に加え、顧客との緊密な対話を通じて生まれる「唯一の存在」という思想を体現している。コレクターズマーケットにおいて高い評価と希少価値を維持し続けるモデルとなるのは間違いないだろう。

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