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スズキAGSのクラッチを強化!東北660レース参戦車で確認した性能と実用性の高さ

ノーマル同等の扱いやすさと強化クラッチならではの性能を両立。軽自動車からハイパワー車、ネオクラ車まで幅広いラインアップを誇る

「AGS(オート・ギヤ・シフト)」の可能性を引き出す

軽自動車レースの現場で、じわじわと存在感を高めているのがスズキ独自の「AGS(オート・ギヤ・シフト)」です。オートマのようでいて、中身はマニュアルという一般的にはAMT(オートマチック・マニュアル・トランスミッション)と呼ばれている機構です。電動油圧アクチュエータでシフト&クラッチの操作を自動で行っています。そんなAGSの弱点とも言われているクラッチですが、強化タイプを開発したメーカーがあります。実際のレースではどんな効果があったのか。扱いにくさはないのか。その実力を見ていきます。

2ペダル車でも総合優勝できる実力を持っている

東北660・HA36カップ(HA36型スズキ「アルト」のワンメイクレース)は、同一車種で改造できる範囲が制限されていることもあり、高度なテクニックとセットアップが求められる。ミッションの形式でクラス分けされ、AT限定免許でも運転できるAGSは「2クラス」となる。

クラッチペダルがないため普通のオートマチックと思っている人も少なくないAGSだが、じつはマニュアルミッションをベースに、クラッチとシフト操作を自動で行うスズキ独自のメカニズムだ。サーキット走行では独特のクセこそあるものの、速さはMTの1クラスとまるで遜色ないどころか、AGSが総合優勝を飾ったレースも1度や2度ではない。

前述したとおり、AGSは基本的な構造がMTと変わらないため、内部にはクラッチディスクもクラッチカバーも存在している。当然ながら走れば走るほど摩耗していくし、負荷の大きいスポーツ走行ならなおさらだ。そんな状況に着目した「セラメタ」が、AGS専用の強化クラッチを開発した。

メタルの性能とノーマルの扱いやすさを両立するクラッチ

セラメタは、摩擦材のプロフェッショナルとして長年にわたって研究と開発を続けてきた技術者集団だ。ブース出展やクラッチ半額チケットのプレゼントなどで、東北660シリーズを盛り上げている。同社の製品は会社名から想像できるとおり、セラミックと金属の複合、すなわち「メタル」だ。

メタルクラッチと聞くと、ペダルの重さや半クラが使えないなど、ネガティブなイメージばかり思い浮かべてしまうかもしれない。しかしセラメタは、摩擦材の配合を突き詰め、ノーマルのような扱いやすさを実現した。以前、MTの競技車両を試乗した経験があるが、何も言われなければ強化品とは気づかないほどだった。街乗りで渋滞にハマっても左足が筋肉痛になるようなことはなく、スポーツ走行では安定した摩擦係数と高い耐フェード性を発揮する。

街乗りからレースまで評価も上々!耐フェード性の高さも予見できる

クラッチペダルがないAGSでも、伝達能力や耐久性の向上は大いに有用だ。スポーツランドSUGOで行われた東北660・HA36カップの第2戦では、宮城県のプロショップ「Kレーシング」がサポートするHA36に、このセラメタの強化クラッチを装着。買い物など街乗りにも使っている宮澤幸秀選手によると、走り出したときにフィーリングの違いを若干感じる程度で、たまに運転する家族から不満の声は出ていないとのことだ。

耐フェード性などは初走行のためまだ検証できていないが、材質がメタルだと考えれば、相当に高いことは容易に想像できる。スプリントレースで有用なのはもちろん、耐久レースではとくに重宝するに違いない。宮澤選手のほかにも装着するドライバーが増えつつあるので、また別の機会に、長期にわたって使い続けたユーザーの感想を聞いてみたい。

ちなみに強化クラッチの価格は、AGS用もMT用も変わらず9万3500円だ。セラメタでは東北660シリーズに参加している軽自動車のNAもターボも、主要どころの大半をラインアップしている。クラッチを交換する時期が近づいている人は、強化品も選択肢に入れてみてはどうだろうか。

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