自動車誕生140周年の節目に登場!2700点の部品を刷新した「世代最大」の進化
メルセデス・ベンツのフラッグシップSクラスが、かつてない規模の進化を遂げました。奇しくも新型Sクラスの登場は、自動車誕生140周年という節目と重なります。特筆すべきは、構成部品の50%以上におよぶ約2700点を刷新した「世代最大」のアップデートです。最新の専用OSや発光エンブレム、さらに巨体を感じさせない機動力など、ラグジュアリーセダンの定義を塗り替える全貌を詳細に解説します。
夜の主役となる発光式スリーポインテッドスターとFグリル
新型Sクラスは1886年の自動車誕生から140年という節目に登場した。現行世代における最大規模のアップデートを受けた新型Sクラスは、車両全体の50%以上、約2700点の部品が新開発または改良され、単なるフェイスリフトを超えた進化が図られている点に注目だ。
注目されるエクステリアでは、ボンネットにブランド史上初の発光式スリーポインテッドスター(オプション)を採用。フロントグリルも発光仕様となり、夜間における存在感を飛躍的に高めている。
新世代のDIGITAL LIGHTヘッドライトは、マイクロLED技術を採用し、高解像度の照射範囲を約40%拡大。ハイビームの到達距離は最大600mに達し、部分ハイビーム機能によって対向車も眩惑することなく歩行者などをより明確に認識できる。加えて、サイドシル(ドア下の敷居部分)からMercedes-Benzの文字を路面に投影するライト機能も新たに備わった。
MB.OSによる統合制御で高度な運転支援とデジタル体験を実現
車両の知能化を担うのは、専用開発のMB.OS(独自オペレーティングシステム)だ。新しい電子アーキテクチャを基盤としたスーパーコンピュータが、運転支援、インフォテインメント、走行性能など全領域を統合制御する。クラウドと常時接続され、多数の車両機能がOTA(無線通信によるソフトウェア更新)に対応し、常に最新の状態を維持する。
運転支援機能はMB.DRIVEとして体系化される。車両には10個のカメラ、5基のレーダー、12個の超音波センサーが搭載され、高性能コンピューターが情報を処理。MB.DRIVE ASSIST PROは、都市部の混雑環境においてポイント・ツー・ポイント走行(目的地までの連続的な支援)を可能にする先進機能だ。駐車支援では斜め駐車への対応が初めて可能となり、手動で駐車した後の退出支援や、360度カメラによる新しい表示機能も追加された。
インフォテインメントは第4世代MBUXを採用。標準装備のMBUX Superscreenは、14.4インチのセンターディスプレイと12.3インチの助手席ディスプレイを一体化。AIベースの「Hey Mercedes!」バーチャルアシスタンスは自然な対話と短期記憶機能を備え、より人に近い対話を実現。40以上のアプリが利用可能で、ナビゲーションはGoogle Mapsベースとなった。
ウェルビーイング追求の移動するオフィス!快適性能を全方位強化
後席は“走る役員室”としての機能を強化。MBUXハイエンド・リアシートエンターテインメントは13.1インチディスプレイを2基備え、取り外し式の専用リモコンも2台付属。HDカメラを内蔵し、ビデオ会議に対応する点も新しい機能だ。
快適装備ではヒーテッドシートベルトを初採用し、最大44℃で乗員の首元を温める。さらにDigital Vent Controlと新開発の電動エアフィルターにより、極めて微細な粒子まで除去し、車内の空気を約90秒ごとに浄化する。
パワートレインの電動化も進み、V8は537hp、750Nmを発生。プラグインハイブリッド(PHEV)は電動航続距離約100kmを実現。全エンジンに17kWのISG(エンジンをアシストする電気モーター)を組み合わせた48Vシステムを採用。
足まわりではAIRMATICまたはE-ACTIVE BODY CONTROLに、長いスピードバンプ(段差)に対応する知能ダンパー制御を新搭載。リア・アクスルステアリングは標準で4.5度、オプションで最大10度に拡大し、最小回転半径も約2m縮小する。
日本への導入タイミングや価格などはまだ発表されていないが、新しいラグジュアリーカーの姿をリードする注目のモデルとなるだろう。
【AMWノミカタ】
20年前の高級車は、上質な本革やウッドパネルに囲まれ、大排気量エンジンによる静粛性の高さ、そしてピクニックテーブルなどの特別な装備を備えていることがその証であった。
しかし時代は進み、安全性やデジタル体験、知能化、そして個別最適化が高級車には求められている。今回のSクラスのアップデートは、照明・空気清浄・温熱制御など「ウェルビーイング(心身の健康)」を重視し、知的なパーソナル空間を作ることに大きな力が注がれている。高級車は豪華な“モノ”から、個人の“体験を高めるプラットフォーム”へと変化したのだ。
なかでも驚きなのは、オプションで最大10度の舵角をもつ後輪操舵システムだ。巨体の最小回転半径を約2mも短縮できるという。これは多くの市場からの声に応えたものだろう。ブランドと顧客との信頼関係を積み重ねる、メルセデスらしい誠実な進化と言える。
