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圧巻のファンネル丸見え! メルセデス専門店が本気でレストモッドした「W124 E500」の中身がヤバイ!!

メルセデス・ベンツ 500E:メルセデス・ベンツ500Eならではのワイドフェンダーのシルエットは、数あるメルセデス・ベンツシリーズの中で最もカッコいいと確信しているからこそ、外観は純正のまま・中身だけを最新技術でまるごと入れ替えるというスタイルを徹底した

世界500台限定の特別なE500がベース
メルセデス専門店が贅沢にレストモッド

大阪オートメッセ2026に展示された700台超のカスタムカーの中に、知る人ぞ知る超希少車が静かに佇んでいました。メルセデス・ベンツとポルシェが手を組んで共同開発・製造した、後にも先にも唯一無二のコラボモデル「W124・E500リミテッド」です。世界限定500台のみ生産されたこのモデルをベースに、埼玉県三郷市のメルセデス・ベンツ専門店「オフィスM」がレストモッドを施した渾身の1台です。外観は純正のままに中身を最新技術で刷新した、こだわりの仕上がりを詳しくレポートします。

経営危機のポルシェを救ったプロジェクト!?
メルセデス×ポルシェが生んだ高性能セダン

今年の大阪オートメッセ2026には、700台を超えるカスタムカーが集結し、訪れたファンたちの視線をくぎ付けにした。派手なクルマに目が向きがちな中でも、わかる人にはしっかり伝わる特別な希少車が今回のOAMでは数多く見られた。そんな1台として注目を集めたのが、メルセデス・ベンツ W124シリーズの「E500」だ。

このクルマは、メルセデス・ベンツがステータスシンボルとして君臨したバブル絶頂期に登場した、知る人ぞ知る特別なモデルである。最大の特徴は、唯一無二のコラボモデルであるという点だ。このモデルに限っては、なんとポルシェのバイザッハ研究所が開発に関与し、ツッフェンハウゼン工場で車体の組み立てと仕上げまでを担当するという、ドイツが誇る自動車技術を融合して生まれた異色のモデルだった。

その背景には、スポーティ路線への挑戦で幾度も失敗を重ねてきたメルセデスが、深刻な経営危機に陥っていたポルシェへ開発パートナーシップを打診したという経緯がある。1988年に両社は開発契約を締結。ポルシェ社内で「プロジェクト2758」と名付けられたこの開発プロジェクトから、高性能スポーツセダン「W124系メルセデス・ベンツ500E」が誕生した。

しかも、会場に展示されていた車両は、このシリーズのモデル末期に世界限定500台のみ生産された「メルセデス・ベンツE500リミテッド」。それをさらにレストモッドで仕上げたカスタムカーだったから驚きだ。

なお、デビュー当時の名称は「500E」だったが、1994年のマイナーチェンジでメルセデス・ベンツ全体がミディアムクラスから「Eクラス」へと改称されたことに伴い、「E500」へと名前を変えている。基本的な素性は同じモデルだが、製造もポルシェ工場からメルセデス・ジンデルフィンゲン工場へ移管されており、マニアの間では前期・後期で区別されることも多い。

若い頃憧れたE500を自分流にモディファイ
ゆとりある乗り味は活かしてより速く快適に

そんな歴史に名を残す特別な1台をOAM会場に展示していたのが、埼玉県三郷市にファクトリーを構えるメルセデス・ベンツ専門店「オフィスM」だ。代表の中川さんは、若い頃にヤナセのメカニックとして勤務し、当時のお客さんのクルマをメンテナンス・試乗するなかで強烈な印象を受けたのがメルセデス・ベンツ500Eだった。独立して会社を設立し、落ち着きを取り戻した今こそ、あの頃に憧れた1台を手に入れようと探し続けた末にようやく見つけたのがこのクルマだという。

購入した車体は1995年式。状態は決して良くなく、大規模なレストアが必要な状況だった。そこで中川代表は「どうせ修復するなら、自分好みのモディファイも加えよう」とレストモッドを決意。あの頃のゆとりある乗り味はそのままに、より速く快適にドライブできる仕様へと作り込むことにした。

エンジンには、R129メルセデス・ベンツ500SLと共通のM119型5.0リッターV型8気筒を搭載する。このパワーユニットは、ポルシェのバイザッハ研究所がチューニングに関与したもので、最高出力325PS/5,600rpm、最大トルク49.0kgm/3,900rpmを発生させる。同時代のライバルであるBMW 540i(286PS)を大きく上回る数値であり、4ドア高級セダンとしてはクラストップレベルのスペックを誇っていた。

E500のオリジナルの良さを極力活かしながら
機能と快適性は最新デバイスでアップデート!

時代の進化、とりわけ電子デバイスの進化は凄まじい。当時の電子制御技術を現代と比較すると、データ容量や処理速度の差はファミコンとプレイステーション5ほどの開きがある。そこで今回のレストモッドでは、5.0リッターV型8気筒エンジン本体はそのままに、トラブルが起きやすいデスビ(ディストリビューター:点火タイミングを管理する部品)を廃してアウディ用ダイレクトイグニッションコイルを移植。スロットルには8連電子制御スロットルを装着し、電動ウォーターポンプもセットした。これらをフルコンピューターの「LINK」で緻密に制御することで、オリジナルエンジンの良さを活かしながら快適性・燃費・動力性能をトータルで向上させている。

注目すべきはトランスミッションだ。本来オートマチックしか存在しないはずだが、「昭和の高級スポーツセダンはマニュアルの方が圧倒的に面白い」という中川代表の信念から、あえて3ペダルMT仕様に換装した。さらに、その操作ペダルはレーシングカーと同じ「チルトン・オルガン式ペダル」に変更されている。オルガン式ペダルはレーシーな演出だけでなく、操作コントロール性の高さが安定性の向上と疲労感の低減にも効果的とされており、最近では欧州高級車にも採用が広がっている手法だ。

サスペンションも大幅に見直された。フロントはエナペタル製ショック、リアはカーベーV3ショックを採用し、いずれも直巻きバネではなくエアサス(エアサスペンション)仕様とした。乗り心地とフォルムの両立を図るための選択だ。

ホイールは当時のメルセデスの定番、AMGディッシュをベースにリバレル(リム加工)を施し、当時の17インチから現代の19インチへとサイズアップ。大容量キャリパー&ローターを装着してもクリアランスを確保できるよう、オフセット調整も行っている。

エクステリアについては「手を加えないのが主義」と中川代表は語る。メルセデス・ベンツ500Eならではのワイドフェンダーのシルエットは、数あるメルセデス・ベンツシリーズの中で最もカッコいいと確信しているからこそ、外観は純正のまま・中身だけを最新技術でまるごと入れ替えるというスタイルを徹底した。

購入から3年半、ボロボロだった1台をここまで仕上げた中川代表。しかし「まだまだやりたいことがある」と話し、今後は電動パワーステアリングと電動エアコンの取り付けも検討中とのことだ。

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