「空飛ぶクルマ」が激走のため900キロ遠征!フォード アングリアで耐久レース挑戦の顛末
映画『ハリー・ポッター』空飛ぶクルマが真夏のサーキットを激走!? 広島から片道900kmを走破して集まった4人の仲間が、千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されたクラシックカー祭典「サイドウェイトロフィー」にフォード「アングリア」で4時間耐久レースに初参戦しました。マニュアル車は十数年ぶりというメンバーもいるなか、ギリギリの燃料でチェッカーを目指す熱い挑戦を紐解きます。
子供二人も加え広島発往復1800kmの大遠征! 「リプレイモトサービス」4時間耐久初挑戦!!
魔界と行き来する空飛ぶクルマとして、映画『ハリー・ポッター』シリーズでお馴染みなのが、フォード・アングリア。1959年デビューの105E型アングリアは、販売市場でも高評価を獲得。モータースポーツ分野においても、1950年代後半から1960年代にかけフォード支援「ブロードスピード」「スーパースピード・コンヴァージョン」の2チームがサーキットで活躍。BMCグループ「ミニ」やルーツグループ「ヒルマン・インプ」としのぎを削る名勝負を歴史に残した。
それから半世紀以上が経った現代。アングリアは世界中のコンペティションシーンにおいて、マニアックな層から支持を受けている。普段「サイドウェイトロフィー」スプリントレース「ティントップクラス」に、アングリアで出場する早川和宏さん。彼の呼びかけで集まった仲間たちが、初となる4時間耐久レースへ参戦した。
早川さんは広島県呉市「リプレイモトサービス」代表。2階ファクトリー、1階カフェという古い建物をリノベーションしたヴィンテージモーターサイクルショップだ。その技術力は定評があり、ここを慕う2輪マニアにはあの所ジョージさんも名を連ねるほどだ。
「4時間耐久の案内を見て、カフェの山下店長を誘ったんです。彼は僕が以前乗っていたヒルマン・インプを引き継いでくれていますし、何度もサイドウェイにも来ています。彼の奥さんのあっちゃんも乗りたいということで、まずはドライバー3名が決まりました」。
そして4人目のドライバー、原田友棋さんは、いつも早川さんの髪を切る美容師。「今度、耐久レースがあるんだけど乗ってみる?」という軽いノリからチームメイト入りを果たした。
「広島からなのでサーキットまで片道900km弱あります。いつも遠足のような気持ちですが、今回は山下夫妻の2歳と4歳の子どもも一緒なので、いつもより賑やかな道中で修学旅行みたいな楽しさもありました」
レース当日「十数年ぶりMT運転する〜」告白!? ところが初心者奮闘で次々ラップタイム更新!
主催者や他エントラントとの前夜祭も大いに楽しみ、早朝から意気揚々とサーキット入りした早川さん。ここで思いもかけないひと言が告げられた。
「それがですね、原田さんが当日になって『十数年ぶりにマニュアル車に乗るんだけど』なんて告白があったんですよ。いま言うか!? と急に不安になりましたよ(笑)」
というのも、普段からヴィンテージモーターサイクルを楽しむ原田さん。そんな心配をよそに、どんどんラップタイムを更新し、早川さんも胸を撫で下ろしたそうだ。
4時間レース、4人編成チームということで大体の目安は1人30分。交代時間を差し引いて2巡目は25分くらいというタイムコントロール。給油は1時間に1回目安というアングリアチーム。
所さんもビックリ「真夏の大冒険」無事完走!?
チーム全員が最高の夏の想い出を共有できた!
最後の1周はガソリンがギリギリ。コーナーで燃料が偏り、加速がふっと途切れることもあったというが、無事に4時間走り切りチェッカーフラッグを受けた。
「初めてのレースでドキドキでしたが、抜いていくマシンもカッコいいのでニヤニヤしながら走ってました。ウェアにヘルメット、準備するのも含めてハードルは高かったですが、それを上回る経験ができました」(原田さん)
「イベントの雰囲気が良く、家族で参加したことも最高の夏の思い出になりました。妻よりタイムが少し良かったのでホッとしています(笑)」(山下さん)
奥さまの敦子さんは「素敵な人たちとの出会い、最高のチームでとても楽しかったです。子どもたちにも温かく接してくれた皆さまに本当に感謝です」
早川さんは「今までは『楽しかったー』と言っていたのが、今回は『楽しかったねー!!』とチーム全員がお互いに共感し合えて、とても幸せな気持ちになりました。みんなと過ごした時間が最高に楽しかったです。次の開催日って、もう決まってるんですかね。もう今から楽しみです」
スプリントと違って耐久レースはチームワークが大切なだけに、往復1800キロにも及ぶ過酷な移動時間でさえ楽しんだ6人には、レースでの4時間走行などは楽なものだったのかもしれない。次の奮闘に期待したい。
