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4A-G用エンジンブロックが現代技術で復刻!? トヨタ車レストア用「GR Heritage Parts」の最前線

トヨタ スープラ:直列6気筒エンジンを搭載したJZA80型。こちらも復刻パーツを装着

メーカー直系の旧車レストア支援! 名車の心臓部から巨大な内装まで復刻するトヨタの情熱

千葉県の幕張メッセで「オートモビル カウンシル2026」が開催されました。今回は、トヨタ自動車とGAZOO Racingの共同ブースに注目します。幻の「パブリカ スポーツ」から「レクサス LFA」まで歴代の名車が勢揃いするなか、熱い視線を集めていたのが旧車の補修部品を再生産する「GR Heritage Parts」の展示です。AE86のエンジンブロックやJZA80型スープラのダッシュボードなど、メーカーの意地とノウハウが詰まった復刻パーツの最前線をレポートします。

「パブリカスポーツ」から「LFA」まで歴代スポーツカーを代表する6台集結のトヨタ共同ブース

国内最大級の旧車の祭典として知られる「オートモビル カウンシル」は、今回で11回目の開催となりました。ここ数年、旧車そのものに加えて、それを整備し完成させるための「レストア」という工程にも大きな注目が集まっています。その背景には、国内の自動車メーカーが自社製品向けの補修パーツを積極的に用意するようになったことが挙げられます。

その先陣を切ったトヨタは、今回もトヨタ自動車とGAZOO Racingの共同ブースを出展しました。展示車両は、1962年のコンセプトカーを2012年に復元したトヨタ パブリカ スポーツのレプリカをはじめとします。ちなみにこのパブリカ スポーツは、戦闘機のキャノピーのようにルーフ全体が後ろにスライドして開閉する仕組みになっており、「ドアが存在しない」という当時としても非常に独創的な特徴を持っていました。

その発展形として1965年に登場したトヨタ スポーツ800(UP15)や、1967年デビューの国産初本格GTカーであるトヨタ 2000GT(MF10)。さらに、今なおライトウェイトFRとして人気の高い1983年式のトヨタ スプリンター トレノ(AE86)、1993年式の直列6気筒搭載モデルであるJZA80型トヨタ スープラ、2010年のレクサス LFA(LFA10)という、計6台のスポーツカーが勢揃いしました。

トヨタは現在、愛知県長久手市の「トヨタ博物館」と、静岡県小山町の富士スピードウェイに隣接する「富士モータースポーツミュージアム」という2つの博物館を運営しています。今回の展示車両の多くはトヨタ博物館の収蔵車両と見られ、会場では両館のスタッフが解説員を担当していました。ちなみにトヨタの本社周辺には自社製品を展示するいくつかの企業博物館があり、自動車博物館好きにはある種の聖地となっています。

AE86の「4A-G」用新品シリンダーブロックが現代技術で再生されGRヘリテージパーツに追加!

今回の共同ブースに展示された6台のうち、AE86型スプリンター トレノとJZA80型スープラは、廃番となったスポーツカーの部品を復刻する「GR Heritage Parts(GRヘリテージパーツ)」が組み込まれた看板モデルです。ブースのバックボードには、数々の復刻パーツが展示されていました。

プロジェクト第2弾となったAE86型向けには、名機と呼ばれる1600ccツインカムの「4A-G」エンジンのシリンダーブロックとシリンダーヘッドがラインアップに追加されています。

じつはこのシリンダーブロック、単に古い金型をそのまま使って再生産したわけではありません。現代の3D解析や最新の鋳造技術を用いて細部がリファインされているため、「当時の新品よりも精度や耐久性が向上している」という事実があります。

クルマの心臓部となるエンジンは、ただ単純にサイズが大きいだけでなく、メーカーにとってノウハウの集大成です。その主要パーツを現代の最新技術でアップデートしながら復刻することは、メーカーにしかできない大仕事であり、レストアを手がけるプライベーターやプロショップにとって大いなる朗報となったはずです。

熱や経年劣化でダメージの多そうなJZA80型スープラの大きなダッシュボードやカタログを復刻!

いっぽう、JZA80型スープラ用のパーツとしては内装に関して大きな進捗が見られました。これまでもセンタークラスターやメータークラスターなど4分割されたパネルが用意されてきましたが、今回はダッシュボード本体の復刻が完成したのです。

左右のAピラーを結ぶ全幅サイズの大がかりなパーツであり、バックボードに展示された姿は圧倒的な存在感を放っていました。

こうした機能部品だけでなく、修理マニュアルや当時のカタログまで幅広く復刻させている点は、まさに至れり尽くせりと言えます。とくにカタログの復刻やアパレルグッズの展開は、幅広い層にアピールすることで、新たなクルマファンを開拓することにも繋がります。

今後は車種ごとにパーツを充実させると同時に、対象車種もさらに拡大してほしいというのがファンの偽らざる実感でしょう。メーカーの意地と情熱が詰まった「GR Heritage Parts」のさらなる展開に、ますます期待が高まります。

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