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10分で325km分を急速充電! メルセデス・ベンツ新型「電動Cクラス」が専用EVプラットフォームでミッドサイズセダンを再定義する!

メルセデス・ベンツ Cクラス:ワイドなクロームフレームとスモークガラス調メッシュ、中央のスリーポインテッドスターを組み合わせたアイコニックグリル。1050個の発光ドットはオプション設定となる

専用EVプラットフォームと800V急速充電が電動ミッドサイズセダンの新基準を切り拓く

メルセデス・ベンツは4月20日、新型「電動Cクラス」を発表しました。「C 400 4MATIC electric」は360kW・WLTP762kmを達成し、800Vで10分325km分の急速充電が可能です。39.1インチMBUXハイパースクリーンやAIRMATICなども備え、電動ミッドサイズセダンの新基準を示します。

クーペライクなシルエットとCd値0.22のボディが生む走行効率と広い室内空間

メルセデス・ベンツは4月20日、新型「電動Cクラス」を欧州で発表した。Cクラスは同社のベストセラーモデルのひとつだが、新型はその中核モデルを電動化し、ミッドサイズセグメントを再定義する存在として投入される。市場投入はまず米国から開始され、他市場への展開は各地域の法規制に応じて進められる見通しだ。

新型電動Cクラスは、メルセデス・ベンツの最新デザイン言語を採用し、クーペライクなシルエットと筋肉質なGTリアによって、従来のCクラスとは異なる鮮烈な印象を与える。フロントには1050個の発光ドットを備えたアイコニックグリルを採用し、ワイドなクロームフレームとスモークガラス調メッシュ、中央のスリーポインテッドスターを組み合わせる。ヘッドライトは星形デザインを取り入れ、標準のLEDハイパフォーマンスヘッドランプに加え、オプションでデジタルライトも選択可能だ。リアには4つの丸型星形テールランプを備え、独自の車両イメージを形づくる。

空力性能にも配慮が行き届いており、前後バンパー形状、フロント部の隙間処理、ミラーやトランクリッド端部の造形、ほぼ全面を覆うフラットなアンダーボディ、18〜20インチの空力最適化ホイールなどにより、Cd値0.22を達成した。高い効率と長い航続距離に貢献する設計だ。

パッケージングでは、専用EVアーキテクチャーを生かした新しい空間設計が見どころだ。ホイールベースは2962mmで、従来のCクラスセダンに比べ97mm長い。これにより前席のレッグルームは12mm拡大した。標準装備のパノラミックルーフの効果もあり、ヘッドルームは前席で最大22mm、後席で11mm増している。荷室容量は470Lに達し、さらに前方には101Lのフランクを備え、充電ケーブルも収納できる実用性が与えられている。

39.1インチMBUXハイパースクリーンと多彩な装備が実現するCクラス史上最上の空間

室内では、上質感と先進性を両立した新しい快適空間が追求された。オプションのMBUXハイパースクリーンは、ドライバー側・センター・助手席側の3つのディスプレイを1枚のガラスに統合した39.1インチのシームレスディスプレイで、Cクラス史上最大の画面サイズとなる。1000個超の個別LEDを備えたマトリクスバックライト技術を採用し、表示領域ごとの輝度調整にも対応する。助手席側では映像視聴などのエンターテインメント機能も利用できる。

装備面では、9分割調光機能を備えるスカイコントロール パノラミックルーフが注目される。ガラスは瞬時に透明と不透明を切り替えられ、夜間には162個の星がアンビエントライトと連動して発光する。新開発の高級シートはランバーサポート、全面マッサージ、ベンチレーション、4Dサウンドに対応し、標準シートでも前席ヒーターと電動調整機能を備える。素材面では、ナッパレザーの「ツイステッド ダイヤモンド」デザインや、ヴィーガン認証インテリアも設定される。メルセデス・ベンツによれば、GLCに続く同社2車種目のヴィーガン認証内装車となる。

快適性では、マルチソースヒートポンプの採用も特徴だ。電動パワートレーンやバッテリーの廃熱、外気の3つを並行利用し、同等性能の補助ヒーター比で約3分の1の電力で暖房能力を発揮する。気温マイナス7度の環境で20分走行した場合、車内は従来の内燃機関モデル比で2倍の速さで暖まり、必要エネルギーは約半分に抑えられるという。

2速トランスミッションと800V/330kW急速充電がWLTP762kmを可能にするパワートレーン

パワートレーンでは、後輪に永久磁石同期モーターを搭載し、新開発の2速トランスミッションを組み合わせる。1速は11:1で発進加速や市街地効率、牽引性能を重視し、2速は5:1で高速域での効率と快適性を担う。4MATICモデルでは前輪側にも永久磁石同期モーターを備えるが、必要時のみ作動し、低負荷時にはディスコネクトユニットで切り離すことで前軸損失を最大90%低減する。回生性能は最大300kWに達し、パドルで回生量の調整も行える。

足まわりは、標準で振幅感応型ダンパーとダイレクトなステアリングを備える。さらにオプションのアジリティ・アンド・コンフォートパッケージでは、新しいAIRMATICエアサスペンションと最大4.5度の後輪操舵を採用する。Car-to-X情報やGoogleマップを活用した予測制御ダンピングにより、路面のうねりや減速帯の手前で減衰力を事前調整する。後輪操舵は最小回転半径を11.2mまで縮小し、70km/h以上では前輪と同位相に最大2.5度操舵して高速安定性も高める。

市場導入時の中心モデルは「C 400 4MATIC electric」で、最高出力360kW、0-100km/h加速4.0秒、WLTP航続距離762kmを達成する。新しいリチウムイオンバッテリーの実用容量は94kWhで、800V充電では最大330kWのDC急速充電に対応し、10分で最大325km分の航続距離を回復できる。今後は後輪駆動車や別バッテリー仕様も追加予定で、後輪駆動モデルでは約800kmの航続距離が見込まれている。

デジタル領域では、車両全体を統合制御するMB.OSを採用したことも大きい。ソフトウェアはOTAで更新可能で、インフォテインメントから運転支援まで機能追加を継続できる。第4世代MBUXはGPT-4o、Microsoft Bing、Google Geminiを組み合わせたマルチエージェント構成を採り、複雑な対話や短期記憶に対応する。Googleマップベースのナビゲーション、エレクトリックインテリジェンス、MBUXサラウンドナビゲーション、ARヘッドアップディスプレイなども備え、電動車ならではの経路・充電計画を支援する。安全面では最大27個のカメラとセンサー、最大11個のエアバッグ、プレセーフカーブ機能、MB.ドライブアシストプロなどを搭載し、クラス最高水準の安全性を狙う。

【AMWノミカタ】

ほぼ時を同じくして、BMWの新型電動モデル「i3」とメルセデス・ベンツの新型電動Cクラスが発表された。BMWは「Heart of Joy」と呼ばれる走行統合制御ユニットを導入し、クルマの姿勢制御やトルク配分、モーターの制御を細かく行い、ドライバーが意のままに操れる楽しさを実現している。いっぽう、新型Cクラスは「Welcome Home」をテーマに快適性・静粛性・上質さ・長距離移動の質にこだわり、乗る人の心身を整える空間を提供するなど、同じ電気自動車でありながらも、その方向性は大きく異なる。

今回の新型Cクラスでは多くの装備が初採用されている。なかでも目を引くのは新世代の39.1インチMBUXハイパースクリーンで、とうとう前席の全面がスクリーンで覆われる時代になった。モノをぶつけてしまったり振動などで破損するリスクも大きそうだが、このスクリーンは内部にダンパーを挟んだフローティング構造であり、ガラス+キャリアフレーム+内部補強材の三層構造で衝撃を一点に集中させない工夫も施されている。

エンジンの振動がないEVだからこそ実現できる装備として、ミッドサイズセグメントを再定義できるか注目だ。そのほかにもマルチソースヒートポンプなど、目に見えない部分の快適性の追求にも抜かりはない。電動モデルは今後どのような方向に進むのか、それぞれ目指す道の異なるBMW i3と新型Cクラスの市場での評価が楽しみである。

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