ポルシェ界のカリスマにしてインフルエンサーが放つ唯一無二のアウトロースタイルは、スバルブルーに金色ホイール!?
RMサザビーズ北米本社が2026年3月18日に開催したオンライン限定オークションに、ポルシェ界のカリスマであるマグナス ウォーカー氏の個人コレクションが放出されました。なかでも世界中のポルシェファンを熱狂させたのが、彼独自の「アウトロー」スタイルでカスタムされた1976年式ポルシェ「911ターボ(930)」です。約3236万円という高値で落札された、こだわりのディテールと圧倒的な存在感に迫ります。
マグナス ウォーカーのセンスが光る! 「マイバージョンのポルシェ スバル」は定番のブルーに金色ホイール!
「私が所有する1976年式『ミネルヴァブルー』のユーロ仕様930ターボは、私にとって2台目のターボです。スイス市場に向けて作られたもので、サンルーフは省略されています。ところで、欧州仕様およびそのほかの地域向けの3リッターの930ターボは、US仕様車よりもわずかに馬力が高くなっています。米国仕様は240ps、欧州およびそのほかの地域向けは260psです。エンジンは、カムプロファイルが異なる以外はすべて同じですが、それによりわずかに高い出力が得られています。排気量はともに3リッター、4速マニュアルのみが組み合わされたのも同じです」(マグナス ウォーカー氏、以下同)
「また欧州仕様車であるため、実際には米国仕様の半分ほどの大きさしかない、小型の欧州仕様バンパーオーバーライダーが装着されているのも特徴でしょう。この個体はサンルーフなし仕様であるため、ヘッドルームが少し広く、全体的に少し洗練された印象を受けます。この930ターボのエクステリアでほかに興味深い点は、オリジナルのミネルヴァブルーとは少し異なる色合いで再塗装されていることです。また新車としてラインオフした時のインテリアは、ホワイトのレザーがオプションで選ばれていましたが、スイスにデリバリーされた930ターボとしては少々派手すぎる印象も受けますね」
強烈なヒス音を轟かせるエキゾーストと、初披露された純正フックスをオマージュした特注アウトローホイール
「さて、このミネルヴァブルーの930ターボの走り味は、米国仕様の930ターボとはまったく異なる……いや、同じようでいて違う。どういうわけか、少し速く感じるのです。おそらく、欧州仕様の20ps差が影響しているかもしれません。そして、間違いなく少しワイルドなのは、この930にはテキサスの『RarlyL8』という会社が製造した『フーリガン エキゾースト』と呼ばれるセミカスタムのエキゾーストを装着したのも効いているでしょう。そのため、実際には大音量で甲高い排気音が響き、ターボのスプールアップ時のオーバーランによるヒス音やうなり音がたっぷりと聞こえます」
「とはいえ、私がこのミネルヴァブルーの1976年式930ターボで真に重要なトピックと考えているのは、『フィフティーン52』の面々と共同で手掛けた『アウトロー ホイール』を初披露するために選んだクルマということです。そのホイールは、オリジナルのフックスをアウトロー スタイルで再解釈したようなものでした。私たちが初めて製作したホイールセットが、この930ターボに装着されています。そのホイールを初披露したのは、2014年8月、モントレー カー ウィークの直前にサンタモニカのレッドブル本社でした。カラーコンビネーションはミネルヴァブルーに、ゴールドがかったブロンズ色のアウトロー ホイール、そしてブラックのセンターという組み合わせです。私はいつも冗談めかして、これを『マイバージョンのポルシェ スバル』と呼んでいますよ。ブルーとゴールドの配色ですから、きっとスバル好きの人々にも喜ばれるでしょうね」
伝説の「アウトロー」マグナス・ウォーカーの魂が宿る、唯一無二のポルシェ930ターボが放つ圧倒的存在感!
その爆発的なパワーとワイルドな乗り味ゆえに、初期の欧州仕様930ターボは、今もなおポルシェ愛好家から絶大な人気を誇っている。このほどRMサザビーズ「Magnus Walker:The Outlaw Collection」オークションに出品された、マグナス ウォーカー所有のシャシーナンバー「9306700216」も、この憧れのグループに名を連ねる1台。そして、この1台は、マグナス ウォーカーの代名詞「アウトロー」にふさわしい独自のスタンスとスタイルをも備えている。
2013年にウォーカー氏が手に入れて以来、この930ターボは彼のコレクションの中心的存在であり続けていた。ファンの期待どおり、数々の個性的なカスタマイズが施され、アグレッシブなアウトロー スタイルの930ターボとして完成されている。
アメリカのホイールメーカー「フィフティーン52」とのコラボレーションにより製作された、フックスを彷彿とさせるディープディッシュのホイールは、フロントに225/50-15、リアに245/45-15というセットアップで装着され、分厚いハイトでアメリカンな「フージャーR6」タイヤを履いている。
この組み合わせにローダウンされた車高も相まって、ワイド化されたフェンダー内を絶妙に埋め尽くし、レース生まれのポルシェ「934」を彷彿とさせるシルエットを生み出している。
ボディは、オリジナルのメーカー塗装であるミネルヴァブルー メタリックに近い色合いで仕上げられており、ゴールドブロンズ色のアウトロー ホイールと巧みなコーディネートを見せている。このホイールは、じつはこのタイプのものとしては世界で初めて生産されたものという。
同じくインテリアも、視覚的に「アウトロー」なスタイルだ。ウォーカー氏自身が所有する1978年式「911SC」からコンバートしたという、レザーとコーデュロイで覆われたブルーのシートが装備されている。
新車として出荷された際には全面ホワイトのレザー内装だったそうだが、このコントラストの明確なインテリアは、キャビン空間にユニークで触覚的要素を加えている。じつは彼、もともと古着のカスタマイズから身を起こし、独自のアパレルブランド「シリアス クロージング」を大成功させたという異色のバックボーンを持つ。ファッションとテキスタイルについて鋭い目利きである人物、つまりはマグナス ウォーカー一流のセンスによるものであることは間違いあるまい。そして「MOMO Mod.7」ステアリングホイールが、このターボチャージャー搭載ポルシェのドライバーに、確かな操作感を提供するだろう。
希少3リッターの初期型930ターボ、約3236万円で落札。マグナス流美学を宿した「動く芸術品」に世界が熱狂
なお、ポルシェ本社公認の歴史家にして、元ワークスドライバーでもあったユルゲン バルト氏からのレポートによると、この個体にはナンバーマッチングされた3Lシングルターボエンジンが、新車時からそのまま搭載されているとのことである。
RMサザビーズ北米本社は「マグナス ウォーカー氏の個人コレクションに収められている多くのポルシェと同様、この1976年式欧州仕様の911ターボは、スタイルとパフォーマンスが交差する領域に位置しています。初期の欧州仕様930として、このシャシーナンバーはすでに極めてコレクション価値の高いポルシェですが……、その紛れもない個性のおかげで、このクルマはそれ以上の存在へと変貌を遂げました」と謳いあげつつ、17万5000ドルから20万ドル(邦貨換算約2783万円から3180万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定。さらに「Offered Without Reserve」、つまり最低落札価格は設定しなかった。
こうして3月18日にオンライン入札が始まったが、1週間の期間中に順調なビッドが入り、最終的には20万3500ドル。つまり現在のレートで日本円に換算すると約3236万円という、売り手サイドにとっても買い手サイドにとっても満足できるであろう価格で落札されるに至ったのである。
独自の美学と哲学が貫かれたこのアウトローな930ターボは、単なるクラシックポルシェの枠を超え、ひとつのストリートアートとして評価された証といえるだろう。世界中のポルシェフリークが憧れる彼のセンスが、次なるオーナーのもとでどのように輝き続けるのか。アウトローの「ポルシェ スバル」の今後の動向からも目が離せない。
※為替レートは1ドル=159円(2026年4月28日時点)で換算
